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2021年6月23日

東京オリンピックにはもう、匙を投げた

先月に "東京オリンピック開催、「どうぞご勝手に」" (3日付)と、"改めて「東京オリンピックは他人事」と確認しておく" (4日付)という記事を書いたが、まさにその通りの展開になってしまっている。ここに至っては、もはや「匙を投げた」と言わせてもらう。

210623

NewSphere の「東京オリンピック絶対開催の理由、海外メディアが指摘」という記事によれば、開催中止にできない理由のほとんどは経済的なものであるらしい。やはり最終的にはゼニカネの問題に行き着くのだ。地獄の沙汰も金次第である。

一時言われていた「IOC への違約金」というのは、どうやら払わなくてもいいみたいだが、「野村総研の試算では、完全中止となれば 1兆 8000億円、GDPの0.33%に相当する経済効果が失われる」と伝えられる。さらに、次のようなこともある。

さらに 68社の日本のスポンサー企業は既に莫大な金額の払い込みをしているので、中止になれば世界の保険会社は 20億~30億ドル(約 2200億~3300億円)の損失を被るという。政府としては、そうした渦中に飛び込みたくないのだろう。

米国の NBC ユニバーサルはネットワークやストリーミングで過去最高の利益を期待していて、後には引けない状態だという。マスコミとしては中止キャンペーンなんか、できるわけがなかったのだ。

さらに無観客での実施となると、既に販売済みのチケットの払い戻しという「悪夢」につながるので、考えたくないらしい。観客を入れた結果、それ以上の悪夢になる可能性もあるわけだが、「安全安心」という根拠のない寝言を繰り返してさえいれば、そこから逃れられると思っているようなのだ。

結局のところ、「誰も責任者がいないように見えるのが東京五輪」(作家、ロバート・ホワイティング氏)というのが、最も「言えてる」指摘だと思う。国も都も、明確な「責任者」ってわけじゃないから、「とにかくやって、その上でどうなっても、その時はその時」ということなのだろう。

というわけで、私としては既に「どうぞご勝手に」とか「他人事」とか言っているので、なるべく騒ぎには関わらないで淡々と暮らしていこうと思っている。不幸中の(甚だ勝手な)幸いというか、私も妻も五輪直前にワクチンは 2回接種済みになる予定でもあるし。

【追記】

もしかして最近の人は「匙を投げる」という言い方に馴染みがないかもしれないので、一応「コトバンク」にリンクを張っておく。

 

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コメント

競技のテレビ中継を見ないから!

アタクシの分の税金返しておくれよ!

投稿: 乙痴庵 | 2021年6月25日 22:13

乙痴庵 さん:

いやぁ、考えてみると、今回のオリンピックって、ずいぶんな税金の無駄遣いですね!

投稿: tak | 2021年6月26日 05:56

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