さほどには長生きせずに済むらしい
一昨日の記事で「ヨレヨレで生き延びるよりは、さっさと寿命を全うする方がマシなんじゃないか」なんて書いた(参照)。私は昔から「長生き願望」というのがなくて、平均寿命が延び続ければ嫌でも長生きしなければならないんじゃないかと、ちょっとうんざりしていたのである。
ところが Gigazine の "人間の平均寿命が延びているのは「長生きできる年齢の限界が上がったから」ではないという研究結果" という記事を読んで俄然安心してしまった。人間はどんどん長生きするように進化しているのではなく、平均寿命が上がっているのは「早死に」が減っているからだというのである。
この記事は次のように紹介している。
一説によると 1850年代から現代にかけて人類の平均寿命は 40歳から 70歳に延びたといわれています。実際に、日本の厚生労働省の公式発表では、平均寿命は昭和 22年(1947年)から令和元年にかけて 50歳から 80歳へ大幅に伸びたことが記録されています。
確かに、私の祖母は 50歳そこそこで死んだし、祖父も 70歳前に死んだが、両親は 70代まで生きた。このままだと、これといって持病も何もなく健康そのものの私は 100歳近くまで生きなければならないんじゃないかと、戦々恐々としていたのである。
「惰眠を貪る」という言い方があるが、「惰生を貪る」というのは、もっと面倒ではないか。
ところが南デンマーク大学のフェルナンド・コルチェロ氏とデューク大学のスーザン・アルバート氏ら 14カ国 39名の研究者が、霊長類において種内の老化速度は変わらないという「老化速度不変則」という仮説を発表したという。要するに「いつまでも長生きできるってもんじゃない」ということだ。
研究によると、次のことがわかったという。
平均寿命が短い生命表では寿命の平等度が低く、平均寿命が長い生命表では寿命の平等度が高いという傾向が判明。これは言い換えると、早死にが多い社会では死亡時年齢にばらつきが大きく、ゆえに平均寿命が短かくなり、反対に早死にが少ない社会では死亡時年齢にばらつきが小さく、平均寿命が長くなることを意味します。
簡単に言ってしまえば、人類に限らず霊長類では、「平均寿命の変動は主に乳児・子ども・若年成人の死亡が原因」ということのようなのだ。現代は赤ちゃんの死亡率が減ったので、平均寿命の数字も伸びているだけということだ。
この記事の英語の元記事がいくつか挙げられているが、タイトルの魅力的なのはこの研究をリードしたと見られる南デンマーク大学のサイト、SDU の、"We cannot cheat ageing and death" (我々は加齢も死もごまかせない)というものだ。
こんな場合の "cheat" というのは「うまい具合に逃れる」という意味合いもあるから、「うまくごまかしたつもりでも、結局は加齢からも死からも逃れられないんだからね」というニュアンスもあるだろう。流石だね。
そんなわけで、私も心配するほどにはダラダラと長生きしなくても済みそうということで、ほっとするあまり、記事のタイトルまで川柳じみたものになってしまった。
このブログの毎日更新が順調に続けば、ほぼ 10年後の 2031年 5月 12日に「10,000日連続更新」の記録が作れる。できればその「連続更新記念記事」を書いてみたいとは思うが、その区切りさえ過ぎればあとはいつポックリ逝っても構わない
なんてお気楽なことを言っていると、ストレスがなくなってさらに長生きしてしまいかねず、かえってコワいのだが。
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コメント
「10,000日連続更新」の日にコメントできたらと思います。
投稿: ハマッコー | 2021年6月24日 18:47
ハマッコー さん:
よろしくお願いいたします (^o^)
投稿: tak | 2021年6月24日 19:30
たまにいる勘違いが、「縄文時代の平均寿命は30歳」と聞いて、「30年で今の85歳くらいのヨボヨボの高齢者になるのか!」という人。んなわけあるかい!
投稿: らむね | 2021年6月24日 20:28
らむね さん:
わはは (^o^)
いかにもありそう。
投稿: tak | 2021年6月25日 07:32