何かと気がかりな中国の動向 1
NewSphire に「一党独裁の繁栄はこのまま続くのか? 中国共産党100周年」という記事がある。私も先月 26日付の "コロナ・ワクチンと、中国の「妙に覇権的な振る舞い」" という記事で「近頃、中国という国は何かと問題だよね」と書いており、本当に気にかかるところである。
私は日本海側の貿易港がある山形県酒田市で生まれて育ったので、高校生の頃までは街中でロシア人とすれ違うことがよくあった。ロシア人が街の商店街で買い物をする姿もよくみかけていた。今は中国人の方が多くなっているだろうし、東京の街中でも中国人の姿は珍しくない。
さらに昔はよく香港に出張していたので、香港の人たちが中国に対して感じている脅威を、ほんの少しではあるが共有していたようなところもある。そんなわけで、中国の動向は気になってしまうのだ。
NewSphire の記事は中華人民共和国の歴史を、次のような 3段階でまとめている。
- 毛沢東の時代(建国初期〜文化大革命)
ほとんどの中国人が共産党の支配を熱烈に歓迎していたが、マルクス主義や毛沢東主義を理解している人はほとんどおらず、支持されたのは平和と復興への約束だった。
偉大な指導者だったはずの毛沢東は、朝鮮戦争、大躍進政策、文化大革命で多くの国民の命と経済を犠牲にした。 - 鄧小平の時代(開放路線)
文革で失脚していた鄧小平が 1978年に復活し、改革開放路線に舵を切った結果、経済は大きく成長し、党の人気も一時的に回復したが、インフレと汚職を招き、中国人は西側の政治的価値観を知ることになった。 - 習近平の時代(党内保守派による独裁体制の強化)
1989年の天安門事件以来、党内の保守派の力が強まり独裁指導体制が再強化された。
以後、力強い経済成長と同時にイデオロギーが緩みかけていたところに登場した習近平が、党の特権や権力を大幅に強化しつつも、中国を経済大国へと導いた。
というわけで、米シンクタンクの大西洋評議会のフレデリック・ケンプ CEO は、CNBCへの寄稿記事で中国が「歴史上最も成功した権威主義国家になった」としていると紹介されている。「最も成功した権威主義国家」というのは、言い得て妙である。
問題は、中国がこのまま「権威主義的国家」の様相を強め、私が先月 26日の記事で触れた「妙に覇権的な振る舞い」を強めていくのかどうかである。このまま強めていくようだと、周辺の我々の危惧はどんどん強まらざるを得ない。
以下、長くなるので、続きは明日に。
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コメント
今、日本は中国に確実にじわじわと浸食されています。
街中に急激に増えてきている中国人経営の中華料理店がそれを思わせます。
中国人が経営する店は一目瞭然。店の外側の壁の面積は全て料理の写真、価格などの表示で占領されてます。店の外側は張り紙べたべたでカオスですね。
街中にあるカオスな中華料理店の売りは何と言っても激安な価格です。
麺類と丼物のセット(それぞれが一人前)で680円。日本人経営なら麺類も丼物も一人前で700円から800円は普通です。
つまり価格は半額以下なんです。しかも美味い。彼らは実によく働くし接客も日本流です。これで繁盛しないはずがありません。彼らにとって日本は希望をもって働き稼げる土地なんでしょう。
彼らの戦略は、
·土地代や家賃の高い都心部には決して店を出さない。
·地方小都市の郊外に店を出す。
·駐車場を広くする
·徹底した低価格
·日本人に対して友好的(商売だから当然か)
つまり利益につながることは徹底してやります。
今後も日本での成功を聞きつけた中国人が続々と日本に移住してくるのは間違いないですね。
家電量販店や牛丼店、コンビニの店員も相当数中国人です。
30年後日本は消滅すると予想する人もいますが、決して大げさではないと思います。日本を占領するのにミサイルは要りません。習近平は中国人を日本に送り込めば無血で占領できます。
尖閣に気を取られてる間に中国人民がミサイルとなって日本に押し寄せているのです。
投稿: ハマッコー | 2021年7月 1日 23:01
ハマッコー さん:
そのようにして日本で成功した中国人は、決して「中国共産党の手先」というわけではないでしょうから、ほとんどは窮屈な祖国に帰ろうとは思わないでしょうね。
というわけで、私としては「浸食」はされても「侵略」はされていないと見てしまうのですが。
投稿: tak | 2021年7月 2日 13:59