「必要で緊急な打ち合わせ」を、「黙食」で引き延ばす
「自公幹部、5人で会食 政府要請の人数オーバー」というニュースには、笑わせてもらった。いろいろ言いつくろっているうちに、「フツーの世界」からどんどんかけ離れていくという素晴らしいサンプルである。。
とりあえず動かしがたい事実としては、「自民党の二階俊博、公明党の石井啓一両幹事長ら与党幹部 5人が、17日に東京都内の日本料理店で昼食を共にし、会談した」ということのようだ。そしてこれが、「コロナ感染防止のため、会食の際には 4人以下で」という政府の呼びかけに反しているというわけだ。
これに参加していた自民党の森山裕・国対委員長は「不要不急の会合ではない。食べながら話すということはなかった。感染症対策を理解しながらやっているつもりだ」と説明し、公明党の高木陽介国対委員長は「会食ではなく打ち合わせだ」と強調したと伝えられている。
ふむふむなるほど、「不要不急の会合ではない」ということは、文字通りに受け取ればそのココロは、「必要で緊急の打ち合わせだった」というわけだね。
このあたり、毎日新聞の記事ではより詳しく書かれており、高木氏は「会食ではない。打ち合わせの前にそれぞれ昼食を『黙食』でとったということだ」と説明したという(参照)。
なるほど、よくわかった。「必要で緊急の打ち合わせ」をするために、都内の日本料理店の「換気の良い広いスペース」を確保したということだね。そして高木氏の言葉を無理にでも信じるとすれば、その「必要で緊急の打ち合わせ」を始める前に、5人でしばらくしんねりむっつり「黙食」していたというわけだ。
フツーに考えたら、不要な「黙食」をして「必要で緊急の打ち合わせ」の開始を引き延ばすぐらいだったら、面倒な食事の席なんか設けずに、どこかの会議室で手っ取り早く打ち合わせをすればよかったではないかということになる。しかしこの人たちの考え方というのは、どうにもフツーじゃないようなのだ。
とにかくなんだかんだ言っても、「必要で緊急の打ち合わせ」の前に「うまいメシ」を(たとえ黙ってでも)一緒に食うことも含めて「必要で緊急な事項」と考えてしまう人たちなのだね。
これ、念のためにちょっと脇を締めようと思ったならば、自民党の 3人と公明党の 2人が、それぞれ別席(隣の部屋でも OK)での食事の後に合流するという設定だったら、「ぎりぎりセーフ」で行けたはずだ。用心深いスタッフだったら、そうした段取りを提案しただろう。
しかしそこはそれ、こうしたおっさんたちのことだもの。どうしても「5人揃って」ということになるのだろうね。「せっかく一緒にメシを食うのに、別々では話にならん」ということだったら、「ほうら、やっぱり『黙食』なんかじゃないじゃん!」ってなことになる。いずれにしても理窟が通らない。
それにしても、5人のオッサンの「黙食」が本当だったとしたら、さぞかし異様な光景だっただろうなあ。
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コメント
なぜメシと会合がセットなのか・・・
そうしておくとメシ代が経費で落ちるからでしょうねw
投稿: らむね | 2021年8月18日 09:01
ZOOMでいいじゃん!(食べながらできるし)
投稿: automo | 2021年8月18日 10:04
らむね さん:
さもしい根性ですよね ^^;)
投稿: tak | 2021年8月18日 14:00
automo さん:
まさに! (^o^)
投稿: tak | 2021年8月18日 14:01
「まぁメシでも喰いながら」
と言う文化を次代に遺すため、このご時世の風を切り裂いてでも実行なされた「おセンセイ方」には、ホント、どう褒めて良いのか言葉もございません。
政治資金パーティーなどでお忙しい中、国会が開かれないから「必要急」な話し合いを、強行されたと言うことですね!
ホント、頭が上がりません。視線を合わせられません。票も入れたくありません!
投稿: 乙痴庵 | 2021年8月18日 17:03
乙痴庵 さん:
最後のオチが効いてますね (^o^)
投稿: tak | 2021年8月18日 21:23