『鉄道唱歌』に出てくる「愛宕の山」の姿
「汽笛一声新橋を・・・」で始まる『鉄道唱歌』を初めて知った子どもの頃は、都から遠く離れた山形県庄内の地に住んでいたので、「愛宕の山に入りのこる 月を旅路の友として」という歌詞は、遙か西の多摩の山々を望んでのものと思い込んでいた。
長じて上京し、「東京都港区愛宕」なる地名が存在すると知ったが、すぐには『鉄道唱歌』に出てくる「愛宕の山」とは結びつかなかった。とくにその辺りは慶応大学の地盤なので、早稻田大学に通った身としては近くの「箱根山」には馴染んでも、「愛宕山」にはまだ登ったこともない。
やがて知らされたのは、『鉄道唱歌』に出てくる「愛宕の山」とは、まさしく港区愛宕にある「愛宕山」のことで、標高 25.7m、東京 23区内の天然の山としては最高峰ということだった。一方、早稻田の近くの「箱根山」は標高 44.6m で、山手線内の最高峰だが、人造の「築山」なのだそうだ。
私は 10年前の和歌ログで、この愛宕山の下を潜るトンネルの歌を詠んでいる。
上に掲げた Google Map ストリートビューの「愛宕山三角点」のあたりを拡大してみると、下のようになる。「鎮守の森」というには小規模すぎるが、一応緑に囲まれた屋根が愛宕神社の社殿だ。山手線から眺めていても、大抵は何も気付かないうちに通り過ぎてしまうのだが。
この画像からだと三角点は神社の社殿の中にあるように勘違いしそうだが、観石万歩というサイトの「二等三角点愛宕山」というページを見ると、愛宕神社の弁財天社の左手前にあるとわかる。なるほど、確かに「山」には違いないようなのだ。
ちなみに「愛宕神社」という神社は全国至る所にあるが、ほとんどは「火伏せの神様」が祀られており、東京港区の愛宕神社も「火に関するもの、防火、防災」の御利益があるとされている(参照)。
このコロナ禍が収まったら、一度東京に出て愛宕山と箱根山の縦走(?)をしてみてもいいかもしれない。来年の春頃になるかなあ。
そういえば我が茨城県でも笠間市に愛宕山と愛宕神社というのがちゃんとあり、自転車で登る「ヒルクライムの名所」となっている。私も既に 8回以上登っている(参照)。こっちの方は、秋になったらまた自転車で登ってみようと思う。
笠間の愛宕神社は「日本三大火伏神社」と言われているが、この件については 6年とちょっと前に書いている(参照)ので、よろしければお読みいただきたい。
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