« 今さらだが、安倍晋三の皇室に関する意識を疑う | トップページ | 「一笑」は「一度笑う」って意味じゃないかも »

2021年8月 3日

「横浜的矛盾」を無視するのは「選挙の都合」

一昨日付の "オリンピックと、自民党的「老害」の本質" という記事に、ハマッコー さんが興味深いコメントを付けてくれた。秋に予定される横浜市長選についての「魑魅魍魎」に関する話である。

210803

この件については、東洋経済の ”小此木氏、「横浜市長選出馬」の複雑怪奇な舞台裏 横浜へのカジノ誘致反対で菅首相に反旗か” という記事に詳しく書いてあるので、参照されたい。

菅首相はこれまで、「統合型リゾート法案」(IR 法案:いわゆる「カジノ法案」)を積極的に推進して成立させ、自らの地元横浜にもカジノを誘致すべくいろいろ画策してきた。ただ、林文子・現市長も IR 推進派だが、既に 3期務めているので、自民党は多選を理由に支持しない方針。

こうした中で、菅首相の親分だった故・小此木彦三郎氏の息子の八郎氏が、急に「カジノ誘致反対」を旗印に、横浜市長選への立候補を表明した。東京 2020 の警備を担当する国家公安委員長を退任しての表明だけに、既にドタバタが生じてしまっている。

彼は「カジノ誘致推進」では地元の支持を得られず、「カジノ反対」を表明する立憲民主党などの勢力に勝てないと判断したようで、菅首相にもこの旨を説明。すると菅首相もとたんにこれまでの考えを翻してそれを認め、 IR 推進一色だった自民党市議団のほとんども「右へ倣え」となった。

菅首相にとっては「政府目線」と「地元目線」の矛盾なんて、「選挙対策」の名の下には大した問題じゃないのだろう。これはもう、「柔軟な判断」というよりは「無節操」のレベルと言える。

ちなみに、2018年に「IR 法案」が国会を通るまで、私は 4本ほどこれに触れた記事を書いている。

カジノ合法化には反対しないが、「IR 法案」 には反対 (2016/12/07)
「カジノ」を「カッシーノ」と言い換えたいんだってさ (2016/12/25)
「カジノ法案」 が衆院通過したらしいが(2018/06/19)
 IR 推進法と、「昭和かよ!」と言いたくなるワイロ事件(2019/12/28)

このほかに、ギャンブルそのものについても、2本書いている。

カジノ合法化について(2011/01/04)
日本人はギャンブル中毒か?(2014/11/14)

これらの記事で言いたかったのは、要するに「カジノ、やりたいならどうぞ。私は興味ないけどね」「日本のギャンブル好きは既に『パチンコ』に馴染んでるみたいだし」ということだ。新しく作る IR の中のカジノは結局のところ、お金持ちと観光客の遊び場になるだけだろう。

地元にいくらでもパチンコ屋があるのだから、フツーのギャンブル好きなら、贅沢な「統合リゾート地」なんかに行って 10万円使うよりは、地元のパチンコ屋で 1万円(あるいは、やっぱり 10万円)使う方を選ぶだろう。ただ、その結果として夜逃げにつながる例も事欠かないが。

IR 誘致してカジノのできた地域というのは、確実に雰囲気が変わってしまい、「いい感じの地元」という気がしなくなるだろう。横浜市民が嫌がるのは、無理もない話である。

ここに来て管的手法が通用しなくなっていることを感じる話である。

 

|

« 今さらだが、安倍晋三の皇室に関する意識を疑う | トップページ | 「一笑」は「一度笑う」って意味じゃないかも »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

>ただ、その結果として夜逃げにつながる例も事欠かないが。

正に。身近にそういう人物がいました。パチンコで一日で10万くらい稼ぐという味をしめ、夫婦でパチンコに嵌り街金に数百万の謝金をし、生活が荒れ、仕事を疎かにして解雇され、居場所がなくなり田舎に逃げてしまいました。

ギャンブルは恐ろしいものですよ。横浜市はカジノから年に800億から1200億の税収が得られるとしていますが、人を奈落の底に衝き落として財政を安定させようなんて発想は理解不能です。

ギャンブル依存症に対してはしっかり対策を取ると言ってます。しかし内容は入場料を6000円にする、週3回まで、4週に10回までに制限すると言ってますが、それはもう充分に依存症です。依存症に対しては市大病院と連携して対策を取るとしてますがギャンブル依存症は医療の対象ではないと思います。そんなに危険なモノならやらなければいいのです。

さらにおかしいのは、外国人は入場料なし、回数制限なし、クレカでのチップの購入可(日本人は不可)という条件の違いです。つまり外国人は好きだけお金を落としてね、破綻してもあとは知らないからね、ということです。そこには人に対する思いやり皆無です。

横浜商工会議所をはじめとする経済界は大賛成ですね。IR全体の工事費は莫大なものになるのでゼネコンも同様です。

元町商店街などは儲けた客が流れてきて売り上げ増を期待しているよう
ですが、甘いですね。儲けた金は又ギャンブルにつぎ込むだけです。

市長選挙は実質三つ巴とみられています。小此木氏、現市長の林氏、そして野党統一候補とされていた山中竹春氏(元横浜市大医学部教授)です。
しかしここにきて山中竹春氏の学内でのパワハラ問題が明るみに出てきました。
https://smart-flash.jp/sociopolitics/152646
これからもいろいろ出てきそうです。
告示日は八月八日、投開票日は二十二日です。

投稿: ハマッコー | 2021年8月 4日 03:58

ハマッコー さん:

いやはや、まったく複雑怪奇ですね。

保守側では、カジノ推進の現市長と、反対の小此木氏に票が割れるでしょうが、常識的に考えれば、小此木氏が圧倒的有利。

野党側の事情としては、このせいで「カジノ反対」の政策が色褪せるだけでなく、山中氏にパワハラ疑惑と。

こうなると、小此木氏の勝利が見えてきそうですが、政治の世界は一寸先は闇ですので、よくわかりません。

いずれにしても、菅首相は「パンケーキおじさん」の呑気なイメージとは裏腹に、「実は頑固なハードボイルド派、ただし『ボキャ貧』で発信力皆無だけど」ということのようで、早く退陣するのを願うばかりです。

投稿: tak | 2021年8月 4日 06:19

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 今さらだが、安倍晋三の皇室に関する意識を疑う | トップページ | 「一笑」は「一度笑う」って意味じゃないかも »