猛暑とエアコンと、素っ頓狂な決まり文句
暑い! 日本の気候は本当に変わってしまった。夏でも涼しいと言われていた北海道でも大変な暑さで、HTB 北海道テレビ も 8月 3日のニュースで「灼熱の北海道 旭川や富良野で猛暑日予想 札幌も 14日連続の真夏日に」と伝えている。
旭川の近くに住む知り合いからのメールに、「ついにエアコン買おうかな」とあった。そういえば北海道はこれまで、「夏でもエアコンなんていらない」というのが売り物だったのだよね。ところが旭川はこのところ連日真夏日で、3日は猛暑日だった。
調べてみたところ、北海道のエアコン保有率は 42%なのだそうだ(参照)。ただこれは今年の調査による数字で、2017年には 25.7%だった(参照)。この 4年間の気候変化でさすがに普及が進んだようだが、それでもまだ「エアコンなし」の方が辛うじて多数派なのである。
そういえば、我が家もあの「東日本大震災」に見舞われた 2011年と翌年の 2012年は、エアコンのコンセントを外しっぱなしで夏を乗り切ったのだった。
「夏はエアコンなどで電力を多く使うので、停止させている原発の再稼働が必要」なんて政府主導のキャンペーンがスタートしていたので、「だったら、エアコン使わんわ!」と、意地を張ったのである。(参照 1、参照 2)
というわけで、震災以後の 2年間はエアコンなしで耐えられたのだが、2013年 7月 12日は「2年振りにエアコンを稼働させてしまった」という記事を書いている。下手に我慢を続けていたら、マジで熱中症になりそうだったのだ。
あの頃が、この辺りの気候の温暖化(熱暑化?)の最も激しく進行した時期だったのかもしれない。そういえばつくばの地では、毎年 2月頃には冬用タイヤが必要なほどの積雪が 2〜3回あったものだが、ここ数年、ずっとノーマルタイヤで済んでいるし、雪かき作業からも遠離っている。
そしてここに来て、その急激な変化が北海道にまで押し寄せてしまったというわけだ。北国で暮らして暑さに慣れていない体には、さぞ堪えるだろう。
ところで昨日ラジオで、「往く夏を惜しむかのようにヒグラシが鳴いています」という聴取者からの便りが紹介され、人生修行の足りない身としては思わずムッとした。いくらヒグラシのちょっと悲しげな鳴き声が聞こえても、今年の夏は今が真っ盛りで、まだまだ往ってしまいそうにはないだろうよ。
「往く夏を惜しむ」というのは、旧盆を過ぎて少しは涼しい風が吹き始めてからの決まり文句で、夏真っ盛りの暑さを汗だくで耐えている時には、素っ頓狂すぎて風流どころか不愉快にさえ響く。こんなの書く人も、それを何の疑いもなく紹介するラジオ局も、ちょっと無神経だよね。
それに今どきは旧盆が過ぎてからでも、「このクソ暑さ、いつまで続くんだ!」なんてヒイヒイ言うことが多いし。
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コメント
葉書だと7日が立秋で「残暑見舞い」になるみたいで、若干フライングですがそういう表現をする時期なのかもしれないですね。まあ現代の日本では夏真っ盛りなのは変わりありませんが(笑)
投稿: らむね | 2021年8月 5日 09:44
らむね さん:
個人的には、「立春」とか「立秋」とかいうのは、いわば「春や秋へと向かう目印が立った」という程度のことと理解しています。
立春の日にラジオやテレビで、「暦の上ではもう春」などというのを、雪の降る東北で違和感満々で聞きながら育ったということもありまして ^^;)
ましてや、年賀状に「新春のお慶びを〜」とか「迎春」とか書くのは、完全に間違い(だって、立春は翌月の 2月になってですから)で、単純に理窟の上からも困ったものだと思ってます。
正月を「新春」というのは、完全に旧暦感覚(旧暦の元日は、たいてい「立春」が過ぎてからになります)で、新暦ではあり得ないことです。例年 1月 5日頃に「寒の入り」ですから、白々しいにもほどがあります。
https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2011/01/1-0c3c.html
投稿: tak | 2021年8月 5日 10:24