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2021年9月に作成された投稿

2021年9月30日

自民党総裁選における「数字のマジック」

私ははっきり言って数字に弱い。10年前に "「数字数式認識障害」とでも言いたくなるほど、数字に弱いのだよ" という記事でも書いているように、「数字や数式が出てくると、頭の中がパニくってしまう」のである。

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で、そうした私の頭がすっかりパニクってしまったのが、今回の自民党総裁選の結果だ。上の画像の上半分の表は昨日の記事にも掲げたものだが、とにかく昨日の時点でも頭の中で「?」のマークが 10個ぐらい点滅しまくっていた。

事前の情報では、高市氏が議員票と党員算定票の合計で 2位以内に入る可能性は低いので、岸田氏と河野氏の決選投票にもつれ込むだろうということだった。これは妥当な見方で、事実その通りになった。

そしてこれも事前情報だが、決選投票では高市氏を支持した議員はまるっと岸田氏に投票し、「河野総裁誕生」を阻止するという手はずになっていたはずなのである。そりゃそうだ。1回目で最右派の高市氏を支持しておきながら、決選投票でリベラルの河野氏に入れるなんてのは、無節操にもほどがある。

ところが、この「無節操にもほどがある」というべき議員が、少なくとも 11人はいたことになる。だって、最初の投票で高市氏が獲得した 114票がそのまま岸田氏に積み増しされたら、単純計算では彼の獲得議員票は 260票になるはずだからね。

ところが結果的には、決選投票での岸田氏の得票数は、それより 11票少ない 249票にしかならなかった。これが「数字のマジック」でなければ、何といったらいいのだろう。

最初の投票ではよくわからない理由(多分「浮世の義理」とか「派閥の親分の締め付け」とか言った話)で、心ならずも高市氏に投票した議員がいて、その中の「少なくとも 11人」は、決選投票で正気に戻ってか、河野氏に投票した(つまり「最右派」から「真ん中付近」へ大移動した)ということになる。

フツーなら「はあ???」となるが、あくまでも数字的にはそう読み取らざるを得ない。

ここで「少なくとも」という但し書き付きで言っているのは、野田氏の得票数の行方が分析不能だからである。最初の投票で野田氏に票を入れた議員は 34人だが、仮にその全員が決選投票で岸田氏に投票したのだとしたら、「大移動」した議員は 11人どころではなく、計算上では 45人ということになる。

つまり客観的な言い方をすれば、総裁選で高市氏に投票した 114人のうちの「最小で 11人、最大で 45人」(約 1割から 4割の間だが、現実的には 2割ぐらいの 22〜23人前後といったところか?)という数の議員は、「あんた、一体何を考えてるの?」といったレベルなのだということだ。

国会議員と言えば雰囲気的には立派に聞こえるが、中にはこんなような人 だっているし、中身の質に関してはわけがわからない。

彼女の獲得した 114票って、一見「スゴいな」と思わせるが、実は安倍方面からの締め付けの産物で、中身は案外アヤシいのだと、思い切って言わせていただく。周辺ではこんなようなお笑い的状況もあったしね。

それにしても、政治の世界は魑魅魍魎というか、本当にわけがわからない。

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2021年9月29日

自民党総裁選が終わって

先ほど自民党総裁選の決選投票が終わり、岸田氏が新総裁に選出された(参照)。私は昨日付の記事でも書いているように、今回の 4人の中では野田氏が一番と思っているのだが、政治の世界というのはグチャグチャの行きがかりがあって、すったもんだの結果でしか動かない。

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総裁選挙の得票は、次のようなものだった。

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一目見ただけで、第一回目の投票では岸田氏は党員算定票では河野氏に及ばなかったが、国会議員票を多く集め、河野氏は対照的に国会議員票を集められなかったことがわかる。さらに決選投票では国会議員票で岸田氏が 103票上積みしたが、河野氏は 45票しか伸ばせなかった。

つまり、自民党内で広く支持されたのは河野氏だったが、国会議員(つまり、党上層部)に限っては圧倒的に岸田氏に票が集まったということである。そして決選投票の票数は、党内のお偉方の意向がより強く働いた結果というわけだ。自民党って、内部が結構はっきりと分断されているのだね。

昨日の記事の言い方をすれば、岸田氏は「とても有効な下駄を履かされた」と言えるだろう。河野氏がいくら地方で票を集めても、下駄の歯は大した高さにならなかった。

ということで、次の国会では「岸田首相」が誕生するわけだが、行きがかりとして、下駄を履かせてくれた党の古株の連中の意向を無視するわけにいかないということになり、何だかんだ言っても古い体質はしっかりと残る。

やれやれである。

 

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2021年9月28日

歯のすり減った下駄に固執する男たち

一昨日付の "総裁選 4候補の「昆虫食」に関する姿勢" というちょっと変わったタイトルの記事で、私は今回の自民党総裁選の 4候補の中で、野田聖子氏について「ちゃんとした見識があると思っている」と書いた。要するに、他ははっきり言って「ちょっとね・・・」ということである。

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というわけで、昨日付 HUFFPOST の "「下駄を脱がされると男性が怯えている」 野田聖子氏は、なぜ『閣僚半分を女性に』と宣言したのか【自民総裁選】" という記事には、「よくぞ言ってくれました」と拍手したいほどの気持ちになった。

「性別ではなく実力で選ぶべきだ」という声に対して彼女は、「それは男の人たちがおびえているのよ。履いた『下駄』を脱がされるんじゃないかって」と、一刀両断だ。確かにこの国の男は「下駄」を履かされている。そうでなかったら、日本語原稿をまともに読めない人(参照)が首相になれるはずがない。

ちなみに男にどうやって下駄を履かせるのかということについては、第29代航空幕僚長の田母神俊雄氏が端的に次のように tweet している(参照)。

私は古い人間だから、亭主が帰宅したならば女房は玄関に三つ指ついて出迎えるのが日本の女性のあるべき姿だと思っている。

こんな風に、日常生活からして男を持ち上げてもらうのが「古い人間」としての男の常識であるようなのだ。ただ田母神氏はこの tweet に続いて「誰かうちのカミさんを指導してくれる人はいませんか」とも言っているので、どうやら最近の下駄は歯がすり減って低くなってはいるみたいなのだが。

どうせすり減った下駄なのだから、男は思いきって脱ぎ捨てなければならないと思うのだがね。

 

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2021年9月27日

「生クリームは飲み物」騒動を巡る冒険

"「生クリームは飲み物」ネット通販中止 「飲料ではないか」保健所から指摘" という記事のタイトルを目にした時、一瞬何のことだか意味がわからなかった。「『飲み物』と言ってるんだから、飲み物なんだろうよ」というわけで、「何がおかしいの?」と思うほかなかったのである。

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よく読んでみると、この商品は「缶入り洋生菓子」として、インターネット販売され、大変な反響を呼んでいたようなのである。ただ、この「缶入り洋生菓子」というカテゴリーは、「生クリームは飲み物」という商品名と、そもそも矛盾してるよね。

というわけで、保健所から「社会通念上と製品の形状からして飲み物ではないか」と指摘を受けてしまった。乳飲料として通信販売する場合は、殺菌などができる専用の設備を持つなどの別の営業許可が必要となるのだそうで、この条件が満たされていなかったらしいのである。

で、結局のところ「はいはい、その通り、『飲み物』でございます」となって、条件を満たした上で商品名を「生ホイップは飲み物」と改めて再販売することになったというのである。この世界、なかなか難しいのだね。

で、話としてはこれで終わりなのだが、今回の記事で私が問題にしたい点はそれとは別のところにある。缶(本当はプラ容器のようなのだが:参照)に印刷されていたところの「生クリームは飲み物」という商品の表記についてなのだ。

これ、上の写真で赤丸印を付けて示してあるように、縦書きのくせに左から右に向かって書かれている。念のため大きな別画像も下に貼っておくが、これって、ちょっとないよね。私って、こういうのがかなり気になってしまう性分なのだ。

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2年前の今頃(2019年 9月 24日付)、「縦書きを左から右に向かって書く日本人」という記事で、ある学校の学級新聞にイチャモンを付けさせてもらった。下の画像のように、はっきり言ってかなり不細工な手書きの学級新聞が、縦書きなのに左から右に向かってかかれているのである。

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こういうのって、担任の教師がきちんと指導してあげなきゃいけないだろう。

というわけで、保健所も今回のゴタゴタの指導のついでに、管轄外ではあるだろうけど、「そもそも縦書きは右から左に書くもんだよ」と教えてあげなきゃいけなかったんじゃあるまいか。

 

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2021年9月26日

総裁選 4候補の「昆虫食」に関する姿勢

日刊スポーツのサイトに ”男児「虫を食べなければいけないんですか」総裁選4候補者に質問” という記事がある。学校で SDGs について学んだという 小学校 1年生の男児が「僕たちが大人になったら、本当に虫を食べなければいけないんですか」と、オンラインで質問したのだそうだ。

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この質問に対する 4候補の回答は、次のようなものだったらしい。

河野氏「そうならないように努力をしています。お肉すきかな。大豆からお肉が食べられるように、実験進めています」

岸田氏「皆で努力すれば虫を食べなくて済む。水や自然を守っていかなければなりません」

高市氏「今でも伝統的に虫が好きな方がいます。栄養もありますよ。工場の中で野菜や果物が育てる仕組み進めています」

野田氏「おばちゃんは昔から虫を食べています。しょうゆと砂糖で煮るとおいしいです。肉や野菜を作る人が増えるよう願っています」

大別して、男性 2候補は昆虫食に否定的だ。河野氏の「そうならないように努力をしています」なんて、昆虫食という文化が忌まわしいことででもあるかのような言い草で、「差別的言辞」として問題視してもいいぐらいのものだ。この人、私が 2018年 12月 12日の記事で書いているように、「ヘボ役者」である。

岸田氏の回答の「皆で努力すれば虫を食べなくて済む」と「水や自然を守っていかなければなりません」というのは、文脈の整合性という見地からすると、全然論理的につながらない。この問題をさっぱり理解していないことが見え見えで、自分で何を言っているかわかっていないようだ。

というわけで、この回答をみただけで、私は「今回の自民党総裁選、男性候補は 2人ともダメだな」と言いたくなってしまう。視野が狭くて、エコの視点が今後の世界の最重要課題となることや、多様な価値観ということを、ちっともわかっていない。

それに対して女性候補は昆虫食に肯定的なだけ、言外に「できれば避けたいよね」というニュアンスが感じられるとはいえ、多様性という視点から言えばずっとマシだ。ただ、高市氏の言う「工場で育てられた野菜や果物」なんてものはあまり食べたいとは思わないので、野田氏の言い方が一番マトモだと思う。

野田氏の場合は、4人の中で唯一森友問題に関する再調査が必要と明言している(参照)だけ、ちゃんとした見識があると思っている。ただ、マスコミ報道では彼女が「泡沫扱い」されているのが、実に気に食わないところである。

世の中ってなかなか理窟通りには行かないものだが、中でも政治というのはとくに、妙な行きがかり優先で動いていくものらしい。本当に付き合いきれない世界である。

ちなみに私個人は、2018年 2月 7日付で「昆虫食、ドンと来い!」という記事を書いているように、虫を食うことに関してはかなり積極的な肯定派である。肉食を止めて久しいので、今となっては牛や豚を食う方がずっと気持ち悪く感じてしまうのだよね。

虫を食うのがイヤなくせにシュリンプを喜んで食うというのも、よくわからない。

 

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2021年9月25日

「煽られ運転」という新語

今日も Togetter ネタで恐縮。"「近所の国道大体これ 」二車線区間で追越車線に入った途端に遅い車がウインカーも出さずに車線変更してくる現象ってなんなんだ" という書き込みにエラく共感してしまったので、取り上げさせていただく。

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上の 4コマ目、ちょっと気付きにくいが、それまで 2車線だった道路が 1車線になる直前の状況である。要するに、国道などでは右側車線を意味もなくノロノロ走るクルマが多くて大迷惑だという話だ。

このスレには「分かりすぎて辛い...」「あるある過ぎて笑った」「ほんとこういうの多すぎて渋滞が多いから何とかならんもんかね?」など、共感コメントがやたら多い。中には「これわかる。これぞ煽られ運転」「そんで煽られたって騒ぐまでがセットですね」なんていう反感丸出しコメントまである。

こういうの、ちょっと前までは「通せんぼ運転」とか「通せんぼ走行」とか言われていて、渋滞の元凶とされてきた。私も過去にこの言葉を使った記事を書いている。

「煽り運転」と「通せんぼ走行」の相克(2019年 9月 15日)
「煽り運転」は、元(通せんぼ走行)から絶たなきゃダメ (同年同月 21日)

昨今は「煽り運転」がやたら悪者扱いされているが、その原因は追い越し車線(一般道では「右側車線」というのかな?)をゆっくり走る「通せんぼ運転」にあることが多く、近頃に至って「煽られ運転」なんていう新語が出てきているようなのだ。言い得て妙すぎるほどである。

一般道ではどの車線を通行してもいいなんて思われているようだが、それは誤解というもので、「道路交通法 第20条 (車両通行帯)」で次のように定められている。

車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。

つまり法律的にも一番左側の車線を走らなければならないということになっているので、右側車線をノロノロ行くのは完全に「交通違反」なのだ。あまり大きな声では言えないが、煽られても仕方がないことで、まさに「煽られ運転」である。

経験から言わせてもらうと、右側をノロノロ走るのはいかにも運転に慣れないオバさんとかジイさんとかが多いようだ。ちなみに不本意ながら男女で年齢差のある表現をしたのは、私の掛け値なしの実感からのことなので、全国フェミニスト議員連盟 の方々にはご容赦いただきたい。

「煽られ運転」をする人たちの多くは、生まれてから一度もバックミラーなんて見たことないんじゃないかと思わせてしまうほどだから、いくら煽られても気付かないようなのである。稀に煽られていると気付いても、左側に避けようなんて発想がないみたいで、ただひたすら被害者意識に囚われる。

というわけで、私はそうしたクルマに遭遇したら決して煽らず、逆に車間距離を広めに取るぐらいにしている。どうでもいいところで急ブレーキなんてかけられたりすることもあるから、こちらの身を守るためにもね。

 

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2021年9月24日

「昇順/降順」と「Excel ギャンブル」というもの

Togetter で Excel のデータ並び替え作業の際に「昇順/降順」のどっちがどっちなのかで迷うという投稿が妙に共感を呼んでいる(参照)。いつもイチかバチかでクリックしてしまうのだそうだ。

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まあ、このケースでは正解の確率は 2分の 1と保証されているから、それほど大変なことにはならない。それだけに多くの共感コメントが付いていて、例を挙げればこんな具合だ。

  • 迷うなら、やってみたほうが早いです。違ったら直せばいいから
  • わかるー。もう悩まずにひとまず「昇順」から押してみることにしてる。
  • プログラマーだけど同じことやってる

というわけで、これをきっかけに個人的な「新しい気付き」がいくつかあった。社会的に重要な意味をもつなんてものでは全然ないが、ちょっとここに挙げてみたい。

  1. 最重要気付き:「昇順/降順」の正しい読みは「しょうじゅん/こうじゅん」だった!
    恥ずかしながら、これまではほとんど無意識的に「のぼりじゅん/おりじゅん」なんて言っていたが、それだと「昇り順/降り順」に変換されてしまう。

  2. 英語では "ascending order/disendeing order"。
    「昇順/降順」は、どうやら英語からの直訳らしい。

  3. 「昇順」は、数字なら「1, 2, 3・・・」、アルファベットなら「a, b, c・・・」という順番。「降順」はその逆。
    文系の私はエレベーターやエスカレーターをイメージするので、これについては間違えたことがない。蒸し返しみたいになるが、そのイメージは「のぼりじゅん/おりじゅん」と読む方がつかみやすい。

  4. ただ、Excel でよく取り扱う「成績/評価」みたいなものだと、意味的にはその反対になるのでややこしい
    成績だと上に行くほど数字は小さくなり、アルファベットだと「A」ランクが最上位。これはもう「記号」みたいなものと考えるほかなく、別に「順列」とかいう項目を加えるとソートしやすい。

  5. Excel の作業は、「言葉そのものの意味」からかけ離れてしまうことがある。
    Excel を使うのは理系作業の典型みたいなものなので、単純な文系イメージと結びつきにくいのかもしれない。

  6. 世の中には「Excel ギャンブル」というものがあるらしい。
    Excel ではイチかバチかで操作して、間違えたらすぐにやり直せばいいということのようだ。

  7. ところが、「Excel ギャンブル」の他の例は見つからなかった。
    「他にも様々な Excel ギャンブルが集まる」とあるので、どんなのがあるのだろうとググってみたら、下の画像のような結果だった。ほとんどが Excel を使って競馬やパチンコなどをするというものである。

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というわけで、「昇順/降順」に類した「Excel ギャンブル」で他にどんなものがあるのかは、私にとって謎のまま残されている。気にかかってしょうがないので、ご存知の方がいらしたら、コメント欄でご教示いただきたい。

 

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2021年9月23日

千葉県警の「性的」な アニメ・キャラ というもの

ネット上で、千葉県警の交通安全啓発動画が「性的」であるとの抗議を受け、削除されたというニュースが話題になっている。ただこれ、読んでみたところ「馬鹿馬鹿しい」という程度のもので、申し訳ないけど、笑ってしまったよ。

どんな動画かは、上の画像をポッチンしていただければわかるが、「戸定梨香」というキャラを使って自転車交通のルールを訴えたもののようだ。ちなみにこのキャラの名前は「とじょうりんか」と読むらしいが、その由来などはさっぱりわからない。

で、このキャラに関してだが、「性的」というほどのものじゃないというのが、一般的認識のようだ。まあ、強いて言えば警察が使うには「ちょっとね」という気がしないでもないが、いずれにしてもこれに抗議した「全国フェミニスト議員連盟」というのは、結構ヒマな団体なのかもしれない。

ちなみにこの団体の提出した「抗議ならびに公開質問状」というものが、なかなか奮っている。(下の画像で読みにくければ、クリックすると別画面で拡大表示される)

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私が笑ってしまったのは、本文の 6〜7行目(オレンジ色で強調した部分)である。こんな具合だ。

戸定梨香という VTuber(アニメキャラクター)は、セーラー服のような上衣で、丈はきわめて短く、腹やへそを露出しています。体を動かす度に大きな胸が揺れます。

この際、極めて冷静かつ客観的に言わせてもらうが、「体を動かす度に大きな胸が揺れます」というのは、どう見てもリアルな表現からはほど遠いんじゃないかなあ。

この関連で、「はてブ民は!誰も!VTuber 戸定の動画を!VTuber 戸定の乳を!見ていないのである!」という傑作なログまである。こんな具合だ。

そう、はてブで偉そうに講釈してるやつら、誰も観ていないのである!
みていないのに語っているのである!
他のアニメとかから想像して、「どうせすごい乳揺れするに違いない」と思ってみないでコメントしているのである!

(中略)

ぼくはオッパイスキーなので、こっそりに行った!(ママ) 実際に見てみたら揺れてはいる
けど言われないと気付かないレベル!
お前らが「すごく揺れてる」みたいなこというから期待してこっそり見に行ったのに!

・・・・・・だました・・・・・・
今まで・・・・・・ぼくを・・・・・・ぼくを・・・・・・よく・・・・・・も
よくもぼくを・・・・・
よくもぼくをォ!!だましたなァ!!

というわけで、この件に関しては、全国フェミニスト議員連盟の抗議文の方がずっと過剰に「性的」で、「劣情を刺激」しちゃったんじゃあるまいかとまで思ってしまったのだった。

【9月 24日 追記】

本文中で「戸定梨香」という名前について、「その由来などはさっぱりわからない」と書いたが、本日ひょんなことから由来が知れた。Wikipedia に次のようにある(参照)。

名前は松戸市に所在する重要文化財である戸定邸と、名産品の梨に由来する。

 

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2021年9月22日

みずほ銀行のメンタリティ

みずほ銀行の相次ぐシステム障害が問題になっていて、金融庁が業務改善命令を出したと伝えられている(参照)。これ、かなり前から問題になっていたのだが、まだ改善されていないのだね。

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私は今住んでいる家を購入する際に、不動産業者にローン返済のための口座開設を当時の第一勧業銀行にするように指定され、以来ずっとメイン口座(というほどのものじゃないが)を、第一勧銀〜みずほ銀行に置いている。

ところが 20年前の 2002年の春に口座からの自動振替ができなくなってしまい、やたらごちゃごちゃしたことがあった。解決したのがこの年の 4月で、この時のことを当ブログにも次のように書いている(参照)。

みずほ銀行の振替業務がやっと正常になりかけている。
今回の混乱は、三銀行が皆、トグロの巻いた自社システムにこだわって、マトモなシステム統合をせず、システムの寄せ集めで済ませてしまったことが原因だ。
それで、却って多くを失った。

「三銀行」とは、統合以前の第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行のことである。つまり、みずほ銀行はこの問題の根本解決をしないまま、20年以上もグズグズしてきたというわけなのだね。困ったモノだ。

私としてはそもそも、メイン口座をみずほにしているのは他に選択肢がなかっただけのことで、別に思い入れがあったわけじゃない。そんなわけで、私はこの銀行にそこはかとない反感みたいなものを抱いてさえいる。

2007年 8月 31日の記事で、私はこの銀行の日本語が全然マモトじゃなかったと指摘している(参照)。 ATM の設置してある壁に下手くそな手書き文字で「明細票はご持参ください」なんていう貼り紙がしてあったのだ。

この時の記事ではそばにいた案内係のオジサンに、ちょっと意地悪だったかもしれないが、「どの窓口に持参すればいいんですか?」なんて聞いてみたと書いている。その返事はこんな具合だった。

「明細票を屑篭にお捨てになりますと、拾われて犯罪に使われたりすることがございますので、ご持参くださいということなんです」

「だから、どの窓口に持参したらいいのか聞いてるんです」

「はぁ? ですから、ただご持参くださいと…」

「だから、どの窓口に?」

「いえ、ご自宅とか会社まで、ご持参いただきたいんです」

(以下略)

だったら、「ご持参ください」(「持って参れ」、つまり「持って来い」ということ)じゃなく、「お持ち帰りください」がまともな日本語だろうね。日本の銀行の中で一番エラソーなツラをしているくせに、行員がフツーの日本語もできないということに、この時の私はかなり呆れてしまったのだった。

何しろ「ゴミ箱に捨てずに、持って参れ!」だからね。潜在意識の中に、よっぽどエラソーな要素がトグロを巻いてるんだろう。

で、今回問題になっているシステム障害も、こんなふうな「ちょっと変なメンタリティ」が根底にあってのことだと思ってしまうのだよね。

 

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2021年9月21日

株価に関しては、ほとんど興味がない

お恥ずかしいことに、経済、とくに株の話にとんと疎い。今日も仕事先からクルマを運転して帰る途中、ラジオのニュースで「日経平均株価が値下がり」とか「世界同時株安」とか、いろいろなことが言われていたが、まるでピンと来ない。自分とどんな関わりがあるのかも、ほとんどわからない。

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帰宅してからネットで検索して NHK テレビのニュース(参照)を見たが、文字通りの言葉をそのまま文字通りにしか理解できず、それ以上の深読みはまったくできない。「ほほう、そうですか、はいはい」と言うしかないので、「俺って、バカかも・・・」と思えるほどだ。

先週までは平均株価が 31年ぶりに 3万円を超えたとやらでウハウハ言っていたのだから、何がどうなっているのかさっぱりわからない。ニュースでは中国の恒大集団とやらの経営悪化が株価全面安の要因と言われるが、自分にはほとんど縁のない企業だから個人的には「知ったことじゃない」というだけの話だ。

思えば 1980年代後半から 91年までの「バブル景気」とやらで世の中がすっかり浮かれていた頃(もう 30年以上前になるのか)も、個人的にはひたすら居心地の悪い思いしかしていなかった。何しろ私は昔から次のような具合で、景気のいい話には縁のない男なのである。

  1. 1970年代の高度成長期には学生の身で、どんどん上がる生活費にひいひい言いながらバイトに明け暮れていた。
  2. 卒業するときには「オイルショック」で大変だった。
  3. やっとまともに就職できたのが、プラザ合意による「円高」の影響をもろに受ける繊維業界だった。
  4. 1980年代後半から 91年までの「バブル」の頃はウール関係の外資系団体にいて、給料の基本がオーストラリア・ドル建てだったので、円にしたとたんにバブルの逆作用で目減りする一方だった。要するにこの頃は何もいい目を見ていない。

91年 3月になっていきなり「バブル崩壊」と言われた時も、「ああ、これでやっとまともな世の中になる」と、むしろほっとしたのを覚えているほどだ。

というわけで、今回のニュースにしても「関係ないね」と言うばかりである。興味のないことには関わらない方がいい。

 

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2021年9月20日

カルガモの鳴き声は意地悪ばあさんの高笑い

我が家の裏手を流れる川には、シラサギアオサギなどのほか、年間を通じてカルガモも多く住んでいる。冬鳥として飛来するマガモとよく似ているが、下の写真のようにくちばしの先の黄色いのがカルガモといわれ、鳥にそれほど詳しくない私なんぞはそれで区別するしかない。

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カルガモといえば、ヨチヨチ歩きの雛を引き連れた引っ越しの姿が可愛いとよく話題になる(参照)が、鳴き声はその可愛い姿からはかなりかけ離れていて、昼となく夜となく「ゲハハハハ」と興醒めなほどの大声で鳴く。下の表示の「▶」印をポッチンすれば聞けるが、かなり騒々しいので、ボリューム設定にご注意。

この鳴き声、忘れた頃に突然鳴りひびいてくるので、自分で録音するのはなかなか難しく、サントリーの「日本の鳥百科 カルガモ」のページからお借りした。時間のある方は行ってみていただきたい。ちなみに上のポッチンで聞けるのは「さえずり」で、「地鳴き」の方はほんの少しだけおとなしい。

ただ、「さえずり」と称するにはあまりに興醒めな声なので、私なんぞは「意地悪ばあさんの高笑い」と称しているほどだ。「世界の鳥の生態図鑑」というサイトの「カルガモ」のページによると、「さえずりは繁殖期にオスが出す鳴き声のことでメスへのアピールなんです」とある(参照)。

ただ、ウチの周りではなんとなく一年中「ゲハハハハ」と鳴いている気がして、繁殖期(春らしい)には限らない気がするがなあ。いずれにしても、カルガモのメスって、あんな下世話な声に惹かれてしまうのだね。鳥の世界は、よくわからないことばかりである。

まったくこればかりは、他から何を言ってもしょうがないのだろう。「好き好き」が他から窺い知れないのは、人間の世界でも同様だから。

 

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2021年9月19日

希望ナンバーにしてるクルマって、結構多いんだね

世間は自民党総裁選の話題でもちきりだが、こちらは敢えて軽いトピックにしておく。今年 1月 24日でも触れた "クルマの「希望ナンバー制」というもの" についてのお話だ。何でも近頃では、クルマの登録の際に 4,000円払うと、好きなナンバーを付けることができるというのである。

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今日、某ホームセンターに買い物に行ったところ駐車場が混んでいて、店の入り口から少々離れたスペースに停めざるを得なかった。さすが上天気の日曜日である。

そしてクルマを停めたスペースから店の入り口まで歩くと、ズラリと並んだクルマのナンバーの 8割以上が、いかにも「希望ナンバーでございます」というものだったのである。ちょっと多すぎる気もするが、たまたま私の停めた列に限ってそんなことになってしまっていたのかなあ。

私もヒマじゃないのですべて撮影したわけじゃないが、たまたま最初に撮った上の写真の、手前は「11-17」で、語呂は「いい、いいなあ」。あるいはこの近くの地名の「伊奈」をとって、「いい伊奈」かも知れない。

その隣は「・・・1」(ズバリ「1番」)。「1番」というナンバーのクルマはいかにもお金のかかった風情のものが多いが、このクルマもやはり結構な押し出しだ。

ほんの少し歩くと、今度は「11-55」(いい高校、あるいは、いい孝行、はたまた、いいゴーゴーかな?)というナンバーだった。そしてその隣の隣も、栄光の「1番」。1番の好きな人って多いんだなあ。

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さらにその隣のもみじマーク付きはド定番中のド定番、「11-22」(いい夫婦)である。隣が「11-55」だけに、いい高校を出た同士で結婚して、長年連れ添ったみたいな雰囲気だ。それにしても「11-**」というナンバーは人気があるのだね。

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もうちょっと歩くと、今度ももみじマーク付きの「・8 88」。「8」という数字は縁起がいいということで人気らしいが、これは「ハハハ」と笑って明るく生きようと言ってるみたいである。きっと長生きできるよね。

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さらに歩いて店の入り口付近に来ると、向かい側に「86-86」(ハローハロー)が停まっていた。ここまで来ると圧巻である。

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今日はなぜか、ド定番の、「11-88」(いい母、あるいは、いいパパ)、「25-25」(ニコニコ)には巡り会わなかったが、とにかく皆さん、かなり語呂合わせのナンバーがお好きなようなのである。私としてもつい、次は「40-71」(庄内)にしようかなんて、余計なことを思ってしまったよ。

でもよく考えると、ナンバーに 4,000円払うぐらいなら、おいしいものを食った方がマシだよね。

 

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2021年9月18日

例のドタバタは、小山田圭吾の「キャラ変」失敗劇だった

7月 20日付「今回のオリンピックを象徴するようなドタバタ」で小山田圭吾という男関連のドタバタに触れたという経緯があるので、今回の「小山田圭吾、自身が語ったいじめ行為について経緯説明と謝罪文を公開」という件についても触れないわけにいかないだろう。

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とりあえずは、昨日付で発表された「【いじめに関するインタビュー記事についてのお詫びと経緯説明】」というのをざっと読んでみた。このページ、アクセスが多いらしくて、表示されるまでやたらと時間がかかってうんざりしたけどね。

この文章で徹頭徹尾強調されているのは、「自分がいじめに直接関わったわけじゃない」ということだ。以下のように描かれている。

『ROCKIN'ON JAPAN (1994年1月号)』の誌面にて見出しとして記載され、この度多く報道されていた「同級生に排泄物を食べさせた、自慰行為をさせた」といった内容については、私が行わせたり、示唆や強要をしたといった事実は一切ありません。
「排泄物を食べさせた」ということについては、小学校の帰り道に、クラスメイトの一人がふざけて道端の犬の糞を食べられると言い出し、拾って口に入れてすぐに吐き出したという出来事があり、彼本人も含めその場にいた皆で笑っていたという話が事実です。
「自慰行為をさせた」という部分については、中学校の修学旅行の際、ある先輩が、私のクラスメイトの男子に対し、自慰行為をしろと言っている場面に居合わせ、限度を超えた状況に自分は引いてしまったということが事実です。

本心としては「直接関わったんじゃない」というのを、免罪符みたいに振りかざしたかったのかもしれないが、そこまでは至っていない。全体を通してやたら言い訳がましいくどくどした記述の多いのが、やや「往生際の悪さ」を感じさせるものの、辛うじてギリギリのところで踏みとどまれてよかったね。

ただ、これを読んで「なぁんだ、そんなことだったのか」で済めばいいのだが、残念ながらそうはならない。実際のインタビュー(抜粋参照)ではこんな風には語っておらず、その場に居合わせてしっかり楽しんでいたと受け取るのが自然な語り口だったじゃないか。

結局のところ早く言ってしまえば、東スポの見出しにあるように、"小山田圭吾「いじめ自慢」は〝キャラ変〟失敗の産物" とするのが一番納得できる解釈だろう。「〝ポップ小山田〟から〝アングラ小山田〟へのキャラ変」を図るために、必要以上に悪ぶってみせる必要を感じていたわけだ。

今回の「お詫びと経緯説明」でも、自ら次のように書いている。

当時は、自分に対してなんとなく定着してしまったイメージを破り、露悪的なキャラクターを演じることで世間からの見られ方を変えようとしていました。過剰で自虐的なリップサービスを必要以上に行うことで、世間との距離を取ることを意識していました。自分の作品に対する自信のなさも、そういった言動の原因になっていたと思います。

「世間との距離を取ることを意識」とか「自分の作品に対する自信のなさ」というのはこの文脈に直接関係なくて、かなり混乱が感じられるが、まあ、この際正直になるついでに、そんなところまで言ってしまいたくなったんだろう。

ただそうした(かなり自分勝手な)理由があったにせよ、そのために過去の「いじめ体験」(あるいは「いじめ現場居合わせ体験」?」を得意げに語ってしまったというのは、いかにも考えが浅すぎる。今回のオリンピック前のドタバタは、自ら招いたことに変わりはない。

さらに言えば、露悪的に「いじめ自慢」をすることで「ポップ小山田」から「アングラ小山田」にキャラ変にできるなんて考えたのが、そもそもの了見違いである。「アングラ」って、そういうものじゃないんだよね。

今回の騒動に辛うじてポジティブな意味を見出すとすれば、「軽い気持ちでいじめに加担すると、後々になって大変なことになって、人生を台無しにしてしまう可能性まであるんだよ」と世間に認識させたことだろう。これが「いじめ防止要因」効果を発揮するように願いたい。

 

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2021年9月17日

「謎マナー」と、サラリーマン社会

昨日付「葬式の場でネクタイのディンプルは NG だって?」に付けていただいた らむね さんのコメントで、この種の「得体の知れないマナーみたいなもの」が、世の中では「謎マナー」と呼ばれていると知った。

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ググってみたところ、この種の「謎マナーの権威」はビジネス・ライフマナー講師の「尾州真奈美」という御方であるらしいとわかった。らむね さんの挙げた「自分の名刺が大きいと失礼なので切り取る」というのも、一昨年の春にこの方が発信してしっかりと炎上したネタである。

ちなみにこの「尾州真奈美」というのは、いわゆる 「釣り垢」(「釣りアカウント」ね、念のため)であるらしい。これ、既にネット社会の常識となっているようで、この先生のおっしゃる馬鹿馬鹿しい話は決して真に受けてはいけない。

というわけで「名刺のまわりを切り取って小さくする」なんていうのは異次元的なまでの「ウルトラ謎マナー」だが、そこまで行かなくても、いかにももっともらしく聞こえて、一部では忠実に実行されている「謎マナー」も多い。私が一昨年に取り上げた「ハンコのお辞儀」というのもその一例のようだ。

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らむねさんは「偉い人に徳利で日本酒を注ぐときは、注ぎ口を使ってはならない」という「謎マナー」も紹介してくれている。これ、私は全然知らなかったので、ちょっとググってみたら、こんなことのようだ。(参照

「この部分は注ぎやすさで付けていますが、丸の切れ目、すなわち円(縁)の切れ目、また、角が立つという意味になります。縁起の良し悪しの観点から言うと悪いです。冠婚葬祭など、厳粛な場ではやめたほうが良いでしょう」

こうしたあまりの馬鹿馬鹿しさに反発してか、「マナー講師撲滅用とっくり作りました」という陶芸家もおいでだ。ちょっと拍手を送りたくなってしまったよ。

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さらに「ビールを注ぐ時はラベルを上にする」という有名かつ由来不明の謎マナーのほか、最近では Zoon 会議での表示の順番(上座、下座)だの、会議終了後の退出はエラい人から先だの、面倒くさすぎるのまで加わっている。

こうしてみると「謎マナー」の多くは、サラリーマン社会の「上下関係」とか「過剰で無意味な気配り」みたいなものから発想されている気がする。まことにもって「気配り」は必要ではあるが、し過ぎると面倒になるばかりだ。

 

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2021年9月16日

葬式の場でネクタイのディンプルは NG だって?

Togetter で "エリートも知らない大人のマナー 「葬儀に出る際のネクタイのディンプルは NG」はホント?" というのが話題になっている。しゃく|笏本達宏さんという ネクタイ作りのプロが、「葬儀や謝罪の時にディンプルは NG です」と tweet したのが発端らしい。

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この tweet、全文はこんなようなものだったようだ。

実は、エリートと呼ばれる人の中にもこれを知らない人が多いのですが、ネクタイは「ディンプル」という「くぼみ」をつくって結べばオシャレさが増します。でも葬儀や謝罪の時にディンプルは NG です。なぜならその場に必要なのはオシャレさではないからです。学校では教えてくれない、大人のマナーです。

ところがこれに対する反応として、Brarin/ぶらりん という人が挙げた tweet には、次のようにある。

ほんと?と思って調べてみたけど、
・ 昭和天皇の大喪儀や30年式年祭での現在の上皇陛下
・ ダイアナ姫葬儀でのチャールズ皇太子
・ ブッシュ元大統領の国葬でのトランプ、オバマ、クリントン
それぞれディンプルを気にしている様子はない。

確かに、上述のページに掲げられた写真を見る限り、現在の上皇陛下も、チャールズ皇太子も、トランプ、オバマ、クリントンも、葬儀参列の際にすべてネクタイにディンプルを作っておられる。「葬儀や謝罪の時にディンプルは NG」なんていう「大人のマナー」は、誰も気にしている様子がない。

そもそも しゃく|笏本達宏 氏の主張する「ディンプルは NG」ということの根拠は、端的に言えば次のような三段論法だ。

  1. ネクタイは「ディンプル」をつくって結べばオシャレさが増す。
  2. 葬儀や謝罪の時にディンプルは NG。
  3. その場に必要なのはオシャレさではないから。

これをそのまま受け取ってしまえば、「葬儀や謝罪の場ではオシャレしちゃいけない。ダサダサの礼服などを着て参列すべし」ってなことになってしまうだろう。これはもう「なんだかなあ」と言いたくなってしまうよね。

あるいはちょっと深読みして、「礼服自体はしっかりオシャレしてもいい。ネクタイにディンプルさえ作らなければ、そのエクスキューズになるから」ってことなのかもしれない。それにしてもやっぱり、「なんだかなあ」感は薄まらない。ディンプルが言い訳のタネだなんてね。

この記事にはいろいろな反応が寄せられているが、ネガティブなものが多数派だ。早く言ってしまえば tweet した本人も冒頭で言っている「エリートと呼ばれる人の中にもこれを知らない人が多いのですが・・・」というのがキモだろう。

多くの人が知らないままで何のこともなく済んでいる類のことは、決して「マナー」なんかじゃないよね。むしろ、ことさら声高に主張すること自体が馬鹿馬鹿しいというほどのことだ。

私の場合は、ネクタイなんてよほどフォーマルな場でもなければ締めることがないし、ディンプルなんてその時々でできちゃったりできなかったりする。そもそも 4年半前の記事で書いているように「プレーン・ノット」しかできないし(参照)、個人的にはどうでもいいことなんだよね。

以上、おしまい。

 

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2021年9月15日

んoon、最高じゃん!

今日の午後 6時半過ぎ頃から、TBS ラジオの「アフター 6 ジャンクション」を聞きながらクルマを運転していたところ、7時頃からの "Live & Direct" というコーナーに登場した ”んoon" というバンドを聞いて驚いた。というか、シビれたね。

ラジオを聞いていた限りでは、バンド名の ”んoon" は、「ふぅん」みたいに聞こえたが、彼らのサイトには次のようにある。

んoon(ふーん)2014年結成。バンド名の由来は、感嘆(あるいは無関心)を表す日本語の擬態語「ふーん」から。(発音アクセントは「不運」と同じ。)「ん」は "h" であり、ハープのアウトラインでもある。直観と思いやりをコアコンセプトに、ジャンルを無駄にクロスオーバーさせるより、その境界面に揺蕩うことを重視する。

聞いてみれば、まさにここに書いてある通り、ジャンルをどうこう言うのが無意味に感じられるほど、彼らの独特の世界が表現された音楽である。クールではあるが、同時に「ノリノリ」でも聞けるところがいい。

なにしろ、ボーカルの JC さんが素晴らしい。さらに、ベースがやたらとエグい。その上、何と、ハープなんていう楽器が加わっている。この演奏力は、そのへんのポッと出のバンドとはレベルが数段階違う。

これからずっと彼らの音楽を聴いていこうと思ったのだよ。皆さんにもおススメするので、よろしく。

 

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2021年9月14日

コロナ関連のデマの 65%の発信元は、特定の 12人

NHK のサイトに "誰が、何のために「デマ」を拡散させるのか?" という WEB 特集の記事がある。冒頭の写真に取り上げられているパンフレットのタイトルは "THE DISINFORMATION DOZEN"(デマの 12人)というものだ。

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この記事は、イギリスとアメリカに拠点を置く NGO 団体、デジタルヘイト対策センター(CCDH)が今年 3月に発表した報告書に沿い、次のようにレポートされている。

ことし 3月までの 1か月余りの間に SNS 上に出回った新型コロナウイルスのワクチンに関するデマの 65%は、わずか 12人に派生するアカウントから発信されていたというのです。

(中略)

「新型コロナのワクチンによって不妊になるおそれがある」
「ワクチン接種によって死者が出ている」

それらのアカウントからデマが発信され、瞬く間に世界中に拡散されたのだといいます。

「世界中に拡散された」というだけに、日本でも同じようなデマが広がっており、私も今年 6月 20日付の "「ワクチン陰謀論」というのがあるらしい" という記事で、次のように書いている。

先日、美容院から戻った妻が急に「私、ワクチン接種止めとこうかな」と言い出した。

美容師のお兄ちゃんに「政府は隠してるけど、コロナのワクチンってかなりアブナいらしいですよ」と吹き込まれたらしい。「ワクチンが遺伝子の中まで入り込んで DNA 情報を書き換えちゃうから、命に関わる悪影響が 2年半後ぐらいに出てくるらしいです」ってな話だ。

この美容師のお兄ちゃん、腕は確かなようだが、かなりのオタクなのかもしれない。

結局のところ、妻もネットで客観情報をよく調べた結果、疑問が晴れて夫婦一緒に 2度のワクチン接種を済ませたのだが、知り合いの中にはまだかたくなに拒んでいる人もいる。「コロナ・ワクチンは遺伝子の中まで入り込むらしいから、少なくとも 2年ぐらいは様子を見てから接種する」なんて言うのだ。

NHK の記事によれば、こうしたデマを流す 12人の目的は単純に「マネー」であるといい、次のような事実が紹介されている。

CCDH が発表した別の報告書では、12人がそれぞれ運営するウェブサイトでの物品の販売、“健康情報”にからむビジネスによる年間の売り上げは合わせて 3580万ドル、日本円で 39億円余りにのぼるというのです。

これはちょっとした数字である。3580万ドルを単純に 12で割れば、約 300万ドル、つまり 1人あたり 3億円以上の売り上げになっているのだ。この 12人の中には、故ジョン・F・ケネディの甥も含まれ、名を「ロバート・F・ケネディ・Jr」というらしい。詐欺をするには「できすぎ」みたいな名前だ。

というわけで、インターネットというのはとてつもなく便利なモノではあるが、同時にかなりアブナいものでもあるということを、我々はきちんと認識しておかなければならないだろう。

 

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2021年9月13日

「飲み会」がなくなって、酒の売上が激減

Hatelabo に「コロナ禍で酒なんてみんな飲みたくなかったんだなと知れて嬉しい」という書き込みがある。書き手は「昔から酒が美味しいと思えなくて飲み会が苦痛だった」という匿名氏である。

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「コロナ禍で酒の売上が 80%減」ということで、「なーんだ、みんな飲み会がなかったら酒なんて飲まないんじゃん」「飲み会が馬鹿げた奇習としてこのまま消えそうで嬉しい」としている。

これに対しての反応は、実にはっきりと賛否両論に別れている。

「居酒屋で飲む酒は最適な状態で出してくれて飲んだら片付けてくれるからいいんだよ 家でこのクオリティでやるのはめんどくさいぞ」というのは、飲み会肯定派の反論である。家で飲んでも居酒屋での飲み会のようには気分良く飲めないので、売上の減少も当然とみているわけだ。

それに対しては、すぐさま「コップを戸棚から出すのが重労働なのかw」「美味しいはずなのにその程度もできないのか」というちょっと皮肉なリアクションが付いている。

さらにそもそものことを言えば、「酒の売上が 80%減ってそんなわけなくね?」というコメントもある。確かに酒類販売が 80%減少したというニュースなんて、どう探しても見つからない。

このコメントの示唆したリンク先の記事は、"宿泊業の不振、取引企業への悪影響鮮明に 食材などの納入企業、8割が「売上減少」 酒類関連は 9割超で減収に" というもので、要するに「ほとんど食材納入企業で酒類の販売が減少しているというものだ。

というわけで、酒の売り上げが ⒏割減というわけではないようなのだが、いずれにしても、飲み会というものがなくなったので、酒の売上激減というのは確かなことのようだ。

最近は酒の好きじゃない層はかなりスッキリしているわけで、コロナ禍以前の酒に関する「同調圧力」は、それほどまでに強かったということなのだろう。

ちなみに私は、14年前となる 2007年 8月 13日の「酒との付き合いの変化」という記事に、"以前は 「週に一度の休肝日」 なんて、不可能だと思っていたのだが、最近は週の半分は、一滴の酒も飲まないようになった" と書いている。そしてさらに最近では、酒を飲むのは月に 1度ぐらいまで減っている。

というわけで個人的には、「酒は飲めばおいしいとは思うが、別に好んで飲もうというほどのものじゃない」というところに落ちついてしまっている。

 

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2021年9月12日

激辛「ブート・ジョロキア」を試してみた

9月 4日付の「ハバネロより辛いトウガラシがあるとは!」という記事で触れていた、世界で 3番目に辛い「ブート・ジョロキア」(写真左側)という唐辛子が、Amazon からやっと届いた。

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これで我が家常備の「激辛調味料」は、沖縄の「島とうがらし」(コーレーグースー)、京都の「舞妓はんひぃ〜ひぃ〜」と合わせて 3種類となった。相当な辛モノ好きでも、ここまで揃えているのは珍しいだろうと思う。

今回届いたのは「りょう君のジョロキア」という商品で、ブート・ジョロキアの栽培のため、2007年にバングラデシュに渡った日本人、竹内僚さんによるものである。その生産に関する苦労話は、サイト内の「単身バングラに渡った日本人 竹内僚」というページに詳しく紹介されている。

なにしろ生のブート・ジョロキアのカプサイシンが直接皮膚に触れてしまうと、いくら洗っても洗い流されることはなく、氷がないと悶絶するほどの痛みが 15時間も続くという。それほど恐ろしいまでの辛さをもった調味料なのである。

届いた「りょう君のジョロキア」を、早速スープにかけてみた。ちなみに私はフツーの「鷹の爪」を使った七味唐辛子だと、1杯のスープに 20回以上振りかけて、ようやく満足する辛さとなる。そして「舞妓はんひぃ〜ひぃ〜」だと、それが 4〜5回ぐらいで済む。

ところがこの「りょう君のジョロキア」だと、ほんの 1振りで十分な辛さになる。つまり、フツーの鷹の爪の 20倍以上、「舞妓はんひぃ〜ひぃ〜」の 4〜5倍は辛いということだ。大したものである。

そしてこの 3種類の香辛料には、それぞれの「得意/不得意」があるとわかった。

「島とうがらし」(コーレーグースー)は、なにしろ沖縄の酒「泡盛」を使っているので、アルコール風味があって、入れすぎるとちょっと心地良くなっちゃったりもする。やはり「沖縄そば」のような麺類に最適で、温かいスープのうどんにもよく合う。

「舞妓はんひぃ〜ひぃ〜」は、私は「一味」ではなく「七味」の方が好みである。「一味」はシンプルな辛さだが、「七味」はハバネロ以外の調味料がうまくブレンドされて、ちょっと複雑で深みのある辛さとなる。

それに対し、「りょう君のジョロキア」の辛さはひたすら単刀直入だ。だから元々いろいろな風味を備えた具だくさんのスープに振りかけると、絶品の「おいしい激辛」になる。そして一振りで足りてしまうので、一瓶でも長持ちすると思う。

というわけで、当面はこの 3種類の「激辛香辛料」をそれぞれ楽しんでみたい。そして「りょう君のジョロキア」が切れてしまったら、今度は世界第二位の辛さの「トリニダード・モルガ・スコーピオン」を試してみようと思う。

【2022年 5月 24日 追記】

この記事に関して追記するのを忘れていて、今頃になってしまったが、「トリニダード・モルガ・スコーピオン」を試すというのは、撤回させていただく。詳しくは、「りょう君のジョロキア」使用レポート その 2 (2021年 12月 24日付)を参照いただきたい。

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2021年9月11日

AB 型は、新型コロナに感染しやすいらしい

東洋経済 ONLINE に "新型コロナ感染率「血液型で異なる」科学的根拠 なぜ「O 型は重症化しづらい」といわれるのか" という記事がある。これ、「血液型による性格診断」なんていうのと違って、科学的にも根拠のある話なのだそうだ。

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具体的な話はリンク先の記事に飛んでもらえば詳しく書いてあるので、文系人間の私としてはここで改めてくどくど書くことはしないが、次のような話が紹介されているのである。

世界で権威ある週刊総合医学雑誌とされる『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)』の電子版(2020年6月17)にも、血液型と感染率を遺伝子レベルで研究した論文が掲載されています。新型コロナ感染・重症化と遺伝子との関係を調べたところ、O型の遺伝子を持つ人の重症化リスクは他の血液型より低く、A型の人は重症化リスクが高くなる可能性が見られたとのことでした。

というわけで、私としては「へえ!」と思ったわけだが、問題はここから先だ。「O 型は他の血液型と比べて感染率も重症化率も低く、反対に、A 型と AB 型は高い傾向がある」とあり、さらにまとめると、こんなようなことになる。

  • A 型の人は抗 B 抗体を持っている。このため、B 型の血液型物質を持った微生物には感染しにくい
  • B 型の人は抗 A 抗体を持っている。このため、A 型の血液型物質を持った微生物には感染しにくい
  • O 型の人は抗 A 抗体も抗 B 抗体も持っている。このため、A 型と B 型微生物には感染しにくい。また、両方の抗体を持つことで、免疫力が 4つの血液型でいちばん強い
  • AB 型の人は抗 A 抗体も抗 B 抗体も持っていない。このため、感染症全般に弱い。抗体の量も生まれつき少ないので、免疫力がもっとも弱い。

免疫力の強い順に言うと「O 型 → B 型 → A 型 → AB 型」ということになるらしく、おまけに O 型はたとえ感染しても重症化しにくいらしい。

おいおい、AB 型の私としては立つ瀬がないじゃないか。ちなみに私の妻は O 型で、免疫力がもっとも強いということになっている。道理で今回のコロナ禍でも案外呑気に構えている。

で、両親が AB 型と O 型の組み合わせだと、その子どもは「何でもあり」ということになりそうな気がするが、実際に生まれるのは A 型と B 型がということになっている。ウチの 3人娘も、長女と三女が A 型で、次女が B 型だ。

稀に Cis-AB 型というタイプだと、AB 型と O 型が生まれることもある(参照)ようだが、ウチはフツーの教科書通りである。

ということで、我が家は妻と次女の免疫力が高く、父親の私が最低ということのようなのだ。でもまあ、いずれにしてもワクチンの 2回接種を先月半ばに終えたことだし、あとはフツーに気をつけながら呑気に暮らしていけばいいだろう。

 

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2021年9月10日

「夜明け前が一番暗い」は嘘だが、一番寒いとは言える

「夜明け前が一番暗い」という言葉があるが、色々調べてみると、これ、どうやら英国の格言のようだ。元のフレーズは "The darkest hour is just before dawn" で、直訳すれば「最も暗い時間は夜明け直前」と、話の筋が逆になる。

これ、「辛いことの後には必ずいいことがやってくる」みたいな意味合いで結構よく使われるフレーズで、これをタイトルとする曲を、米国の Emmylou Harris が歌っている。ただ、こうしたメタファー的な意味で使うならいいが、文字通り「最も暗いのが夜明け前」かと言えば、決してそうじゃないよね。

夜中からずっと起きていたことのある人なら皆知ってることだが、世の中というのは日の出の前から白々と明るくなって、実際に日が昇ってくるのは、そのかなり後だ。真っ暗な中で突然のように朝日が顔を出し、それを境として劇的にパッと明るくなるなんてわけがないじゃないか。

いや、もしかしたら、世間で言うところの「夜明け」とは「日の出」の時ではなく、この「白々と明るくなる頃」を指すのかもしれないという疑問ももちあがる。そう受け取らなければあまりにも実感からかけ離れすぎる。

しかしそうだとしても、この「白々と明るくなる頃」の前の「一番暗い時」というのは、はたしていつのことなのか。明るくなり始める直前の瞬間を、非連続的に「一番暗い」と表現できるとは思われない。つまり「夜明け前が一番暗い」というのは、観念上の産物でしかないと考えるほかないのである。

ただ、世の中が一番寒くなるのは、たいてい夜明け前だ。夏の間は薄いタオルケット 1枚で寝て、実際にはそれさえ蹴飛ばして何もかけない状態で一晩過ごしても全然寒くなかったが、最近はそれだけだと、夜明け前に寒さで目を覚ます。

そしてその頃には既に白々と明るくなっているので、そのまま起き出してしまったりする。太陽の明るさだけは早めに届いても、その熱によって世界が温まるまでには、ちょっとした時間差が必要なのだと実感する。

というわけで、「辛いことの後には必ずいいことがやってくる」ということをメタファーで語るにしても、「夜明け前が一番寒い」という方が、よほど実感があると思うんだがなあ。

 

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2021年9月 9日

マスクへの抵抗感

今年 7月 28日付の「ウィルスとマスク着用の、かなり面倒なお話」という記事で、西洋人、とくに米国人はマスクをしたがらないというようなことを書いた。ところが最近では、それも変わって来ているらしいのである。

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NATIONAL GEOGRAPHIC のサイトに「米国人の "マスク嫌い" に変化、コロナ後も定着するか」というニュースがある。これには正直驚いた。何しろ私は、医者以外の米国人がマスクをしているのを見たことがないもので。

実は私自身、マスクは好きじゃない。息苦しいし、とくに夏は暑苦しさも加わって大変な思いをする。早くコロナ禍が収束してマスクをしなくてもいい世の中になってほしいものだと念願しているが、あの米国人のマスク嫌いに変化が現れているというのだから、世の中どう転ぶかわからない。

記事では「米国で新型コロナウイルスの感染者が出始めたとき、米疾病対策センター(CDC)は当初マスクをしないよう国民に呼びかけた」としている。「医療従事者のためにマスクを節約しよう」ということだった。ところがマスクの感染予防効果が確認されると一転して、マスク着用を推奨し始めた。

当初は、米国でマスクを着用していると気味悪がられたという。皆がマスク着用者から遠離ろうとしたというのだ。ところが今では、米国人の多くはマスク着用に慣れて、抵抗が薄れてきているという。まあ、南部の保守派の中にはいつまでも抵抗してマスクをしたがらない層があるらしいが。

世の中、変われば変わるものである。実際のところ、マスクに関する抵抗は、もはや米国人一般より私の方が強いかもしれない。

世間ではコロナ予防効果の高いマスクを求める風潮が強まっているというのだが、私が人前に出るときにマスクを付けるのは、正直言って「格好だけ」である。2度のワクチン接種も済ませたことだし、できるだけスカスカで息苦しくないマスクで勘弁してもらっている。

まあ、公式的にはリスクの大きいケースではワクチン接種を完了していてもマスクを付けることが推奨されるというので、仕方なくきちんと着用してはいるのだが。

 

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2021年9月 8日

このままでは「自転車嫌い」が増えて当然

Hatelabo に「自転車が嫌いすぎるんだが、俺がおかしいのか?」という投稿がある。私は自転車が大好きなので、一体どういうことなのかと思って読んだところ、何と、かなり共感してしまった。

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「とにかく日々、自転車への憎悪が溜まっている」で始まるこの投稿、読んでみると、「自分が自転車に乗ること」が嫌いなのではなく、「自転車に乗るやつの精神性が気にくわない」ということのようなのだ。問題にされているのは、自転車に乗ってるやつらの遵法精神のなさということである。

この投稿で取り上げられている自転車のイヤな点を具体的に挙げると、次のようになる。

  1. 狭い道を疾走してきてこっちが避けないといけないし、人混みのなかに我がもの顔で突っ込んでくるのも嫌すぎる。
  2. こっちはただ歩いているだけなのにベル鳴らしてどかそうとしてくるのも噴飯もの。なんでこっちがお前に合わせなきゃいけないわけェ!?
  3. 険しい顔してサドル(ママ -「ペダル」の誤りだろう)漕いでいるウーバーイーツの自転車も嫌
  4. アホ面で車道を逆走しているジジイも嫌。
  5. 混んでるのに歩行者を追い抜こうとするやつも嫌。
  6. 自転車ってマジで邪魔すぎないですか。なんであんなに歩道を占拠してくるんですか。

うむ、ここに挙げられているのはウーバーイーツの例を除けば、すべて規則違反である。こんなことばかりでは、私だって「自転車が嫌い」になってしまう。

憚りながら言わせてもらえば、私は自転車に乗っている時、ここに挙げられたようなひどい運転は決してしない。自転車だって軽車両なのだから、歩行者優先は大原則である。

自転車での歩道走行も、当然ながら違反である。私としては田舎の狭い県道などで、大型トラックなどが我が物顔で飛ばしまくってものすごく危険な時に、ガラガラの歩道を走行する自転車を「しょうがないか」と許してしまいたくなることもあるが、原則的には「ダメ!」と言わざるを得ない。

4番目に「アホ面で車道を逆走しているジジイ」というのが出ているが、こうしたジジイ(に限らず、オッサン、オバサン、若者、子どもにも多いが)は、信じられないことに車道さえも日常的に逆走する。そもそも「自転車は右側通行」なんて、とんでもない考え違いをしているんじゃなかろうか。

とにかく自転車に関しては、「ヘルメットを被ってスポーツ車に乗っているタイプ」の「ちゃんとしたライダー」と、「とんでもない乗り方をするフツーのライダー」との落差が大きすぎるように思う。これでは「自転車嫌い」が増えて当然だ。

 

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2021年9月 7日

菅発言 × 麻生発言 = デタラメの相乗効果

毎日新聞に "麻生財務相「コロナはまがりなりにも収束」 菅首相の退陣巡り発言" という、見出しのニュースがある。これ、わけのわからなさでは一級品と言いたいほどで、一種の謎解きのような気がするほどだ。

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菅首相の退陣にあたっての発言は「新型コロナウイルス対策に専念したいので総裁選に出馬しない」というものだった。これ、チョー欺瞞的なごまかし発言でしかないのだが、麻生財務相の今回の発言の欺瞞性はそれを数段上回ってしまう。

この発言を文字通りに受け取れば、「コロナはとりあえず収束して、もう対策に専念する必要はなくなったのだから、総裁選不出馬の理由がなくなった」ということになっちゃうよね。もう欺瞞に欺瞞が上塗りされて、無茶苦茶な論理破綻に陥ってしまう。

とりあえず表面的なところから言えば、、コロナは「まがりなりにも」というレベルですら収束なんかしていないのだから、何をかいわんやである。こんなトンデモ発言が口に出かかった時点で自分で「ヤバい」と感じ取れないというのは、政治家としての「感度」が鈍りまくっているということだ。

麻生財務相とすれば一応のところ、菅総理への「ねぎらい発言」のつもりだったのだろうが、退陣の弁の上っ面の意味さえもまともに解釈できていないために、とんでもない話になってしまった。これではお世辞にもならない。

国語力に問題のあるオッサンたちが「もっともらしいこと」を言うつもりでテキトーなことを口走ると、デタラメの相乗効果でとんでもないナンセンスになる。最近の自民党のお偉方はこの手の話が多すぎる。もう余計なことは言わない方がいいということだ。

 

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2021年9月 6日

若松武史が亡くなってたと、昨日になって知った

昨日の "「死に目に会う」より大切なこと" という記事の関連というわけではないが、俳優の若松武史が今年の 4月に亡くなっていたと、昨日になって初めて知った(参照)。彼が日大芸術学部で本名の「若松武」で芝居をしていた頃からの「仲間」だったので、本当に驚いた。

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私は早稻田大学第一文学部芸術学科の演劇学専攻なんていう変わったところで学んでいたのだが、ワセダの方は「演劇学」という学問をするところと割り切っていて、演劇そのものは日大芸術学部(日芸)に顔を出しながら関わっていた。その方がおもしろかったのだから、こればかりはしょうがない。

若松武史はその頃、学内の劇団で「ワカ」と呼ばれていて、「ケンジロー」と呼ばれていた石丸謙二郎との二枚看板だった。彼はその後、天井桟敷に入って活躍し、だいぶ前からがんを患って闘病しながらの俳優生活と聞いていたが、ついに亡くなってしまったか。

それにしても、私が日芸にしょっちゅう顔を出していた頃は、おもしろい時代だったなあ。ワカはあの頃から、独特のテンションによる体の動きを見せる個性的な俳優で、私は「こいつ、すげぇな!」と思っていた。オーセンティックな芝居をするケンジローとは、対極的なところにいる役者だったと思う。

時代は常に変わっていくものとはいえ、近頃その変わるスピードが速くなってしまっている気がする。遅ればせながら、ワカの冥福を祈る。

 

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2021年9月 5日

「死に目に会う」より大切なこと

東洋経済 ONLINE の先月末日付に ”「死に目に会う」を重視しすぎる日本人の大誤解  亡くなる前に「一番大切なこと」はほかにある” というタイトルの記事がある。医療法人ゆうの森理事長で、たんぽぽクリニック医師の、永井康徳氏によるものだ。

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記事中に、永井氏の「死に目に会う」ことに関する講義を聞いた、父の死に目に会えなかった経験をもつ研修医の、次のような感想が紹介されている。

「永井先生の講義を聞いて、『亡くなる瞬間に誰かがみていなくていい』という言葉にハッとしました。私自身、そばにいてあげられなかったことをずっと引きずっていたのです」

私自身は、自分の父と母のどちらの死に目にも会えていないが、そのことによるトラウマ的な感慨はまったくもっていない。それは私が山形県庄内の田舎を遠く離れて関東での暮らしをしていたことと無縁ではないと思う。

母は 2007年の 5月、父はその 4年後の 2011年 10月に亡くなったが、駆けつけた時にはどちらも病院のベッドで冷たくなっていた。

身内の容態の急変を聞いて、どんなに急いで帰郷したとしても 8時間ぐらいかかってしまう頃だった(今でもそれほど変わっていないが)のだから、元々「親の死に目には会えないもの」と思っていた。

そして親も、それは当然と思ってくれていたようだ。父が死ぬ前、最後に会った時に「俺ももう長くないだろうが、死に目に会おうなんて、無理なことは考えなくていいからな」と言ってくれたのを覚えている。

永井氏は記事の中で次のように述べておられる。

私は、死を間近にした患者さんにとって、亡くなる瞬間に立ち会うことよりも、「穏やかに楽に逝けること」がもっとも大切だと思うのです。こうした考え方が広まれば日本の看取りの文化が変わり、自宅での看取りが増えていくのではないかと考えています。

まさにそうだと思う。私も今のところやたら元気とはいいながら、既に 69歳にもなったのだから、あと 10年ぐらい生きて、このブログの「10,000日連続更新」を済ませた頃には、とっととあの世に行きたいと思っている。子供たちに「死に目に間に合うように」なんて言うつもりはまったくない。

永井氏によると日本人の 8割は病院で死ぬのだそうで、この割合は圧倒的に世界一なんだそうだ。死ぬ前に入院なんかしてしまったら、病院側としてもできるだけ長く生かそうとしてしまい、余計な治療まですることになるのだろう。

私としては、病院で何本もの管を繋がれながら無理矢理生かされた挙げ句にやっと死ぬなんて、考えるだけで嫌になる。昔から諦めのいい方で、1分 1秒でも長く生きることが幸せだなんて思うのは、完全に「煩悩の産物」だと思っている。

年をとって体が衰えた曉には、ある程度のところでその衰えた体からスルリと抜け出す方が、楽で幸せというものだろう。衰えた体の中で苦痛と不自由さに耐えていろという方が、ずっと残酷だと思ってしまうのだよね。

 

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2021年9月 4日

ハバネロより辛いトウガラシがあるとは!

2019年 4月 3日付 "「舞妓はん ひぃ〜ひぃ〜」という名の唐辛子" という記事で書いているように、私は日本人としてはかなりの「辛モノ好き」である。CoCo 壱 のカレーだと、最高の 10辛(参照)を注文して、その上にさらに「とび辛スパイス」をドバドバッとふりかけて食べる。

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ごく一般的な鷹の爪(参照 1参照 2)程度では、例えばかけうどんだったら、丼の中で汁の表面全体が興醒めなほどに赤くなるぐらい振りかけないと満足できない。ところが上述の「舞妓はんひぃ〜ひぃ〜」なら、4〜5回パラパラッとふりかける程度でちゃんと辛く感じるからありがたい。

「舞妓はんひぃ〜ひぃ〜」というのは、国産ハバネロを使用しているということで、さすがの威力である。

ところで、かつてはハバネロが世界一辛い香辛料と言われていたが、最近ではもっと強烈に辛いものが登場していると知って驚いた。クックビズ総研の "あの暴君「ハバネロ」が 4位!?暴君の上に君臨する激辛 TOP 3 とは?" という記事(2016年 5月 23日付)に、なんと「生食動画」付きで紹介されている。

第 3 位 ブート・ジョロキア

2007年時点のギネスで、「世界一辛い唐辛子」に認定された唐辛子。(ということは、2006年まではハバネロが世界一だったようだ)

第 2 位 トリニダード・モルガ・スコーピオン

素手で触るのも危険で、触れると炎症の恐れ。

「触ると炎症の恐れ」と言われる割には、この動画では直接食べているが、1分 18秒あたりから咳き込み、しまいには涙ぐむまでに悶えてしまう。

第 1 位 キャロライナ・リーパー

直接種ごと食べると “死ぬ” とすら言われている。

この記事では、さすがにこれを生食する動画は掲載されていないが、試しにググってみたところ、2019年 3月 19日付の「【超激辛】死神と呼ばれた唐辛子キャロライナリーパーを完食チャレンジ!」という動画が見つかった。

前置きがかなり長いが、2分 19秒あたりで最初の一口にチャレンジし、ここで既に激しく咳き込む。さらに4分あたりで 3口目チャレンジの直前に大きくのけぞって悶えてしまうが、めげずに 7分あたりでどうにかこうにか完食に成功。ただし後が心配になるほどの大悶えとなる。

ちなみに紹介の記事は 2016年版でのランキングをもとにしているが、「唐辛子専門店 ハクタカ」は 2020年版でもランキングは変わっていないとしている。

ただ、「ドラゴン・ブレス・チリ」というのが 2017年に世界で最も辛い香辛料としてギネスが認定したと紹介するページもあれば、さらに「ペッパー X」というのがより辛いとしているサイトもあり、このあたりは混沌としていて、なんとも判断しかねる。

いずれにしても、私としても是非挑戦しなければならないと思い、早速ながら、とりあえず 第 3 位のブート・ジョロキアを Amazon で注文した。ただし、これを食べた男性が 3週間以上の病院送りになったという 2016年の記事(参照)もあるので、さすがに生食は敬遠し、香辛料としての市販品である(参照)。

届き次第、カレーやスープ、うどんなどで試してみて、本ブログで報告しようと思う。さらに順を追って、第 2 位のトリニダード・モルガ・スコーピオン、第 1 位のキャロライナ・リーパーも試してみたい。

味を占めたら、「舞妓はんひぃ〜ひぃ〜」にとって代わる常備品となるかもしれない。

 

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2021年9月 3日

「菅首相辞任の意向」を巡る冒険

昼頃、クルマを運転しながらカーラジオを聞いていたら、「菅首相、辞任の意向示す」というニュースが飛び込んできた。帰宅早々ニュースを検索してみると、トップに出てきたのが "菅首相が辞意 二階堂幹事長「正直びっくり」" という東京新聞の記事だった。

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この記事によれば、菅首相は辞任の理由として「新型コロナウイルス対策に専念したいので総裁選に出馬しない。任期は全うする」と述べているという。しかしこんなのが理由にならないのは、誰が考えてもわかる。対策に専念したいのであれば、首相であり続けることの方がずっと有効なはずだ。

彼の言葉は「コロナ対策は手に余るので、総裁選に出馬しない」と翻訳(和文和訳)する方が自然である。この人は辞める段になってもアサッテの方を向いた意味不明の話しかできない。というわけで、この「コロナ対策」というのが不出馬の本当の理由でないことは明らかである。

このあたり、私は 8月 31日付の記事で次のように書いている(参照)ので、二階堂幹事長以上に「びっくり」である。

いずれにしてもはっきりしているのは「菅首相の続投意欲は十分」ということだ。これだけ支持率の下がっている中で、そのノー天気さは超人的と言うほかない。一度自分と周辺以外が見えなくなると、あとはとことん見えなくなるものらしい。

つまり、いくらノー天気で「自分と周辺以外が見えなく」なってしまっても、そのノー天気さ以上の圧力が加わると、従わざるを得なくなってしまうものらしい。問題はその「圧力」というのが何なのかということである。

ここでかなり引っかかってしまうのは、二階堂幹事長の「正直びっくり」という発言である。私はこのじいさんの言うことは真正面からは信じないことにしているので、条件反射的に「実はびっくりなんかしてないよね」と言いたくなってしまうのだ。

私としては、ひろゆきほどセンセーショナルなこと(参照)を言うつもりはないが、ある意味、「二階幹事長が差し違えたな」ぐらいの印象はもってしまうのだよね。いずれにしても低次元な話で、悲しくなってしまうほどなのだが。

というわけで、日本の政治は新たな局面に入るわけだが、私としては 10月の総選挙で「現職首相が落選!」というセンセーショナルなニュースに接することができなくなってしまったのが、ちょっと残念と言えば残念だ。

あとはせめて「前首相が落選!」というニュースに接することができるように、神奈川二区の有権者には頑張ってもらいたいところである。この国の選挙には「同情票」という摩訶不思議なファクターがあるので難しいだろうが、いずれにしても

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2021年9月 2日

日が暮れてからは「肌寒さ」なんてもんじゃない

天気予報では 9月に入ってから秋雨前線の影響が強まり、とくに関東に冷たい空気が流れ込んでいると言っている。つくばの地も朝からしとしと冷たい雨が降り続き、最高気温がようやく 20度に届いた程度。8月末まで猛暑に喘いでいたので、体がついていけない状態だ。

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天気予報ではずっと「肌寒ささえ感じる気温」と言っていたが、日が暮れてからは「肌寒さ」なんてもんじゃない。昨日までは半袖 Tシャツにショートパンツで過ごしていた私が、夕食後はまともに「寒さ」を感じてしまい、長袖シャツにフリースの上着まで重ねて着ている。

上の画像は Weather News の「今日、長袖着た?」というアンケートをもとにしたもの(参照)。夏日の続く西日本ではまだまだ半袖派が多いようだが、関東では完全に長袖の陽気になっているのがわかる。

個人的には明日になってから「昨日、フリースまたはセーター着た?」というアンケートをとってもらいたいと思うほどだ。きっと「はい」の回答がかなりの割合に上ると思う。

週刊予報によれば、来週の水曜日あたりから暑さが戻り、このあたりも 26〜28度の夏日になるようだ。そうなると、この反動で「きびしい残暑」みたいに感じるかもしれない。面倒な天気だなあ。

 

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2021年9月 1日

マグネットチラシの水道業者は「ぼったくり」が多い

朝日新聞のサイトに「マグネットチラシの水道屋本舗に業務停止命令 消費者庁」という昨日付の記事がある。よく郵便受けに入っているマグネットチラシの水道業者に関するものだが、あれ、「ぼったくり」が多いから気をつけた方がいいというのはかなり前から言われていることだ。

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先月 27日付の「モノを捨てて捨てて捨てまくった」という記事で、妻がためまくったモノをどんどん捨てたことを書いたが、その捨てた中にこのマグネットチラシが 30枚ぐらい含まれていた。台所の引き出しの中からずっしりと一塊になったのが現れた時には、本当に驚いてしまったよ。

我が家は幸いなことに水道やトイレ関係でトラブったことがないので、妻のためまくったマグネットチラシなんかに頼らずに済んでいる。ただいずれにしても、なんでまたあんなにたくさん保存しておいたのか、私の理解の範疇を遙かに超える。

とにかく、こうしたマグネットチラシを配りまくる業者は、ほとんどぼったくりというのが定評である。噂によればほんの 3,000円ぐらいで済むような排水管のつまり解消に、「便器全体を取り替えなければいけない」なんてことを言い出して 20〜30万円ぐらいぼったくるなんて、フツーにあるらしい。

水道、排水関係のトラブルなら、自治体の水道局などに連絡すれば、地元の良心的な業者を紹介してもらえるから、マグネットチラシの業者に電話なんかしちゃいけない。こんな妙なチラシを作り、しょっちゅう人手をかけて配りまくっているのだから、結構なコスト要因である。

それだけで、まともな料金で対応してもらえるわけがないとわかる。

 

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