自民党総裁選における「数字のマジック」
私ははっきり言って数字に弱い。10年前に "「数字数式認識障害」とでも言いたくなるほど、数字に弱いのだよ" という記事でも書いているように、「数字や数式が出てくると、頭の中がパニくってしまう」のである。
で、そうした私の頭がすっかりパニクってしまったのが、今回の自民党総裁選の結果だ。上の画像の上半分の表は昨日の記事にも掲げたものだが、とにかく昨日の時点でも頭の中で「?」のマークが 10個ぐらい点滅しまくっていた。
事前の情報では、高市氏が議員票と党員算定票の合計で 2位以内に入る可能性は低いので、岸田氏と河野氏の決選投票にもつれ込むだろうということだった。これは妥当な見方で、事実その通りになった。
そしてこれも事前情報だが、決選投票では高市氏を支持した議員はまるっと岸田氏に投票し、「河野総裁誕生」を阻止するという手はずになっていたはずなのである。そりゃそうだ。1回目で最右派の高市氏を支持しておきながら、決選投票でリベラルの河野氏に入れるなんてのは、無節操にもほどがある。
ところが、この「無節操にもほどがある」というべき議員が、少なくとも 11人はいたことになる。だって、最初の投票で高市氏が獲得した 114票がそのまま岸田氏に積み増しされたら、単純計算では彼の獲得議員票は 260票になるはずだからね。
ところが結果的には、決選投票での岸田氏の得票数は、それより 11票少ない 249票にしかならなかった。これが「数字のマジック」でなければ、何といったらいいのだろう。
最初の投票ではよくわからない理由(多分「浮世の義理」とか「派閥の親分の締め付け」とか言った話)で、心ならずも高市氏に投票した議員がいて、その中の「少なくとも 11人」は、決選投票で正気に戻ってか、河野氏に投票した(つまり「最右派」から「真ん中付近」へ大移動した)ということになる。
フツーなら「はあ???」となるが、あくまでも数字的にはそう読み取らざるを得ない。
ここで「少なくとも」という但し書き付きで言っているのは、野田氏の得票数の行方が分析不能だからである。最初の投票で野田氏に票を入れた議員は 34人だが、仮にその全員が決選投票で岸田氏に投票したのだとしたら、「大移動」した議員は 11人どころではなく、計算上では 45人ということになる。
つまり客観的な言い方をすれば、総裁選で高市氏に投票した 114人のうちの「最小で 11人、最大で 45人」(約 1割から 4割の間だが、現実的には 2割ぐらいの 22〜23人前後といったところか?)という数の議員は、「あんた、一体何を考えてるの?」といったレベルなのだということだ。
国会議員と言えば雰囲気的には立派に聞こえるが、中にはこんなような人 だっているし、中身の質に関してはわけがわからない。
彼女の獲得した 114票って、一見「スゴいな」と思わせるが、実は安倍方面からの締め付けの産物で、中身は案外アヤシいのだと、思い切って言わせていただく。周辺ではこんなようなお笑い的状況もあったしね。
それにしても、政治の世界は魑魅魍魎というか、本当にわけがわからない。
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