コロナ関連のデマの 65%の発信元は、特定の 12人
NHK のサイトに "誰が、何のために「デマ」を拡散させるのか?" という WEB 特集の記事がある。冒頭の写真に取り上げられているパンフレットのタイトルは "THE DISINFORMATION DOZEN"(デマの 12人)というものだ。
この記事は、イギリスとアメリカに拠点を置く NGO 団体、デジタルヘイト対策センター(CCDH)が今年 3月に発表した報告書に沿い、次のようにレポートされている。
ことし 3月までの 1か月余りの間に SNS 上に出回った新型コロナウイルスのワクチンに関するデマの 65%は、わずか 12人に派生するアカウントから発信されていたというのです。
(中略)
「新型コロナのワクチンによって不妊になるおそれがある」
「ワクチン接種によって死者が出ている」
それらのアカウントからデマが発信され、瞬く間に世界中に拡散されたのだといいます。
「世界中に拡散された」というだけに、日本でも同じようなデマが広がっており、私も今年 6月 20日付の "「ワクチン陰謀論」というのがあるらしい" という記事で、次のように書いている。
先日、美容院から戻った妻が急に「私、ワクチン接種止めとこうかな」と言い出した。
美容師のお兄ちゃんに「政府は隠してるけど、コロナのワクチンってかなりアブナいらしいですよ」と吹き込まれたらしい。「ワクチンが遺伝子の中まで入り込んで DNA 情報を書き換えちゃうから、命に関わる悪影響が 2年半後ぐらいに出てくるらしいです」ってな話だ。
この美容師のお兄ちゃん、腕は確かなようだが、かなりのオタクなのかもしれない。
結局のところ、妻もネットで客観情報をよく調べた結果、疑問が晴れて夫婦一緒に 2度のワクチン接種を済ませたのだが、知り合いの中にはまだかたくなに拒んでいる人もいる。「コロナ・ワクチンは遺伝子の中まで入り込むらしいから、少なくとも 2年ぐらいは様子を見てから接種する」なんて言うのだ。
NHK の記事によれば、こうしたデマを流す 12人の目的は単純に「マネー」であるといい、次のような事実が紹介されている。
CCDH が発表した別の報告書では、12人がそれぞれ運営するウェブサイトでの物品の販売、“健康情報”にからむビジネスによる年間の売り上げは合わせて 3580万ドル、日本円で 39億円余りにのぼるというのです。
これはちょっとした数字である。3580万ドルを単純に 12で割れば、約 300万ドル、つまり 1人あたり 3億円以上の売り上げになっているのだ。この 12人の中には、故ジョン・F・ケネディの甥も含まれ、名を「ロバート・F・ケネディ・Jr」というらしい。詐欺をするには「できすぎ」みたいな名前だ。
というわけで、インターネットというのはとてつもなく便利なモノではあるが、同時にかなりアブナいものでもあるということを、我々はきちんと認識しておかなければならないだろう。
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