「謎マナー」と、サラリーマン社会
昨日付「葬式の場でネクタイのディンプルは NG だって?」に付けていただいた らむね さんのコメントで、この種の「得体の知れないマナーみたいなもの」が、世の中では「謎マナー」と呼ばれていると知った。
ググってみたところ、この種の「謎マナーの権威」はビジネス・ライフマナー講師の「尾州真奈美」という御方であるらしいとわかった。らむね さんの挙げた「自分の名刺が大きいと失礼なので切り取る」というのも、一昨年の春にこの方が発信してしっかりと炎上したネタである。
ちなみにこの「尾州真奈美」というのは、いわゆる 「釣り垢」(「釣りアカウント」ね、念のため)であるらしい。これ、既にネット社会の常識となっているようで、この先生のおっしゃる馬鹿馬鹿しい話は決して真に受けてはいけない。
というわけで「名刺のまわりを切り取って小さくする」なんていうのは異次元的なまでの「ウルトラ謎マナー」だが、そこまで行かなくても、いかにももっともらしく聞こえて、一部では忠実に実行されている「謎マナー」も多い。私が一昨年に取り上げた「ハンコのお辞儀」というのもその一例のようだ。
らむねさんは「偉い人に徳利で日本酒を注ぐときは、注ぎ口を使ってはならない」という「謎マナー」も紹介してくれている。これ、私は全然知らなかったので、ちょっとググってみたら、こんなことのようだ。(参照)
「この部分は注ぎやすさで付けていますが、丸の切れ目、すなわち円(縁)の切れ目、また、角が立つという意味になります。縁起の良し悪しの観点から言うと悪いです。冠婚葬祭など、厳粛な場ではやめたほうが良いでしょう」
こうしたあまりの馬鹿馬鹿しさに反発してか、「マナー講師撲滅用とっくり作りました」という陶芸家もおいでだ。ちょっと拍手を送りたくなってしまったよ。
さらに「ビールを注ぐ時はラベルを上にする」という有名かつ由来不明の謎マナーのほか、最近では Zoon 会議での表示の順番(上座、下座)だの、会議終了後の退出はエラい人から先だの、面倒くさすぎるのまで加わっている。
こうしてみると「謎マナー」の多くは、サラリーマン社会の「上下関係」とか「過剰で無意味な気配り」みたいなものから発想されている気がする。まことにもって「気配り」は必要ではあるが、し過ぎると面倒になるばかりだ。
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コメント
「ビール注ぎのラベルを上に」
ってのは、液体薬品を扱う方々が、普段から瓶のラベルを汚さない様にラベルを上にして持つから、その所作がそのまま飲み会に反映された、なんて「アヤシイ」情報も目にしたことがありますなぁ。
投稿: 乙痴庵 | 2021年9月24日 13:03
乙痴庵 さん:
この情報は結構アヤシいみたいですね。単なる「理系ジョーク」の部類かも (^o^)
投稿: tak | 2021年9月24日 17:45