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2021年9月29日

自民党総裁選が終わって

先ほど自民党総裁選の決選投票が終わり、岸田氏が新総裁に選出された(参照)。私は昨日付の記事でも書いているように、今回の 4人の中では野田氏が一番と思っているのだが、政治の世界というのはグチャグチャの行きがかりがあって、すったもんだの結果でしか動かない。

210929

総裁選挙の得票は、次のようなものだった。

2109292

一目見ただけで、第一回目の投票では岸田氏は党員算定票では河野氏に及ばなかったが、国会議員票を多く集め、河野氏は対照的に国会議員票を集められなかったことがわかる。さらに決選投票では国会議員票で岸田氏が 103票上積みしたが、河野氏は 45票しか伸ばせなかった。

つまり、自民党内で広く支持されたのは河野氏だったが、国会議員(つまり、党上層部)に限っては圧倒的に岸田氏に票が集まったということである。そして決選投票の票数は、党内のお偉方の意向がより強く働いた結果というわけだ。自民党って、内部が結構はっきりと分断されているのだね。

昨日の記事の言い方をすれば、岸田氏は「とても有効な下駄を履かされた」と言えるだろう。河野氏がいくら地方で票を集めても、下駄の歯は大した高さにならなかった。

ということで、次の国会では「岸田首相」が誕生するわけだが、行きがかりとして、下駄を履かせてくれた党の古株の連中の意向を無視するわけにいかないということになり、何だかんだ言っても古い体質はしっかりと残る。

やれやれである。

 

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コメント

>何だかんだ言っても古い体質はしっかりと残る。やれやれである。

全くです。少しは風通しが良くなってくれないかなと僅かに期待した自分に嫌気がさしています。吐き気がして来ました。

投稿: K.N | 2021年9月29日 22:26

野田は表現規制派なので問題外です。高市と違って表面を取り繕う姿勢すら示していない以上、議員において、その域に達していないし達する見込みもないと言い切りたいですね。

投稿: 柘榴 | 2021年9月30日 00:03

河野氏はアマチュアに支持され、岸田氏はプロに支持されたとも言え、なかなか評価は難しい。たぶん、プロの目からは野田氏は論外。

ちなみに私は河野氏が勝てば面白いと思っていました。

投稿: basara10 | 2021年9月30日 05:22

K.N さん:

やっぱり、そこは自民党なんですね。

ああ、早く二大政党時代がやってこないかなあ。

投稿: tak | 2021年9月30日 06:28

柘榴 さん:

>野田は表現規制派なので問題外です。

それ、知らなかったので調べてみたら、児童ポルノに関する話なんですね。その辺、情報不足すぎて、今はコメント難しいです。

>高市と違って表面を取り繕う姿勢すら示していない以上・・・

私としては、高市氏は表面取り繕いすぎと感じてしまって、かなり気持ち悪いです。一方、野田氏は気の毒なほど取り繕い方を知らないみたいではありますが。

投稿: tak | 2021年9月30日 06:32

basara10 さん:

>たぶん、プロの目からは野田氏は論外。

うぅむ、私としては、「だから、政治のプロって嫌いなんだよなあ」と言いたくなるところではありますが。

>ちなみに私は河野氏が勝てば面白いと思っていました。

私も、野田氏が勝つとは全然思っていなかったので、河野氏ならばひとまず OK というところだったんですがね。

投稿: tak | 2021年9月30日 06:34

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