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2021年9月26日

総裁選 4候補の「昆虫食」に関する姿勢

日刊スポーツのサイトに ”男児「虫を食べなければいけないんですか」総裁選4候補者に質問” という記事がある。学校で SDGs について学んだという 小学校 1年生の男児が「僕たちが大人になったら、本当に虫を食べなければいけないんですか」と、オンラインで質問したのだそうだ。

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この質問に対する 4候補の回答は、次のようなものだったらしい。

河野氏「そうならないように努力をしています。お肉すきかな。大豆からお肉が食べられるように、実験進めています」

岸田氏「皆で努力すれば虫を食べなくて済む。水や自然を守っていかなければなりません」

高市氏「今でも伝統的に虫が好きな方がいます。栄養もありますよ。工場の中で野菜や果物が育てる仕組み進めています」

野田氏「おばちゃんは昔から虫を食べています。しょうゆと砂糖で煮るとおいしいです。肉や野菜を作る人が増えるよう願っています」

大別して、男性 2候補は昆虫食に否定的だ。河野氏の「そうならないように努力をしています」なんて、昆虫食という文化が忌まわしいことででもあるかのような言い草で、「差別的言辞」として問題視してもいいぐらいのものだ。この人、私が 2018年 12月 12日の記事で書いているように、「ヘボ役者」である。

岸田氏の回答の「皆で努力すれば虫を食べなくて済む」と「水や自然を守っていかなければなりません」というのは、文脈の整合性という見地からすると、全然論理的につながらない。この問題をさっぱり理解していないことが見え見えで、自分で何を言っているかわかっていないようだ。

というわけで、この回答をみただけで、私は「今回の自民党総裁選、男性候補は 2人ともダメだな」と言いたくなってしまう。視野が狭くて、エコの視点が今後の世界の最重要課題となることや、多様な価値観ということを、ちっともわかっていない。

それに対して女性候補は昆虫食に肯定的なだけ、言外に「できれば避けたいよね」というニュアンスが感じられるとはいえ、多様性という視点から言えばずっとマシだ。ただ、高市氏の言う「工場で育てられた野菜や果物」なんてものはあまり食べたいとは思わないので、野田氏の言い方が一番マトモだと思う。

野田氏の場合は、4人の中で唯一森友問題に関する再調査が必要と明言している(参照)だけ、ちゃんとした見識があると思っている。ただ、マスコミ報道では彼女が「泡沫扱い」されているのが、実に気に食わないところである。

世の中ってなかなか理窟通りには行かないものだが、中でも政治というのはとくに、妙な行きがかり優先で動いていくものらしい。本当に付き合いきれない世界である。

ちなみに私個人は、2018年 2月 7日付で「昆虫食、ドンと来い!」という記事を書いているように、虫を食うことに関してはかなり積極的な肯定派である。肉食を止めて久しいので、今となっては牛や豚を食う方がずっと気持ち悪く感じてしまうのだよね。

虫を食うのがイヤなくせにシュリンプを喜んで食うというのも、よくわからない。

 

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コメント

小学生の頃の夏休み、田舎の親戚の家に避暑に行くのが恒例でした。
で、「バッタを取っておいで」と言われて、
その家の子ども達と袋いっぱい取った思い出があります。
もちろん、そのバッタは佃煮に姿を変え食卓に上りました。
味? 恐る恐る口にした事は覚えていますが、味は覚えていません…。
近くの清流に釣りに行ったり、田んぼの傍でドジョウを取ったりと、
懐かしい思い出です。久しぶりに思い出させていただきました。(^_^)

投稿: さくら | 2021年9月26日 23:32

さくら さん:

虫を食べた経験があるというのは、いいですね。

世界では昆虫食って案外一般的ですから、毛嫌いする方がおかしいです (^o^)

投稿: tak | 2021年9月27日 13:19

すみません! 
昨日、「イナゴ」を「バッタ」と間違えて書いてしまいました。
バッタは食べたことがありません。 (^_^;)

投稿: さくら | 2021年9月28日 12:39

さくら さん:

道理で (^o^)

バッタはイナゴと比べるとかなり大きいですからね。

投稿: tak | 2021年9月28日 12:44

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