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2021年11月11日

「不機嫌による支配力」を跳ね返す「鈍感力」

UU さんの tweet で、"「不機嫌で人を支配しようとする人」の気持ちがわかった話" という しんざき さんのブログ記事を知り、いたく共感してしまった。UU さんに感謝である。

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ブログ記事の筆者、しんざき さんは、"しんざき家には、「察してもらうな、察するな」「どんなことでも言葉にしよう」という家訓があります" と書かれている。「言わないで気付くのを待つ」という選択肢はあり得ないのだそうだ。

ところが「ひどい風邪で喉を壊して、風邪がおさまってからも数日ほとんど喋れなかった」ということがあり、この時には、次女が「察する」という努力をしてくれたのだそうだ。そして、「正直これ、確かに楽だな」と思ったが、それではダメだと思い直したというのである。

彼は ”「不機嫌で相手を操ろうとする人」の周囲には、きっと余りにも「察してくれる」人が多過ぎたんだろうなあ” と書いている。

このブログを読んでくれているあなたも、きっと「ああ、そう言えば、自分の周囲にも『不機嫌で人を支配しようとする人』がいるな」と、思い当たるのではないかと思う。私の周囲にもいたし、今もちゃんといる。

以前に関係していた会社の若手プロジェクト・チームが、社の新方針のもとに作業をより効率的に進めるためのシステム作りを、結構「いいノリ」で進めている時、そいつが、モロに不機嫌そうな顔でウロウロする。後輩たちにしてみれば、はっきり言って迷惑そうだ。

彼は直接的には言わないが、親しい者には陰で「新方針は気に食わない、意味がわからない」と漏らしているらしい。早く言えば「守旧派の不満分子」である。

それを伝え聞き、私が(自分の役割でもないのに)彼にそれとなく新しいやり方に移行するメリットを説明すると、「あんたは社外の人間のくせに、頭がいいからわかるんだろうが、俺にはわからん」なんてことを言う。とくに難しい話でもなんでもないのだが。

自らの頭の悪さ(はっきり言って、確かに頭が悪い)を恥じる風情はまったくなく、むしろ自分が「正義の味方」で、頭のいい奴らを「悪魔の手先」みたいに言うのは、この人の昔からの「お約束」みたいなものである。

そこでよりわかりやすく説明しようとしても聞く耳を持たず、すぐに感情が高ぶってしまうようで、まったく関係ないことを口走って怒り出す。それでこちらとしても、「この人は言葉の通じない人だから、しょうがないな」と諦める。

新しいことがわからないし、わかりたくもないなら、目障りなところをウロウロしないで遠慮しているべきなのだが、そういうわけにもいかない。このタイプの人は基本的に「自分は正しい」と思い込んでいる上に、妙に「さみしがり屋」でもあるから、ビミョーな距離にいて不機嫌を撒き散らしたがる。

こうなると、気の弱い若手なんかくじけそうになってしまう。文字通り「不機嫌で人を支配する」存在である。

こういう人と接してもくじけないで進むための唯一の方法は、「下手に察するな」ってことだ。私はこれを「鈍感力」と言っている。

この「鈍感力」を身に付けるためには、一応それなりの修羅場を潜り抜ける必要があったりするが、一度身に付けてしまえば、彼らの「支配力」を跳ね返す空間にいられるから、楽なものである。

ただ、「鈍感力」にはバリエーションとして「悪鈍感力」(別の言い方では「ゴーマン」)というのもあるので、気をつけていただきたい。(参照: 2008年 3月 9日付 "「二の矢」を受けないために")

 

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コメント

「不機嫌で相手を操ろうとする人」、周囲にいました。

機嫌のいい時は甲高い声で引き笑いをし、そうでない時には朝からブスッとした顔つきで、どうでもいいことで難癖をつけるのが常でした。人の手柄も自分のものにすることもありました。マンガが大好きで業務時間中マンガを読んでいるのが周囲にとって平和な時間でした。
当然、全員から嫌われてました。

ところが本社に移動後、日経新聞の人事欄に課長に昇進したことが載っていました。さらに数年後、部長名で名前が載っていました。これには全員「なぜ?」と唖然としました。

かれは「不機嫌で相手を操ろうとする人」であると同時に
「忖度で上司を操る名人」でもあったようです。
彼は定年後数年で他界しましたが、その死を惜しむ声は聞いたことがありません。
「忖度で上司を操る名人」として語り継がれているのみです。
貴重な体験をさせてもらいました。

投稿: ハマッコー | 2021年11月12日 13:58

ハマッコー さん:

なるほど、「不機嫌で相手を操る」ことと「忖度で上司を操る」ことは、表裏一体的なところがあるわけですね。

いずれにしても、自分の価値を下げているだけですが。

投稿: tak | 2021年11月12日 16:43

ハマッコー様

そのような人って自分がいかに人から嫌われ、軽蔑されているかなど考えもしないし、ましてや自分の人間としての価値などという概念なんか存在しないのでしょうね。ある意味「幸せな人」かも。「反面教師」「他山の石」として人に貢献しているのですね。

投稿: K.N | 2021年11月13日 00:33

K.N さん:

>ある意味「幸せな人」かも。「反面教師」「他山の石」として人に貢献しているのですね。

なるほど。

投稿: tak | 2021年11月13日 08:35

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