”Jam"(ジャム)と "jelly"(ゼリー)の違い
Q&A サイトの "Quora" で、「なぜアメリカ人はジャムをゼリーと呼ぶのでしょうか? アメリカではジャムと言うと何になりますか?」という質問を見つけた。ここには「ゼリー」とあるが "jelly" だから、発音は「ジェリー」に近いのだが、それによせられた回答を読んで、私も積年の疑問が晴れた。
私も昔から、「アメリカ人は『ジャムサンド』のことを "jelly sandwich"(ジェリーサンウィッチ)なんて言ったりするなあ」なんて思っていたのである。かと思うと「ジャムトースト」のことを ”toast and jam" なんていうのも聞いたことがあるから、わけがわからなかった。
わけがわからないながら、「まあ、同じものを jam と言ったり jelly と言ったりするんだろう」ぐらいに軽く考えていたのだが、実は jam と jelly は同じではないとわかったのである。これは「目からウロコ」だ。
上の 2枚の写真は Ben Waggoner さんという方の回答に添えられた写真(スーパーの棚を撮影したもの)の部分拡大だが、なるほど、確かにグレープとストロベリーともに ”Jelly” と ”Jam" がある。とくに上の方は、同じ "Welch's" の商品できっちりと区別されているのだから、別物と思うほかない。
Ben Waggoner さんは、次のように書かれている。
アメリカのゼリーは、果汁に砂糖とペクチンを加えて固めたものであり、半透明でなめらかな食感です。(中略)ジャムは果肉を加熱調理し、半透明にはなりません。また調理の過程でちょっとドロドロになりますが、果実の形ははっきりと残っています。
私は「アメリカのジャムは、かなり濃厚で果実の形がはっきりわかるのが多いけど、一方ではすっかりトロトロ状態のもあるのだな」と思っていたのだが、それも道理である。実は濃厚なのが「ジャム」で、トロトロなのは「ゼリー」だったのだ。
私は昔から「カタカナ名前の食い物は、ラーメンとカレーライスとスパゲティ以外はよくわからん」なんて言っているが、本当にわからないのはイタリア語とかフランス語由来の食い物で、元が英語ならたいていわかると思っていた。しかし実は、英語でもこの程度のものだったと気付いて、愕然としている。
日本のコーヒーショップなどで出されるパンには、小さなプラスティックや紙の使い捨て容器に入った「ジャム」が付いている場合があるが、実はあれってほとんど「ゼリー」の範疇に入れるべきものなのだね。
というわけで、ものは調べてみるものである。
| 固定リンク
「グルメ・クッキング」カテゴリの記事
- スーパーの店頭からイカが消えてしまった(2022.08.13)
- 酒から遠離る「ソバーキュリアス」というコンセプト(2022.08.12)
- 肉を生で食うことと、命がけの「通ぶり」「粋がり」(2022.07.21)
- 「酒を飲まない方がクール」というライフスタイル(2022.06.18)
- 「祖谷そば」を食ってみたい(2022.06.14)
「言葉」カテゴリの記事
- 電車内の英語アナウンス、再び(2022.08.09)
- 「命が狙われて初めて政治家って言える」の皮肉な意味(2022.08.02)
- 「窓の杜」の記事見出しに「う〜ん・・・」となった(2022.07.29)
- 奈良の『ら』は R で、奈良女子大の『ら』は L(2022.07.19)
コメント