日本、COP 26 で「化石賞」受賞だそうで・・・
英国グラスゴーで開催中の「国連気候変動枠組み条約締約国会議」(COP 26)で、日本がまたしても「化石賞」を受賞したと伝えられた(参照)。選挙直後に地球の裏側まで飛んだだけに、写真の岸田首相は、ちょっと目が眠そうである。
COP の「化石賞」というのは "Fossil Of The Day" というもので、直訳すれば「本日の化石」。「本日の」というだけあって、ご丁寧なことに会期中の毎日、環境対策に後ろ向きと目された国に与えられるもののようだ。
今回は「11月 2日の化石」ということだが、日本はノルウェイに続く第 2 位で、第 3 位はオーストラリア。日本の受賞理由は次のように表示されている。
This certificate awarded to Japan for Japanese Prime Minister Fumio Kishida promoting fossil power plants not just in Japan but throughout Asia, as well as ammonia and hydorogen as "zero-emission thermal power"
(以下、tak-shonai による翻訳)
この賞が日本に与えられるのは、岸田文雄首相が「ゼロ・エミッション火力発電」と称して、水素とアンモニアとともに化石燃料を使用することを日本のみならずアジア全域で推進しようとしていることによる。
(HUFFPOST の記事中で紹介されている「受賞理由」は決定的誤訳とまでは言えないものの、「石炭火力を使い続けるためのアリバイ作り的施策への皮肉」という真意が伝わってこないよね)
岸田首相本人としては、「各国から高い評価をいただき、日本の存在感をしっかり示すことができた」と語ったようだが、実際のところ、示すことができたのは「ちょっと生ぬるい存在感」だったようだ。
ちなみにこの前日の「11月 1日の化石」は、第 1 位が英国、第 2 位がオーストラリア。オーストラリアは栄えある 2日連続受賞である。環境問題に関する限り、生ぬるいのは日本だけではないのだね。オーストラリアは元々、8,000万頭の羊の「げっぷ」による大量のメタンガス発生という弱みもあるし。
歴代受賞国は、こちらのサイトで知ることができる。最多受賞国はもちろん米国で、この手の賞の例に漏れず、どうやら「ジョークをちゃんと解することのできる国」か「ゴネたりせず甘んじて受けてくれる国」が選ばれているようだ。日本の場合は、2つの条件の真ん中ぐらいに位置するのかもしれない。
ちなみに中国なんかは世界最大の CO2 排出国なのに一度も受賞していない。公式的(表向き)には「脱炭素への移行に前向き」だからとされているようだが、実際のところは、ジョークが通じそうにないので、下手に選出すると後始末が面倒なんて思われてるんじゃあるまいか。
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