「毛皮はカッコ悪い」と、ELLE も気付いたようで・・・
HUFFPOST が 12月 3日付で "ELLE が脱毛皮宣言「もはや時代遅れ」 ファッション誌もファーフリーへ」というニュースを伝えている。個人的には「今頃になってようやくそれを言い出すなんて、それこそ『時代遅れ』もいいとこ」なんて思ってしまうが、まあ、悪いことじゃないから一応歓迎しておこう。
私は 16年以上も前に、毛皮の議論にレザー製品のことまで含めて、こんなことを書いている。
毛皮とレザーと人間の業(2005年 3月27日付)
欧米でも毛皮に反対する人はかなり多く、一時は、高級毛皮にスプレーでペンキを吹き付けるのが流行ったことがある。(中略)
一方、レザーに関しては、毛皮ほどの反対運動は起きていない。レザー製品で有名なスペインの業界団体首脳に聞いたところ、「毛皮はわざわざ野生動物を殺すのでよくないかもしれないが、レザーは食肉用に飼育された動物のものなので、動物虐待というわけではない」と釈明していた。
(中略)
このあたりは、どう屁理屈をこねたところで、他の生物の命を奪うということに変わりはない。人間の業である。
というわけで私としては、肉を食いながら「動物の権利」云々を言うのは、どこか傲慢な態度だと思っている。上の記事を書いた頃の私は肉食を極力減らしてはいたが、まだ完全に止めていたわけではなかったので、こうした感覚は自らの身にピリピリと刺さった。
ところが肉食をほぼ絶ってしまった今は、ことさら「動物の権利」なんてもっともらしい議論を持ち出すまでもなく、「毛皮なんて、カッコ悪いにもほどがある」と当たり前に思える。それどころか、革製のベルトや靴を身に付けることさえ、ちょっと複雑な気分になってしまっているほどだ。
Bob Dylan は 1966年、”Leopard-skin Pill-box Hat” という歌で、豹毛皮の縁なし帽をかぶる女性をずいぶん皮肉っぽく描写している。(当然ながら、「動物の権利」なんてこととはまったく別の話として)
私としては今後、毛皮ばかりでなく皮革製品も「カッコ悪い」と思われる世の中になると思っている。とりあえずは、レザー・コートやレザー・ジャケットなんて忌み嫌われていいし、レザー・バッグや革ベルト、革靴も、おいおい廃れていくべきだ。
何しろ肉を食わないライフスタイルが個人的にはすっかり定着してしまったので、レザー製品に関する「免罪符」みたいな論理も、効力を失って久しいのである。
というわけで、最近は革ベルトや革靴を購入していない。布製やフェイク・レザーで十分だ。
| 固定リンク
「ファッション・アクセサリ」カテゴリの記事
- 袖口の広い「オジサン半袖シャツ」が、まだまだ健在(2024.07.08)
- 夏はビジネスの場でも涼しげな格好をしたいもの(2024.07.02)
- 桂由美さん 追悼(2024.05.01)
- スコットランドのキルトって、すごいじゃないか!(2024.02.22)
- 服の色によって、汗ジミの目立ち方に差があるのだね(2023.07.14)
「自然・環境」カテゴリの記事
- 「ヘクソカズラ」とか「イヌフグリ」とか(2024.09.30)
- 2024年が最も暖かい年になる確率が 97% だそうだ(2024.09.18)
- 残暑は 10月中旬まで続くんだそうだ(2024.09.13)
- あと 1週間は、暑さに耐え続けなければならないようだ(2024.09.11)
コメント
毛皮は、一度「狐の尻尾マフラー」ってのに触ったことがあるくらいで、まったく身近にありません。
とっくりセーターで「首痒くなる」種族なので、たぶんムリです。
ワイシャツなしでスーツ上着着ても、チクチクしますからねぇ…。
「どこそこ産羽毛90%」の羽毛布団。
ラジオ番組の通販コーナーで、星が3つとか4つとか、管理された飼育環境下とか、品質の良さを挙げながら紹介。
方や、化学繊維を使った「羽毛もどき使用」のお布団紹介のときには、「羽毛を取ったら鳥は死ぬ。鳥の命を大切にしたいと言う意図もあり…。」とも紹介されていて、所業は無情だなぁと思う次第です。
ダウンジャケットやダウンベストなんかも、産地や等級を問わずで「羽毛」が使われているでしょうから、鳥の命は、食肉として利用されているならまだしも、処分されているだけなら残念ですねぇ。
「近隣大陸産だからリーズナブル」
なんてご意見は、もっと残念。
投稿: 乙痴庵 | 2021年12月 5日 11:26
乙痴庵 さん:
まさにおっしゃる通り。
我が家、20年以上前に購入した羽毛布団を使っていますが、「あるから、もったいないんで、使い続けます」というほかありません。
新たに買うなら、最近開発された「羽毛もどき」はいいらしいですね。
投稿: tak | 2021年12月 5日 11:55
らむね さん:
代用肉については、個人的には「肉そのもの」を食うことへの執着がなくなったので、「肉のような食感の食い物」も要らないということです。
肉っぽいものを食べたいという方が食うことまでは、別に否定しません。
フェイク・レザーに関しては、2009年 3月 15日の記事で、確かに合成皮革について否定的に書いています。
https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2009/03/34-512a.html
この記事のコメントとしては、次のようにも書いています。
>私は、靴、ベルト、財布など、スモール・アイテムだけは、レザーのものを使っています。それは、耐久性を考えてのことです。
>しかし、レザー・ジャンパーとか、レザー・ジャケットとか、レザー・コートを買う気は全然ありません。
>そして、その代替品として合皮のアイテムを買うという気は、もっとありません。
ただそれ以後、財布やベルトは、布帛製に鞍替えしました。
ただ、フォーマルな場でそれっぽいものが求められたりするので、靴やベルトは合成皮革でもしょうがないかなって感じです。
とはいえ実際には、だいぶ昔に買った黒の革靴とベルトが新品同様ということもあり、年に数回の結婚式や葬式では、これを使うしかないかなと思っています。
というわけで、私がクラリーノの靴やベルトを買うってことは、生きている間にはないかもしれませんね。
投稿: tak | 2021年12月 5日 23:51