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2021年12月29日

菅前首相の「いら立ちをあらわに」という話

文春オンラインに【「ルールを守ってください」と取材中、いら立ちをあらわに…菅義偉前首相に怒られた記者の “まっとう過ぎる言い分” 】というプチ鹿島氏の面白い記事がある。

211229

記事の要旨は、TBS ラジオの澤田大樹記者の質問に菅首相(当時)がまともに答えなかったため、重ねて質問したところ、菅氏がキレまくったということに触れ、そこから「この人(菅氏)は首相の座をナメていたのだろう」と思ったと話を進めている。それは私もかなり強く感じていたことだ。

プチ鹿島氏は「史上最強の官房長官だの仕事師だの言われて、『舞台裏で強いキャラ』のままで首相をできると勘違いしていたのだろう」と続けている。確かに、舞台裏と表舞台とでは、「使う筋肉」が全然違うからね。

私は今年の春から夏にかけ、菅首相の「言葉感覚のなさ」ということに関して、少なくとも 3本の記事を書いている。

菅首相の「言葉感覚」のなさに驚く (3月 12日付)
菅首相の「言葉感覚」のなさに、改めて驚く (3月 18日付)
原稿をちゃんと読めただけで、ニュースになっちゃう人 (8月 10日付)

とくに 3本目の記事の「追記」では、広島の原爆忌で原稿を読み飛ばしたことに関しての、「蛇腹原稿の糊がくっついていたので、事務方のミス」という言い訳が、実は「作り話」だったということにも触れている。自らの「言葉感覚のなさ」による大チョンボを、他人のせいにしようとしていたわけだ。

この人ほど「言葉感覚のない首相」というのを、私はこれまで見たことがない。首相の大きな役目は、言葉を使って政治の道筋や方向を説明し、指し示すことなのだから、それができないというのは致命傷だ。舞台裏で曰く言いがたい阿吽の呼吸のうちにコトを進めるのとは次元が違う。

そしてお得意の「阿吽の呼吸」が通じないと、今度はキレまくる。菅氏がかなり怒りっぽいというのはあちこちから聞こえてきた話だが、言葉で論理的に説明できないからこそ、しまいには怒ってみせて、無理筋の「阿吽の呼吸」を通すことになるのだろう。決して付き合いたくないタイプである。

そんなわけで、私は今年のうちに首相が交代してよかったと思っている。今の岸田首相がいいというわけでは決してないが、少なくとも言ってることの意味がわかるだけ、原稿の読み間違いや口跡の悪さで意味不明な箇所の多すぎた菅氏より多少はマシだ。

【12月 30日 追記】

菅氏の「言葉感覚のなさ」に関しては、決定的な記事を書いていたのを忘れていたので、付け足させていただく。「菅首相、相変わらず原稿をまともに読めないようだ」(8月 18日付)という記事だ。この人、意味が逆になるほどの読み間違いをしても自分で気付かないみたいなので、こんな風に書いている。

こうした読み間違いや言い間違いが伝えられる度に、「この人、自分が何を言ってるのかわからないまま、口だけ動かしてるな」と思ってしまう。ネットでも「まずは一度、原稿の中身を自分で理解してから発表するべき」というもっともな声があったと伝えられる。

やっぱり、表舞台では通用しない人だったのだね。

 

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コメント

菅氏は横浜市議時代に局長クラスの人事に「どういう理由で〇〇氏を局長にするのか」と介入しまくり、終いには菅氏にお伺いを立ててから人事を実行するようになったようです。

これもバックに故小此木彦三郎氏とその盟友である横浜のドンと呼ばれているF氏がいたからこそできたことです。

これに味をしめた菅氏は国政に参入してからも人事で支配してましたが、総理になったら勝手が違い一気に弱点が露呈したということですね。

優柔不断であることを言葉ではっきり表現するキッシーの方が幾分かマシのように思えてしまいます。

投稿: ハマッコー | 2021年12月29日 19:52

ハマッコー さん:

なるほど、そうしたバックグランドもあったわけですか。下らないことで味を占めたことが、後々になって頭の悪さが露呈してしまう要因になってしまったわけですね。

さらに、「ハマのドン」ともうまくいかなくなったようですし。

投稿: tak | 2021年12月29日 21:01

はじめまして。一連の菅前首相の記事、まったく同感なんですが…。
本日の記事で「菅」と「管」が混在していますね。私自身が「菅〇」姓なので、読んでいて気持ち悪さを感じました。
私もいまだに「萩」と「荻」の区別がはっきりできないので、非難する気持ちはないのですが、一応指摘しておきますね。

投稿: サイレントリーダー | 2021年12月30日 07:39

サイレントリーダー さん:

あっ、本当だ! ご指摘ありがとうございます。早速修正させていただきました。

何しろ近頃は、老眼鏡をかけても細かいところがよく見えなくなって、こうした重要なところでチョンボすることが増えてしまいました。今後は極力気をつけますので、よろしくお願いいたします。

投稿: tak | 2021年12月30日 08:14

早速の修正、いたみいります。
「菅」のつく姓の「あるある」で、手書き時代の年賀状ではかなりの割合で「管」になっていました。
一般名詞では「血管」「管理」「只管」など「管」がメインで、「菅」で思いつくのは「菅笠」くらい。
固有名詞(人名・地名)では「菅」がメインなようです。(「管」もないことはないようですが。)
口頭で名乗る際には「菅原道真」の「菅」です、草冠ですよ、と言うのですが、「菅義偉」の「菅」ですとは言いたくありません。表舞台から消えてくれてホッとしています。
記事の本題に無関係な話で申しわけありませんでした。

投稿: サイレントリーダー | 2021年12月30日 09:17

サイレントリーダー さん:

>一般名詞では「血管」「管理」「只管」など「管」がメインで、「菅」で思いつくのは「菅笠」くらい。
>固有名詞(人名・地名)では「菅」がメインなようです。(「管」もないことはないようですが。)

改めて考えてみると、本当にそうですね。今後気をつけるための勘所として心にとどめさせていただきます。

>「菅義偉」の「菅」ですとは言いたくありません。表舞台から消えてくれてホッとしています。

気持ち、わかります ^^;)

投稿: tak | 2021年12月30日 12:12

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