「アイ ハム ユー」って、一体どういう意味なんだよ?
近所のスーパーの店頭に「アイ ハム ユー。」という、ご丁寧に読点付きのコピーの伊藤ハムのポスターがでかでかと掲げられていて、私はそれが気になってしょうがない。見る度に「一体どういう意味なんだよ?」と、ちょっとイラついてしまうのである。
私はこんなような「わからない CM」みたいなものについては、よく「雰囲気のモノ」という言い方をするのだが、このポスターに至っては、その雰囲気すら滅茶苦茶な気がしてしまう。ついにたまらず、ググってみたら、伊藤ハムのサイトにこんなふうに書いてあった(参照)。
年齢を重ねるごとに強く実感する、「自分が想っている以上に、親は自分を想っている」という、親が子を思う気持ち。
そんな想いをもつ世代の方々に、親に想いを込めて「ハムギフトを贈る」という選択肢を「アイ ハム ユー」というメッセージとともに提案します。
伊藤ハムとしては「これでわかるよね」ということなのかもしれないが、いや、わからない。さっぱりわからない。
ところで私は大学でなまじ「第一文学部演劇学科」なんてところにいたものだから、芝居の世界に「ハム」という符牒があるのを知ってしまっている。「大袈裟な演技をしたがる大根役者」という意味だ。
で、今日の今日までこれは名詞としてしか使えないと思っていたのだが、ちょっと調べてみたら、動詞としての意味もあるようなのだ。コトバンクというサイトに、プログレッシブ英和中辞典(第4版)によるこんなような解説がある(参照)。
ham2
ということは「アイ ハム ユー」は、直訳すると「私はあなたを大げさに演じます」ってことになる。
ここは文脈に沿って無理矢理に意訳して、「自分が想っている以上に親は自分のことを想っているのだから、それに釣り合うように、親に大袈裟なギフトを贈る」というコンセプトなのだということで収めておくことにしよう。そのココロは「ことさらなまでに高いハムを贈れ」ってことなのかもしれない。
いずれにしても、私は肉は食わないから関係ないのだけどね。
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