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2022年1月15日

美容業界、理容業界の「雰囲気だけの横文字」

昨日あたり、"「腕ずく」で仕事する美容院が日本中に溢れてるので" という 9年近くも前の記事に妙にアクセスが集まっているので、どういうことかと調べてみたら、Quora の「語学学習者のノート」にこんな質問があり、それに続く入内島健さんという方の回答コメントで私の記事が紹介されているのだった。

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上の写真にある "kakimoto arms" というお店は、冒頭で紹介した ”「腕ずく」で仕事する〜” という記事にさらに 4年近く先立つ "「軍備」という名の美容院" で私が触れた、まさにその美容院である。質問者は通りかかる度に「ぎょっとする」のだそうだ。私の記事はこんな風な書き出しで始まる。

先日、青山骨董通りの裏道を歩いていると、 "Kakimoto Arms" という名前の店がある。武器マニアの店ではなく、美容院である。

なんでまた、美容院が「カキモト軍備」なんて名前なのかと思ったが、調べてみると、日本には「アーム」または「アームズ」という名の美容院が、かなり多いようなのだ。

言うまでもないことだが、英語の "arm" は「腕」で、複数形の "arms" になると「武器、軍備」という意味である。ヘミングウェイの『武器よさらば』の原題も "A Farewell to Arms" だ。

ところが日本では、「腕がいい」というような意味合いのつもりで、"arm" とか "arms" とかいう店名を付ける美容院が、やたらと多いみたいなのである。ちなみに「美容院 arm」の 2語でググると こんな具合で、本日時点で 760万件もヒットする。

ちなみに日本語の「腕」は、「腕がいい」とか言った場合には「技術/スキル」という意味を持つが、英語の "arm" にはそんな意味はなく、むしろ「腕ずく」というニュアンスになる。最初に紹介した記事のタイトルを "「腕ずく」で仕事する美容院・・・" としたのはそういうことだ。

「腕がいい」という意味のつもりで "arm" という英語を使うというのは煎じ詰めると、英語で電話する時は「もしもし」の代わりに「イフイフ」と言えばいいと思ってる小学生と、あまり変わらないメンタリティだよね。日本の美容業界って、かなり平和である。

そういえば最近も、この業界の店名に関して書いていた。昨年 11月 6日付の「"Cut House"(切られ家)と "Cut In"(割込床屋)」というエントリーである。

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美容院の店名に ”Cut House”(切られた家)、理容院の店名に "Cut in"(割り込む)というのがやたら増えていることに触れた記事である。どうやらこの業界って、単なる雰囲気だけで横文字の店名を付けたがる傾向があるようなのだね。

いや、この業界に限った話じゃないか。

 

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コメント

イフイフで爆笑しました。
予約の電話をかけて「イフイフ?」って言ってみたいですね(笑)

投稿: らむね | 2022年1月16日 02:54

らむね さん:

いやいや、昔は大人でも「イフイフ」で済むんだと思ってるのがいましたからね (^o^)

投稿: tak | 2022年1月16日 07:29

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