「土図尾座雷斎/土図尾座烈斎」という JR 用語
新幹線の車内アナウンスでの英語については、過去にも何度か触れたが、最近の記事では 2019年 5月 20日付「新幹線の英語アナウンスが肉声になったようだ」が挙げられる。この中では、こんな Twitter 画像を乗っけている。
新幹線の車掌さんの英語アナウンスで、"The doors on the right side will open" (右側のドアが開きます)が、どう聞いても「ザ ドズオザ ライツァイ ウィル オプン」に聞こえることに驚いてしまったのだ。
そしてこれが無駄に慣れたせいかさらに早口になり、「ドズオザ ライサイ ウィル オプン」になり、左側は「ドズオザ レッサイ」になっちゃってる。深層意識的には「こんなのどうせ意味ないから、できるだけ手早く済まそう」ってことなんじゃなかろうか。
今回は東京から熊本まで往復ともに新幹線を使って、何十回となくこれを聞かされたため、この異様な発音が完全に耳にこびりついてしまっただけでなく、脳内かな漢字変換を経て「怒図尾座雷斎」と「怒図尾座烈斎」として固定化されるに至っている。
「カタカナ英語」が「ひらがな英語」を超越して、「漢字英語」になってしまった。実際には「怒図尾座烈斎」の方がずっと多いので、かなりおどろおどろしいことになり、いずれにしてもまともな感じはしない。
今回は往復で少なくとも 6人以上の車掌さんのアナウンスを聞いたはずだが、1人を除いて、他は完璧に「怒図尾座雷斎/怒図尾座烈斎」だった。まさに「みんなで渡れば怖くない」式の定着である。
ちなみに残りの 1人は、「ザァ ドアーズ オンザァ ライト サイド ウイル オープン」という絵に描いたようなカタカナ英語だったことを付け加えておく。いずれにしても、これではフツーの欧米人には英語としてすら認識されず、単に日本語の流れとして聞き流されてると思う。
さらに言えば、どっちのドアが開くかなんてことはどうしても必要な情報ではなく、慣れない英語で伝えなければならないほどのことじゃない。実際には、停車駅で開いた方から降りればいいだけのことだからね。
というわけで「怒図尾座雷斎/怒図尾座烈斎」は、まったく無駄な努力の結果としか思われないのだった。
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コメント
土図尾座雷斎もどうやら消滅しそうです。
https://www.tetsudo.com/column/137/
あのドナバークさんの声はそのまま残してほしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=vzqlx9g5u2M
投稿: ハマッコー | 2022年1月12日 14:34
ハマッコー さん:
その情報は知りませんでした。
ただ、昨年 8月に決まったにしては、合成音声への移行は一向に進んでいない気がします。どうなってるんでしょうね。
投稿: tak | 2022年1月12日 22:20