喫煙者より禁煙者の方が高い、コロナ重症化リスク
NHK のサイトに「喫煙歴 コロナ重症化のリスク高 男性 1.51倍 女性 1.94倍にも」というニュースがある。文中の「喫煙が原因で引き起こされた病気のため、重症化リスクが高くなっている可能性がある」というのがさっぱりわからないが、いずれにしても喫煙歴は重要なファクターであるらしい。
この NHK ニュース、全体的に文章が曖昧でわかりにくいので他のソースを検索したところ、「喫煙中より禁煙者に高いコロナ重症化リスク…2万人以上の研究結果」というテレ朝のニュースが見つかった。化学工業日報も「NCGM、喫煙歴ありはコロナ重症化リスク高」と伝えている。
これら 2本の記事には、コロナの重症化リスクは「現在喫煙者」より「過去喫煙者」(つまり "禁煙者")方が高いということが明確に示してあり、恐縮ながら NHK ニュースより端的にわかりやすい。
ずっと煙草を吸い続けている人よりも、過去に吸っていて今は禁煙しているという人の方が感染リスクが高いというのは、かなり意外な話である。こんなことなら、「せっかく禁煙しようと思ってたんだけど、やっぱり吸い続けることにするわ!」という人が出てきてもおかしくない。
ちなみに私は、24歳の年の 10月まで 6年間ヘビー・スモーカーだったが、それ以来 46年近く 1本も吸ってない(参照:20歳前から吸ってたのは「時効」ね)。ということは、この半世紀近い年月についてどう考えたらいいのだ。このあたりのことを、テレ朝のニュースは次のように伝えている。
国立国際医療研究センターは「過去に喫煙していた人は併存疾患を抱えている率が高く、禁煙しても疾患が残るため重症化しやすい」と分析しています。
ということは、禁煙というのは多くの場合、何らかの病気がきっかけになっていると決めつけているのだろうか。私の場合はそんなことではなく、故郷の酒田大火をきっかけに「火事の原因になるような行為は止めようと」と決心して禁煙したので、「併存疾患」なんて抱えていないのだが。
そしてさらに、NHK ニュースには次のような記述もある。
一方で、現在たばこを吸っている人では、重症化リスクは統計的に有意な差はみられませんでしたが、将来的にはリスクが高まるおそれがあるとしています。
これは「現在喫煙中の人は、今は元気でもそのうちいろいろな疾患が出てくるから、覚悟しな!」という脅し文句に聞こえるよね。このあたりのことって、ニュースの字面だけではよくわからない話である。
いずれにしても私としては、「コロナに罹りたくないから、タバコを再開して『喫煙者』に戻ろう」なんて夢にも思わないので、そのあたりどうぞ
【注】 文中の化学工業日報の見出しにある "NCGM" は、「国立国際医療研究センター」(National Center for Global Health and Medicine)のこと。
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