アベノマスクは「金食い虫」
西日本新聞に本日付で「アベノマスク配送料 10億円? 廃棄なら 6千万円 政府試算」という記事がある。アベノマスクというのは、どうこうにもにもかなりの「金食い虫」のようなのだ。
記事は次のように書かれている。
政府の新型コロナウイルス対策で約 8000万枚の大量在庫が問題になった布製「アベノマスク」について、配布希望の殺到により、配送料が 10億円に上るとの試算があることが 1日、政府関係者への取材で分かった。配布せずに全て廃棄した場合は 6000万円程度の費用で済んだとみられる。
政府関係者は「日本人的な感覚では『廃棄の方が安いから捨てよう』とはならない。ちゃんと使ってもらえれば経済効果もある」と主張しているという。しかしこんなちっちゃいマスクを「ちゃんと使う」ことによる経済効果ってどんなものなのか、具体的に説明してもらいたいものだ。
このアベノマスクというもの、我が家にも一昨年の 6月 5日に届いたが、その翌日の記事に「実際に使おうという気になれない」と書いている(参照)。当時のアンケートでも 75%以上が使わないと答えていたようだし、我が家でもあれからずっと、引き出しの奥にしまいっぱなしだ。
ずいぶん無駄なことをしたものだが、さらにまだ大量の在庫があって保管料が馬鹿にならないと報じられたのは記憶に新しい。この批判を避けるために改めて配布希望を募ったところ、2億 8000万枚の希望があったという。
これに関しては、やはり西日本新聞の 1月 29日付の記事によると、応募できるのは「介護施設等」「自治体」「個人」となっているようだ(参照)。ざっくばらんに言えば。「誰でもいいからもらってくれ」と呼びかけたわけなのだね。
世の中、「タダでもらえるモノなら何でももらっとこう」という人が多いのかとも思ったが、記事によると希望枚数が自動的に水増しされて登録されるらしいから、本当に 2億 8000万枚もの希望があったのかどうかはわからない。ただ、下手に念入りに調べたらさらに金がかかるだろうから、もういいけど。
いずれにしても結論は、「アベノマスク」の配布は「余計なお世話」だったばかりでなく、後々になるまで「金食い虫」として結構な無駄遣いにつながったということだ。
【参照記事】
「アベノマスク」という愚策をやってしまう体質(2020年 8月 26日付)
政府の愚策エビデンスとしての「アベノマスク」 (2021年 12月 22日付)
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コメント
使うことによる経済効果って何だろうと私も思いました。
廃棄の方が9億円以上安く上がるなら廃棄すべきでしょう。
廃棄も勿体ないが10億円を使う方がもっと勿体ない。
廃棄して浮いた9億円強を医療従事者に配るとなるとその事務費も数億になると思われるので、結局廃棄だけしてあとは何もしないのが一番良いということになる。
お金やモノを配るというのは本当に難儀なことだ。
投稿: ハマッコー | 2022年2月 3日 02:43
ハマッコー さん:
>廃棄も勿体ないが10億円を使う方がもっと勿体ない。
私もそう思います。
そもそもの話として、こんなことに政府がしゃしゃり出たことが間違いの元だったんですよね。
投稿: tak | 2022年2月 3日 09:25
配布に10億円って、たぶん実際には2億円くらいで済むんじゃないでしょうか。残り8億円は中抜きってことで。
投稿: 山辺響 | 2022年2月 3日 11:21
山辺響 さん:
その疑いも濃厚ですね。
このあたりは魑魅魍魎ですから。
投稿: tak | 2022年2月 3日 13:32