« 「膳」と「ちゃぶ台」と「ステテコ」を巡る冒険 | トップページ | NO WAR IN UKRAINE! »

2022年2月25日

「マイコン」と「ワープロ」と「パソコン」

Daily Potal Z にライター&イラストレーターの 北村ヂン さんが「約 40年前のマイコンを買ったけど、何に使ったらいいか頭を抱えた」という記事を書いている。

220225

機種は NEC の PC-6001mkII のようで、Wikipedia には「1983年 7月 1日に発売された、PC-6001の上位互換の後継機」とある(参照)から、正確には「40年前」じゃなく、39年前のようだが。ちなみにマイクロソフトが「日本語 MS-DOS」を供給し始めたのがこの 1983年だった(参照)。

ただ、この PC-6001mkII というのは、後に日本の「パソコン」の代名詞みたいになった PC-9800 シリーズとは違い、MS-DOS ではなく、独自 OS で動くものだったようだ。いわゆる「マイコン」から「パソコン」に移る分水嶺の一歩手前の代物と言っていいだろう。

北村さんはこの「マイコン」と向き合って、「今の Mac や Windows とはまったく違う、人間に優しくない使い勝手で頭を抱えました」と書かれている。今からほんの 30年数前までは、PC の世界は「西部開拓時代」みたいなものだったわけだ。

そしてこの頃 30代に突入したばかりの私はといえば、なんと、まだデジタルの世界に足を踏み入れていなかったのである。当時の私は英文で記事を書くなんて仕事をしていたので、会社では「タイプライター」を使っていた。辛うじて電動式だったが。

ただ、さすがにこれにはうんざりしてしまい、1987年頃にようやく「ワープロ」というものを買った。富士通の OASYS Lite From7 という機種で、下の写真のように今見るとほとんど骨董品だが、アナログの「タイプライター」と比べたら天国みたいに便利に感じたものだ。

2202253

ただ当時、まだ日本社会はデジタル機器にほとんど理解がなく、会社は買ってくれなかったので自腹で誂えた。私はもっぱら英文を作成するために「日本語ワープロ」を買った(「パソコン」よりずっと安かったので)という、世にも珍しい種族だった。

その後、Winsows 3.1 が日本でも使えるようになったのをきっかけに、1993年頃ついに PC に乗り換えた。この頃、私は既に 40歳で、今なら「何て遅い PC デビュー!」なんて言われそうだが、「当時の 40代のオッサンにしては、かなりススんでたんだ!」と言わせてもらう。

日本のフツーのオフィスで「各自のデスクの上に PC が乗っかってる」という光景が当然になったのは、Windows XP がリリースされた 2001年を過ぎてからのことだと思う。それまでは「手書きと FAX」に頼るアナログな世界だったのだ。

北村さんの記事をきっかけにして、自分がさながら「生きた歴史」であることに気付いたよ。今 40代後半の「団塊の世代ジュニア」は、20代頃からフツーにインターネットを使ってきただろうが、その親の「団塊の世代」にデジタル音痴が多いのは、無理もない話のようだ。

 

|

« 「膳」と「ちゃぶ台」と「ステテコ」を巡る冒険 | トップページ | NO WAR IN UKRAINE! »

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

コメント

記事終盤の部分に、ちょっと訂正コメントを。

>今 40代後半の「団塊の世代ジュニア」は、物心ついた頃からフツーにインターネットを使ってきただろう…

日本で一般的にインターネット接続が始まったのが、1994年頃なので、1974年生まれの47歳の私が初めてインターネットに触れたのも20歳頃のことでした。
この頃はまだダイヤルアップ接続で、Windows95登場の前夜でしたので、使っているのは私のようなIT系職種やいわゆるマニアの人たちが主でした。
その後、96年頃にYahoo!JAPAN、99年頃にADSL開始なので、この頃産まれた世代(今の20代~30代前半)あたりが、物心ついた頃から普通に…という世代だと思われます。

そう考えると、常時接続環境でインターネットを普通に使うようになったのって、まだ20年強といったところなんですよね。改めて振り返って、時代の変化って早いんだなと痛感したところです。

投稿: もりけん | 2022年2月28日 02:03

もりけん さん:

訂正、ありがとうございます。

そういえばそうですよね。ウチの娘たちは「団塊の世代ジュニアの尻尾」みたいな年代ですが、高校時代はガラケーでしたものね。

本文の「物心ついた頃から云々」も訂正させていただきます。

Wifi での常時接続が当たり前になったのは、今世紀になってからみたいですね。

投稿: tak | 2022年2月28日 18:27

ワードプロセッサーを略してワープロ。

フードプロセッサーを略してフープロ。
とは言わないのに納得いかん。

(ボケ担当)

投稿: 乙痴庵 | 2022年2月28日 20:53

乙痴庵 さん:

恥ずかしながら、「フードプロセッサー」って、どういうものだか知りませんでした。

ググってみて、「あれ、これならウチにもあったな」と思いました。すぐに壊れてしまって、今は使ってませんけどね ^^;)

投稿: tak | 2022年2月28日 21:12

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「膳」と「ちゃぶ台」と「ステテコ」を巡る冒険 | トップページ | NO WAR IN UKRAINE! »