世界は「プーチン一人を悪者にする」ことを望んでいる
New York Times 日本版が 昨日付の "3日食事なく「俺たちは捨て駒」と嘆き...補給を絶たれた前線のロシア兵の映像" という記事で、ウクライナ前線のロシア兵の窮状を伝えている。
この記事は、ロシア兵によって YouTube に投稿された「意気消沈するロシア兵たち」というタイトルの動画を紹介している。彼らは荒れ果てた街外れのようなところで所在なげにうろうろしているほかないようで、食糧補給も途絶え、3日間何も食べていないという。
記事には次のようにある。
「我々は、国境を越えるための迎えを待っている。連れて帰ってくれる、と3日間にわたって言われ続けてきたのだが、誰も連れて帰ってくれない」と、動画の中でロシア兵は語る。
(中略)動画のなかで撮影者は、「自分たちの足はずぶぬれ」で、「どうしたらいいかわからない」と話している。
どうやらロシア軍兵士たちの士気はかなり下がっているようだ。
さらにその前日には、"ロシア軍「衝撃の弱さ」と核使用の恐怖──戦略の練り直しを迫られるアメリカ" という記事まであり、冒頭はこんな具合に始まっている。
<ウクライナ侵攻の最初の3日間でわかったことは、ロシア軍が西側の脅威にはなりえないほど弱かったことだ。しかしそれは同時に、プーチンを追い詰め過ぎると本当に核兵器を使いかねない恐怖と隣り合わせになったということだ>
戦闘開始からわずか 1日でロシアの地上軍は勢いを失ったが、それは物資の補給がままならないだけでなく、軍の訓練や指導が不十分だったことにもよるとされる。ロシア軍は戦争を始めるにはもろに準備不足だったわけで、プーチンはそれをまったく認識していなかったようだ。記事は次のように続く。
プーチンは核兵器を使う可能性をちらつかせて脅したが、これはロシア軍の通常戦力が地上における迅速な侵攻に失敗したからこその反応だと、アメリカの軍事専門家は指摘する。
プーチンは国外から大きな批判を浴びているだけでなく、国内でも信頼を失いかけて、袋小路に追い詰められているようなのだ。この状況を打開するために核兵器を使うとしたら、それは愚かすぎる選択になる。
ここまでくると世界は、「プーチン一人を悪者にする」ことで決着を望んでいるようなのである。米国としても、彼を上手に抹殺した上で次の指導者を手なずけるというのが最高のストーリーになる。
要するにプーチンは、とんでもない誤りをおかしてしまったわけだ。
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コメント
SNS等で流れてくる映像は、一部ホントかどうか分からないところがあり、決して鵜呑みにしたらアカン!とは思います。
でも、「投降したロシア兵にあたたかい紅茶と、兵士の家族へ連絡するための電話機を提供するウクライナの人々。」って映像を見たときは涙が出ました。
ウソかホントかそんなことはどーでも良くって、「戦争はバカなことばかり!」って、裏地見るオッサンに伝われ!
投稿: 乙痴庵 | 2022年3月 6日 13:11
乙痴庵 さん:
>SNS等で流れてくる映像は、一部ホントかどうか分からないところがあり、決して鵜呑みにしたらアカン!とは思います。
これは、まさにその通りですね。
ただ、ウソか本当かわからないこうした情報が乱れ飛び、米国がこれ幸いとそれを利用して、「悪いのは個人としてのプーチン!」という情報操作をしているのは確かだと思うわけです。
まさに、「戦争では誰も勝たない」のでありますね。
投稿: tak | 2022年3月 6日 14:29