新入生の制服が入学式に間に合わないという話
スラドに「新入生の制服が入学式に間に合わず」という記事があるので、「一体どういうこと?」と思いつつリンク先の東京商工リサーチの記事に飛んで読んでみたが、「どういうこと?」感はますます強まってしまった。
よくよく記事を読んでみれば、ムサシノ商店という学生服の製造販売会社が、キャパを超えた受注を取ってしまった結果、学校の入学式までに制服を届けられない状態に陥ってしまっているらしい。また、届いた制服がサイズ違いで着られないというケースも多いという。それだけのことだ。
チョンボといえばチョンボだが、命に関わる大問題でもなんでもない。単に、このムサシノ商店という会社の信用がガタ落ちになったというだけのことだろう。
要するに制服がないなら仕方がない。届くまでは私服で登校すればいいだけの話だと思うのである。スラドの記事にも、「東京都教育委員会では、当面の間中学の制服や私服での登校を認める措置をとっている」とある。
教育委員会のお墨付きがあるんだから、堂々と私服で行けばいいじゃないかと思うのだが、それがなかなか割り切れないことになっているようだ。「入学式に新しい制服が着られないのはかわいそう」みたいな話が、ネット上で飛び交っているらしい。
この話を読んで、私は自分の半世紀以上も前の経験を思い出してしまった。小学校を卒業して、中学入学直前のオリエンテーションに参加したときの話である。
このオリエンテーションは進学する中学校で行われたのだが、通知には「服装自由」と書いてあったので、私は軽い気持ちで私服で参加した。制服なんて大嫌いだし、そもそも入学前でもあったのだから当然の話である。
ところが当日集まった同級生たちは、ほとんどがもっともらしく制服を着ているじゃないか。私は「はあ!?」と驚いてしまった。
さらに驚いたのは、オリエンテーションを先導した中学教師(私が一番嫌いだった、生活指導主任の A)の、開口一番のセリフだ。「いくら服装は自由と書いてあっても、中学校に来るのだから、制服を着るのが当然と思わなければならない」なんて言うのである。
おいおい、そりゃないだろう。だったら初めから「制服着用」と明記すればいいじゃないか。これじゃだまし討ちよりも酷い。
これはもう、「踏み絵」みたいなものである。中学校って、そういう卑劣なところだったのか。私の学校不信はこの瞬間に決定的なものとなって、卒業までさらに増幅しながら続いた。
というわけで、この国では制服ってかなり大きなマターのようなのだね。恐縮だが、個人的には理解の範疇を越えているとしか言いようがない。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 『さるかに合戦』の不条理と「雰囲気のもの」(2023.12.04)
- ディズニーランドって、ちょっと特別な場所なのかも(2023.11.28)
- スタッドレスタイヤが要らなくなれば、ありがたいが(2023.11.24)
- 「東海道・山陽・九州新幹線でも喫煙ルーム廃止」歓迎!(2023.10.18)
- 明日から、急に忙しくなってしまうので・・・(2023.10.06)
コメント
私もかなりの「教師不信(特に小中学校の)」です。中には生徒・保護者から全幅の信頼を寄せられる先生もゼロではないですが、それはごくごく稀だと思っています。
知人が「でもしか先生」と表現している意味を後で知って、妙に納得した覚えがあります。
投稿: K.N | 2022年4月 9日 02:40
K.N さん:
聞けば、教師というのもかなりの重労働ではあるようです。部活の指導や進学指導の資料作りなどで夜遅くまでかかるのは日常茶飯事で、残業代も付かないことが多いとか。
ただ、余計なこと(制服やどうでもいい規則の強制など)で時間を無駄遣いしているとしか思われないこともあるので、「そりゃ、自分で考えれば、かなり楽になるでしょ」と言いたくもなりますね。
部活の指導に関しては、自分の好きなことなので夢中になってるみたいなところもあるし。
要するに、まともにものを考えてないんじゃないでしょうかね。髪の長さを定規で測ったり、女子生徒の下着の色まで検査する暇があったら、もう少し業務改善を考えればいいのに。
投稿: tak | 2022年4月 9日 10:49