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2022年4月 7日

桃太郎の歌には 2種類あって…

このブログの人気記事に、"童謡『桃太郎』の歌詞が、最近変わったらしい" というのがあって、結構なアクセスを集めている。もう 8年近く前に書いたものだ。

220407

ただ、今日の記事ではこの件を蒸し返したいわけじゃなく、『桃太郎』の歌にはもう一つあるということに触れてみたいのである。「♫ 桃から生まれた桃太郎、気は優しくて力持ち〜」という歌詞で始まるものだ。

ちょっと調べてみたところ、こちらの方が古いらしい。こんな感じである。

  • 「♫ 桃から生まれた桃太郎、気は優しくて力持ち〜」の方
    作詞:田辺友三郎、作曲:納所弁次郎
    初出:1900年(明治 33年)「幼年唱歌(初の上)」(参照

  • 「♫ 桃太郎さん桃太郎さん お腰につけた黍団子〜」の方
    作詞者 不詳、岡野貞一 作曲
    初出: 
    1911年(明治 44年)5月の『尋常小学唱歌(一)』(参照

というわけで、「♫ 桃から生まれた桃太郎〜」の方が 11年も前に発表されているのだが、世間的には「♫ お腰につけた黍団子〜 」の方がずっと知られている。私の妻も、古い方は聞いたこともないなんて、すげないことを言っている。

ただ、すげないという点に関しては私も妻を責められない。というのは、私も「♫ 桃から生まれた桃太郎、気は優しくて力持ち〜」以下の歌詞をちっとも知らないのである。

自分で歌うといつも、「♫ 桃から生まれた桃太郎、気は優しくて力持ち〜 向こうの山のふもとまで、どちらが先に駈けつくか〜」となり、「ありゃ、いつの間にか『うさぎとかめ』に変わっちまった」なんて思ってしまうのである。「もしもしかめよ、かめさんよ〜」の、いわゆる『もしかめ』だ。

ただ、今回改めて YouTube で古い方の『桃太郎』を探し出して聞いてみたところ、いつも『もしかめ』になってしまうのは無理もないこととわかった。何しろ、メロディがそっくりなのである。こんな感じだ。

今だったら「盗作」と言われかねないほどだが、『もしかめ』の方も調べてみると作曲は同じ納所弁次郎で、初出は『ももたろう』の翌年、1901年(明治 34年)の『幼年唱歌 二編上巻』 だそうだ(参照)。自分で同じようなメロディを使い回しちゃったみたいなのである。引き出しが少なかったのかなあ。

それにしても、昔の童謡の歌詞って、ビミョーにというか、露骨にというか、軍国趣味なのが多いよね。

 

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音楽」カテゴリの記事

コメント

こういう唱歌って歌詞が七五調なのが多いので、メロディも似ちゃうんでしょうね。桃太郎の歌は恥ずかしながら「もーもたろさんももたろさん」のほうしか知りませんでした。

>それにしても、昔の童謡の歌詞って、ビミョーにというか、露骨にというか、軍国趣味なのが多いよね。

時代でしょうねえ。
話ちょっとそれますが、正露丸は元は征露丸で、「露西亜を征伐せよ」から来てるって知ってました?私は衝撃を受けました。

投稿: らむね | 2022年4月 7日 21:24

らむね さん:

「征露丸」という商標のパッケージが、実家にあったのを覚えてます。戦前に買ったのがずっと残ってたんでしょうね。

私はそのせいで、ずっと「正露丸」という名称の方を知らなかったほどです。

ずいぶん年を感じさせる話です。私もこの夏、古希になりますので (^o^)

投稿: tak | 2022年4月 8日 00:02

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