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2022年5月31日

Pixiv って会社だけの問題じゃないんだろうけど

Pixiv(ピクシブ)というイラストコミュニケーション・サービスの会社が、ちょっと大変なことになっているようだ。そもそもの発端は、同社のトランスジェンダー女性が上司からセクハラを受けたこと(参照)のようだが、これが知れ渡って炎上し、この会社のサービスの退会者が続出しているという(参照)。

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そもそも私はイラストコミュニケーション・サービスというのがどういうものか仔細には知らないのだが、まあ、「柔らかめ」の分野のサービスではあるらしい。ただ、いくら「柔らかめ」とは言っても今回のニュースはちょっとね。

記事によれば、コトの経緯はこんなことのようだ。

2018年 4月にデザイナーとして入社した当日、歓迎会で同社執行役員の男性上司から腰に手を回された上で、原告の性自認(性同一性)や、これまでの男性・女性との性的経験などについて聞かれ、わいせつな言葉もかけられた。

別の機会には「キャバ嬢にしか見えない」「ハプニングバー通いしてそうな顔だ」などと性的な発言も投げかけられた。

2018年夏ごろには、男性上司から原告に対してセクハラについての謝罪があったが、「男だから平気だと思った」「これからはお前を一人の女性として見る」などと言われるなど、性同一性について理解を欠く内容だった。

謝罪後も、手を握られた上で性的な質問をする、原告の陰部に顔を押し当てられるなどのセクハラは続いた。

「おいおい、いい加減にしろよ!」と言いたくなってしまうじゃないか。この上司、職場と風俗店との区別が付いてない。

記事の見出しにもなってるように、「男だから平気だと思った」なんて言ったようだが、そもそもの話として、おっさんに腰に手を回されてぞっとするのに男も女もないよね。こいつ、頭とセンスが悪すぎるだけじゃなく、ほとんどビョーキのレベルだ。

こんなのを執行役員なんて地位に就かせる会社だけに、当初の対応もいい加減なもので、記事にはこんなふうにある。

原告は「周りにも同様の被害を受けている女性がいて、(会社に)一緒に相談したが、生来の女性と私に対するセクハラでは『重みが違う』と言われ、本当に悔しい思いをした」と会社の取り扱いを批判。

この会社、元社長のアイドルへのセクハラ事件なんてのも取り沙汰されている(参照)ほどだから、こんな対応しかできなかったのだね。そして昨日になってようやく、自社のサイトで「弊社におけるハラスメントに関する報道について」という文書を発表した。こんな具合である。

一連の報道にありました、弊社従業員によるハラスメント行為があったこと、およびハラスメントを行った当該従業員を懲戒処分したことについては事実となります。

書いた担当者はちょっと日本語が不自由なんだろう。「事実となります」という言い方には「一体、いつなるんだ?」とツッコみたくなり、ついでに社全体のレベルも知れる。

いずれにしても、同じようなことは Pixiv だけでなくいろいろな企業で起きているのだろう。「ゴキブリを 1匹見たら、100匹いると思え」というほどだからね。

個人的には LGBT の友人や知り合いは何人もいる(ゲイが多いんだけど)が、とくにどうということもなく、ごくフツーに付き合っている。日本の世の中って、LGBT との「フツーの付き合い方」を知らない人間が多いみたいな気がするのだが、要するに「フツーに付き合えばいい」ってことなのにね。

【付記】

この会社が運営しているらしい「ピクシブ百科事典」というサイトでは、「セクハラ」という項目に次のようにある。

昭和の日本までは存在すらしなかった概念。
1989年流行語大賞に選ばれてから「そんなものが世に存在するとは」と日本人男性が初めて知ることになったハラスメント行為のこと。
このため特に昭和世代のオッサンたち(特に昭和漫画を読んで育ったオッサンたち)は、一体どこからがこのセクハラにあたるのかの想像すらつかない人が多く、令和になってもナチュラルに職場で女性社員にスリーサイズや男性経験を聞くなどして、気づかぬままセクハラ親父と化している。

なるほど、この会社は 2007年創業とのことだが、上層部は「昭和世代のオッサンたち」なのだね。元社長というのは昭和の末の生まれとはいえ、きっとマセてて、昭和のマンガを愛読してたのだろう。

 

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コメント

時代劇で習ったことですが、「商い物と商い道具にゃぁ、手を出しちゃいけねぇ。」と、女衒の人が言ってました。

しかしまぁなんですねぇ。
ジェンダーがどうのこうのを申し上げる立場ではありませんが、下心を顕在化させて仕事をなさるなんて、女衒の親分に斬られちまうぜ。

ああ、親分からして商売道具に手w(以下当局規制)

投稿: 乙痴庵 | 2022年5月31日 18:57

乙痴庵 さん:

「商売道具」という言葉には語弊があるかもしれませんが、硬いことは抜きにして、正直、笑わせてもらいました。

失礼 ^^;)

投稿: tak | 2022年5月31日 21:03

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