「桜を見る会」と、サントリーと、『四谷怪談』と
「桜を見る会」にサントリーが 2016年から 2019年までの 4年間にわたって「酒を無償提供」していたという。2019年が最後となったのは、この年に 森友学園問題、加計学園問題と合わせて「モリカケサクラ」なんて言われて政治問題化し、以後は行われなかったからというだけである。
このニュースを聞いて「もうサントリー製品なんて買うものか!」と思ってしまったが、実際には近頃、酒をほとんど飲まないし、たまに飲んでも日本酒ばかりで洋酒はほとんど飲まないから、個人的には日常生活に影響なしである。「伊右衛門」なんてお茶も飲まないし。
この問題がクローズアップされたのは、日本共産党の 5月 29日付『赤旗日曜版』のスクープによるもののようだ(参照)。日曜版編集部が東京地検で前夜祭をめぐる事件の記録を閲覧し、サントリーが酒類を大量提供した事実を突き止めたのだという。
日本共産党って、時々は結構いい仕事するよね。上の画像からもリンクされる TBS ニュースはこの件に関し、次のように伝えている(参照)。
サントリーは無償提供の経緯について「会の開催は安倍議員事務所から教えてもらった。多くの方が集まる会だと聞き、自社製品を知ってもらう良い機会と考えて無償で協賛した」と説明しています。
このサントリーのコメントのポイントは 2つ。
1つめは、会の開催を「安倍議員事務所から教えてもらった」(「議員」なんてさりげなく言ってるけど、実は時の首相)と言うが、こんなのはわざわざ教えてもらわなくても知れたことである。そのココロは要するに、「首相サイドから酒類の無償提供を打診された」のだと読み取れる。
2つめの「自社製品を知ってもらう良い機会」なんてのは、今どきの日本人の大人でサントリーの製品を知らない人はいないのだから、言い訳にもならない。よくまあこんな寝言をもっともらしく言えるもので、結果的には「自社の劣化を知ってもらう機会」になってしまった。
そもそも 2014年にサントリーの社長に就任した新浪剛史氏は「アベ友」として知られる(参照)人物で、こうしたことからも安倍晋三の「おともだち政治」が明白に窺われる。
というわけで、安倍晋三の政治姿勢に批判的な人は、サントリーのウィスキーやビールなんて(おっと、「伊右衛門」なんてお茶も)飲まない方が夢見がいいんじゃなかろうか。
最後に、本日のタイトルの "「桜を見る会」と、サントリーと、『四谷怪談』と" というタイトルの種明かしをする。
私が「伊右衛門」を飲まないのは、歌舞伎『東海道四谷怪談』のお岩さんを殺した亭主の名が「民谷伊右衛門」で、「恨めしや、伊右衛門殿〜」というのは、個人的にはお茶を飲んでリラックスしたい時に思い出したいようなセリフじゃないというのが理由ということなので、どうでもいい話だが
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コメント
サントリー(の販売子会社さん)は、「おつまみなどご用意いただけるのなら、セミナーと言う形で、酒類提供しますよ。」と言う営業活動がありました。(今は知らん)
社員食堂があって、数十名集まれる状況であれば、そこで「こうやってのんでね!」的な、歴史や注ぎ方などをレクチャーしながら自社製品をアッピールする。
その延長なのか、それとも「お友だち式」なのかは、知る由もありません。
投稿: 乙痴庵 | 2022年6月 1日 19:45
乙痴庵 さん:
へえ、サントリーって、そんな営業活動をしていたんですか。
ただ、民間企業向けのセミナー(的なもの?)と、政治色の濃い集まりへの酒類提供は、わけが違うというほかないですね。
投稿: tak | 2022年6月 1日 21:39
>結果的には「自社の劣化を知ってもらう機会」になってしまった。
会社も劣化、伊右衛門茶も劣化したと思います。最近のこの製品、緑色に拘ってグレードアップしたと宣伝してますが、風味はグレードダウンしたと私は感じます。好みは人それぞれで、あくまで個人の意見ですが、前の方が緑茶の香り・味がしっかりしていました。「濃い味」も出していますが、こちらはただ高温で淹れた緑茶のように、苦みが強いだけで旨味が感じられません。そもそもペット茶のようにある程度の長期保存が求められる製品に、急須で湯温に気を付けて入れたデリケートな緑色を求める方が無理というものです。何を考えてリニューアルしたのか疑問です。なので、この製品一切買っていません。
企業にさりげなく(又は単刀直入に)おねだりするのは自治体などお役人の集まりでは日常茶飯事のようですが、〇〇元首相のような、お金に全く不自由していない方でもこんなことをされるんですね。嫌悪感しか感じません。
投稿: K.N | 2022年6月 2日 00:07
K.N さん:
伊右衛門って、そんなことがあったんですか。
消費者はそんなの一向に気にしてないのに、供給側の一方的な自己満足みたいなもので、結果的には空振り、あるいは逆効果になってしまうことって、ありますよね。
それから、企業へのおねだりって案外よく聞きますが、公共の利益になるような商品提供や、災害避難者への食料提供とかならわかりますが、「桜を見る会」のようなことで酒類の提供なんて、ほとんど賄賂としか思えません。
投稿: tak | 2022年6月 2日 12:11
サントリーという会社は株式上場してないので、一般株主がいない。その為自由奔放、悪く言えばタガが緩んでいる。
30年くらい前にサントリー会長の「熊襲」発言がありましたね。東北は文化レヴェルが低いとボロカスにけなしました。
東北人を怒らせましたが当初は謝罪もしませんでした。しかし東北での営業に無視できない影響があり最終的に東北謝罪の旅に出ることになりました。つまり見せかけの謝罪でした。
安倍さん側からお酒提供してよと言われて貸を作れるとホイホイ喜んで出しちゃった。賄賂そのものです。
今回は日本共産党のファインプレーです。
投稿: ハマッコー | 2022年6月 2日 18:59
ハマッコー さん:
そう言えば、そんなことがありましたね。
東北出身の私としては当時、「熊襲は九州で、東北は蝦夷(えみし)。そんなことも知らない馬鹿野郎に「文化レベル」をどうこう言われる筋合いはない」と言ってました。
(なお、「熊襲」と「蝦夷」は、差別的な意図で使っているわけではありません。なにしろ、自分自身が「蝦夷」ですから)
あの頃からブログをやってたら、佐治敬三の文化レベルの低さについて、メチャクチャ書いていたと思います (^o^)
ちなみに、あの発言を機に、サントリーを遠ざけてニッカを飲むようになったことを思い出しました。(今は両方飲みませんが ^^;)
投稿: tak | 2022年6月 2日 20:03