飛行機の主翼の「この外側を歩くな」という謎の文字
仕事で伊予の松山に来ている。ANA に乗ってきたのだが、羽田から出発の時、「使用予定だった飛行機が整備不良」ということで搭乗ゲート変更となり、出発直前になって空港第 2ビルの端から端まで歩かされてしまったよ。
そんなわけで離陸が 30分ほど遅れたのだが、整備不良の飛行機に乗せられるよりはずっとマシなので、よしとしておこう。ところが、ああ、なんと主翼の真上の席である。これじゃ下界が見えず、窓際を希望した意味がない。それでもまあ、無事に松山空港に着いたのだから、これもまたよしとしておこう。
で、今回の話題は、主翼の上に謎の英語の文字が書かれているのに気付いたということだ。上の写真では小さ過ぎてわからないので、下に文字部分の拡大写真を載せておく。
大文字で ”DO NOT WALK OUTSIDE THIS AREA" (この領域の外側を歩くな)とある。しかも両方向から読めるように、ご丁寧なことに向きを変えて 2行書かれているのだ。「こりゃ、一体何だ?」と思ってしまうじゃないか。こんな注意書きなんてなくても、そんなところは元々歩こうったって歩けないし。
気になってしょうがないのでググってみたのだが、それについて説明された日本語ページは全く見当たらず、Quora の英語版にようやく見つかった(参照)。Robert Barke さんという方の説明である。
この注意書きはほとんどの場合、ライン(線)と一緒に書かれているという。なるほど、それは確かに、上の 2枚の写真を見てもその通りだ。そしてこの注意書きは、「線の外側を歩くな」という意味のようなのだ。
なるほど、上の写真を見ればわかるように、線の後ろ側はズラリとフラップが並んでいる。この部分は上からの重みに耐えるほどの補強はされていないので、整備などでこの上を歩かれたりしたら、故障や破損につながりかねないというのである。
つまりこの注意書きは「フラップの上を歩くな」ということに他ならないわけだ。いやはや、モノは調べてみるものである。景色の見えない主翼の上に座ったおかげで、思いがけなく一つ賢くなってしまったよ。
それにしても、今日搭乗予定だった飛行機は、作業員がよろけて線の外側を思いっきり踏んづけちゃったなんてことじゃないだろうな。
【追記】
”Do Not Walk Outside This Area" という Fish の曲があるが、これを聞いても「飛行機ではキャビン(客室)にいて、カーゴ(荷物室)には行くな」と言っているだけなので、わけがわからないよね。セリフの部分はさらにシュールで、全体を通してもご機嫌な曲ではあるけど。
【さらに 6月 15日 追記】
羽田に戻る飛行機では、この時より 2列後ろの窓際の席で離着陸の際のフラップの上がり下がりがよく見えたので、15日付の和歌ログの題材にした (参照)
なるほど、薄いものである。この薄さを知ってしまうと、この上を歩く気には到底なれない。
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コメント
>なるほど、薄いものである。
写真で下向きに展開しているのが フラップ(揚力増大装置)で 上向きに跳ね上がっているのがスポイラー(空力ブレーキ)だと思います。
薄く見えますが 飛行機(350t)に大きな力を加えるための装置ですから それなりに丈夫に作ってあるはずです。
とはいえ 局所的な荷重には弱く、損傷の <強調>可能性</強調> があるので DO NOT WALK なんでしょうね。
上に乗りたい欲望に負けたときは スキー板でも履いて乗るようにしましょう。(ハイヒールは禁止)
投稿: Sam.Y | 2022年6月20日 16:45
Sam.Y さん:
>写真で下向きに展開しているのが フラップ(揚力増大装置)で 上向きに跳ね上がっているのがスポイラー(空力ブレーキ)だと思います。
ご教示ありがとうございます。
そのあたり、まったく知りませんで、一緒くたにして「フラップ」と書いてしまいました。
>上に乗りたい欲望に負けたときは スキー板でも履いて乗るようにしましょう。
本当にやってみたくなっちゃう ^^;)
投稿: tak | 2022年6月20日 20:07