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2022年6月 5日

「自己否定」を成熟させて「アンラーン」に辿り着く

一昨日の朝、ラジオのスイッチを入れると、NHK 第1放送の「マイあさ!」という番組で、アナウンサーが耳慣れない言葉を繰り返している。途中からだった上に受信状態が万全ではなく聞き取りにくかったものの、とても興味深い内容だった。

220605 

それから忙しさに追われて忘れかけていたが、さっきふと思い出して NHK の聴き逃し番組を聴ける「らじるらじる」に行ってみたところ、それは東大経済学部の柳川範之教授の解説による「アンラーンって何? 学ばない “学び方”」という放送だったとわかった。

らじるらじるは「放送後 1週間以内なら何度でも聴ける」ということなので、上の画像クリックでリンクされるページの「7時台」の項を選択すると、今週の木曜日までなら聴ける。

「アンラーン」は "Unlearn" で、”learn" に "un" が付いたものだから、「〔学んだことを意識的に〕忘れる、〔知識・先入観・習慣などを〕捨て去る」(参照:英辞郎)ということだ。

柳川教授は「当たり前だと思っていたことを、頭を切り替えて違う発想で考えられるようにする」ために、「思考のクセを取り除く」ことと考えればいいという。これを強制的にではなく、自発的に行うことが大切なのだそうだ。なるほど、それはよくわかる。

例えば既存の社内文化に染まりすぎると新しい仕事がしにくくなるので、発想を変えることがビジネスの役に立つ。そればかりでなく、既存の発想に固執するとと学びの発想まで縛られるので、「アンラーン」によって学びの場でも新しいインプットができるようになるというのである。

自分が「既存の発想」に染まりすぎているかどうかは、次の 6項目のチェックで判断できるというので、試してみるとおもしろい。

  1. 何か決まった口癖がある。
  2. 最近、ワクワクすることが減った。
  3. 周囲の人との会話が毎日同じような話題ばかりだ。
  4. 仕事とは別の分野の学びをしていない。
  5. どんなことにも「そんなこと当たり前」と思いがち。
  6. すごい成果を出した人は、自分とは別世界の人だと思う。

何項目が当てはまると問題かというような目安はないのだそうだが、まあ、少ないほど発想が自由ということなのだろう。ちなみに私は 1項目が当てはまった。(このブログに馴染んでおられる方は容易に想像がつくだろうが、それは 1番の項目である)

思えば 1970年代初頭には、「自己否定」なんて言葉が流行り、やたらと既成概念を否定する風潮だったが、それをやんわりと成熟させると「アンラーン」になるかもしれない。

そんなわけで、1970年代に 10代から 20代を過ごした私としては、「ムチャクチャな自己否定」からは距離を置きつつ、かなり歓迎したい魅力的な発想である。

 

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コメント

放送時間に聞いておりました。
当てはまる項目は、「すごい成果の人ー別世界」ですねぇ。

仕事のことは、「いかに手を抜くか」については考えてます。ただ仕事中なり日常なりで、頻度は高くありません。
(言い訳ですが、手数を減らす方法の考察で、字面通り手抜きをする訳ではありません。)
そもそも、仕事のことより仕事以外のことを考えている場合が多いので、こんなヤツの上司はたいへんでしょうなぁ。

投稿: 乙痴庵 | 2022年6月 6日 11:51

乙痴庵 さん:

「いかに手を抜くか」を考えるのは大切ですね。(楽なやり方で同じ成果を出すという意味で)

>そもそも、仕事のことより仕事以外のことを考えている場合が多いので、こんなヤツの上司はたいへんでしょうなぁ。

いやいや、実はその方が「仕事のできるヤツ」ですよ。仕事のことばかり考えていても、ろくなことになりませんから。

投稿: tak | 2022年6月 6日 12:08

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