中国の「潤学」というホットワードって?
自分でクルマを運転して、昨日から今日にかけて一泊二日で福島での仕事をこなして帰って来た。とくに、今日は 4時起きで一日走り回ったので、さすがに疲れた。
そんなわけで、今日も何か書かなきゃいけないのだが、頭がしっかりと働かない。そんな状態で Courrier というサイトの 【海外移住を真剣に考える人々 「この国に未来はない」いま中国からの“脱出”を意味する「潤学」という言葉がホットワードに】なんていう記事を読んで、混乱してしまっている。
「中国のネット上で “潤学” という言葉がにわかに流行している」というのだが、この言葉のココロはこんなことであるらしい。
“潤学(rùnxué/ルンシュエ)”とは、潤の発音記号「rùn」を英語の「run」にかけて「逃げる」「とんずらする」を意味し、その多くは「海外移住」を指す一種の隠語なのだそうだ。
へえ、さすがに中国人も自国の体制に嫌気がさして、国外脱出したがっているのかと思ったのだが、そのきっかけは、「中国の厳しすぎるゼロコロナ政策が “潤学” の流行を後押ししている」ということのようなのだ。はあ? それって、一体どういうことなんだ?
この記事は「会員限定」で、これ以上読みたければ、無料登録して会員になれということのようで、そんなの面倒だから、関連のほかの記事を探したところ、DIAMOND ONLINE の "「やっと人間の世界に戻った」と涙… 中国で日本移住の人気が急上昇の事情" という記事が見つかった。
この記事を読んでみると、上海では新型コロナウイルスによる感染症対策の「ロックダウン」が厳しすぎて、灯が消えたような状態となり、それに音を上げた人たちが海外移住、とくに日本への移住を希望しているということらしいのである。要するに、「ロックダウン」に嫌気がさしたってことなのね。
ちょっとわかってきたが、それでも腑に落ちないのは、「ロックダウンによる厳しすぎる規制」によって、上海の街の賑わいがなくなってしまったことがイヤなのか、それとも、そもそも中国の全体主義的な政治体制に嫌気がさしているのかということなのだよね。
コロナが収まって「ロックダウン」が解除され、「物質的な繁栄」さえ保証されれば、中国にとどまってもいいというのか、それとも、物質的にはどんどん豊かになりつつあっても、不自由な政治体制に息が詰まりかけているのか。この一時的な現象の「奥にあるもの」が見えてこない。
個人的には、「個人の自由の制限された全体主義的体制」への反感が、コロナによるロックダウンをきっかけにして噴出しかけていると解釈してしまいそうなのだが、一体どうなんだろう。
もう少し行方を見守らなければならないだろうね。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- トランプと旧統一教会分派、そして日本の自民党(2024.11.02)
- 選択的夫婦別姓は、避けて通れない問題(2024.11.05)
- 「ゴミ」と「ケツの穴」のどっちがヒドい?(2024.11.01)
- 「利権で動く裏政治」の構造が風化しつつあるようだ(2024.10.28)
- 世界はきな臭いが、米国と日本が踏ん張らなければ(2024.10.01)
コメント
>コロナが収まって「ロックダウン」が解除され、「物質的な繁栄」さえ保証されれば、中国にとどまってもいい
残念ながらこちらが本音ではないかと・・・。
NHK Eテレの「マイケル・サンデルの白熱教室2022」をここ最新3週間を見ていてそう感じました。
https://www.nhk.jp/p/ts/89LY2ZQ6RK/
もしまだご存知でなければ、ご参考までに覗いてみて下さい。「NHKプラス」に登録すれば見逃し配信が見られます。
投稿: K.N | 2022年6月 5日 03:24
K.N さん:
すっかり忘れてましたが、私も一応「NHK プラス」に登録してました。新規に登録しようとしたところ、「同じメルアドで既に登録がある」との返事が来て、やっと思い出しました ^^;)
ご案内の「マイケル・サンデルの白熱教室2022」を見て、中国人学生たちの主張は要するに「結果良ければ全て良しで、その『良い結果』の迅速に出るのが自国の制度」ということなのだと思いました。
ただこれでは、「結果が良かったのか、悪かったのか」を判断する価値基準が、共産党の価値感に沿ったものでしかなくなるというのが、最大の問題ですね。現実にマイノリティの価値感は反映されるどころか、抑圧されています。
「民主主義は未完成の制度である」というのは正しい指摘ですが、だからと言って、「独裁の方がいい」と言うのは短絡的すぎます。(中国人学生たちにとっては、「独裁」ではないということのようですので、「独裁的」と言い換えてもいいです)
多様性を認めにくい制度というのは、やはり危険であると考えるほかありません。
ただ、中国では「多様性」ということについて、「多様性と呼ぶに足るほどの多様なアイデアが出揃っていない」、あるいは「十分に認識されていない」のだろうとは思います。
今後考え方が成熟して「多様性の幅」が増すほどに、現体制への不満は大きくなるのではないかと考えます。そして、中国共産党がその多様性に対応するとすれば、それは「共産党」ではなくなってしまうので、「多様性の抑圧」に走るのは当然でしょうね。
投稿: tak | 2022年6月 5日 10:36
近所の中国人家族(奥様は帰化され子どもたちは日本生まれの日本人)は、庭先でネギやシャンツァイを栽培したり、大声で会話なさるなど「あぁ大陸文化だなぁ」な側面をお持ちですが、「アタシャここが、日本が好きだから。」と、地域に溶け込んで生活されてます。
馴染みの街中華のご夫婦もそうです。
なんか、この記事に出てくる方々は、違う志向方向で「来日」を望まれているので、「迷惑観光客」と同じ部類と考えてしまいます。
ってか、そう思っておきます。
投稿: 乙痴庵 | 2022年6月 6日 12:39
乙痴庵 さん:
>なんか、この記事に出てくる方々は、違う志向方向で「来日」を望まれているので、「迷惑観光客」と同じ部類と考えてしまいます。
「金の力」で移住という感じがしてしまいますね。
「潤学」という漢字を当てはめているのも ”run" という発音からというだけでもないと思ってしまいます。
「金の力で、留学というカタチをとりながら国外に出る」という意味合いを感じてしまうのは、私だけではないと思ってしまいます ^^;)
投稿: tak | 2022年6月 6日 18:16