「祖谷そば」を食ってみたい
昨日四国の松山に着いて、今日が 二日目。明日は朝のうちに発って茨城に戻る予定だが、昨日も今日も、夕食には「うどん定食」というのを食べた。うどんと定食のセットで腹一杯になるので、なかなかお得である。四国という所は、讃岐だけでなく「うどんの国」で、うどんが旨い。
とにかくそば好きで、どこに行ってもそばを食っている私だが、考えてみれば四国には何度も来ているのに、そば屋を見たことがない。いくら何でもそば屋が一軒もないなんてことはないだろうし、「お前が気付かなかっただけだ」と言われればそれまでだが、それでも他の地域に比べたら本当に見つからない。
というわけで、私は長らく「四国にはそばを食う文化がないのだ」と思っていたが、だいぶ前に「祖谷そば」というものがあると聞いた。『祖谷のかずら橋』で有名な、あの平家落人伝説のある祖谷(いや)である。何しろ秘境だというので、これまで一度も行ったことがない。
ところが今回、web で「祖谷そば」というのを調べてみて、無性に食ってみたくなったのである。つなぎをまったく使わない(つまり、十割そば)のでちぎれやすく、そのようなぶっとくて短い麺に、暖かい出汁をかけて食うのだという。江戸前のそばとは対照的な素朴さ加減のようだ。
今回はもう帰りの飛行機便を予約してあるから無理だが、次に仕事で讃岐か阿波の国に来ることがあったら、祖谷そばを食うためだけに自費でもう一泊してでも、祖谷まで足を伸ばしてみようと思う。それだけの価値はあるはずだ。
ただ、私は高いところが苦手なので、祖谷のかずら橋を渡れるかどうかは、現地に行ってみなければわからないが。
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コメント
>祖谷そば
初めて聞きました。十割蕎麦は普通に手に入りますので(干し蕎麦としてはやや割高ですが)食卓に出したことがありました。めんつゆも鰹節と昆布で手作りしたのですが、不評でしたので二度と出していません。我が家では、普通の蕎麦(小麦粉8:そば粉2)が好まれます。一般的に蕎麦として売られているものはほとんどがこの比率です。(何故、不正表示にならないのかが不思議です。)
おそらく「祖谷そば」が市場に出回ることはないと思いますが、昨今の情勢からして、小麦粉が入手困難になったらこのような蕎麦を食べる時が来るかも知れませんね。
軟らかい、のど越しの良い食べ物に慣れてしまった味覚は十割蕎麦のようなものは馴染まないでしょうが、食べ慣れると素材そのものの美味しさが感じられます。
私は祖谷の「蕎麦米」が大好きです。以前、四国に親戚のある知人から良く頂いていました。私の地元でも蕎麦米は健康食品店で入手できますが、風味は祖谷のものとは似て非なるものなので、時々ネットで買って、ちょっとした贅沢を楽しんでおります。
今度四国に行かれた時にお時間があれば、「祖谷そば」ともに「祖谷の蕎麦米」も探してみられるのも一興かと。
投稿: K.N | 2022年6月14日 21:27
K.N さん:
祖谷そばは、フツーのそばを食べ慣れた人にはもそもそとした食感かもしれませんね。短いというので、ツルツルっとすするという感じでもないという気もします。
別の食感を楽しむものと覚悟しています。
「祖谷の蕎麦米」も是非試してみたいですね。情報、ありがとうございます。
投稿: tak | 2022年6月15日 06:28
十割そば(じゅうわりかとわりか知らんけど)は、アタクシもあんまりですねぇ。
ただこの記事を見て、そういやぁあったかい十割そばを食べたことがないなぁ、と思い出しました。
いやよいやよも好きの内、祖谷そば、さすがに現地へは行けませんが、乾麺の十割そばを手に入れてやってみようかな。麺のサイズが違うか。
カルディ?などで売ってないかな。
なんせ、西安名物「ビャンビャン麺」も売ってたぐらいだし。(ビャンの字は出てきませんでした)
投稿: 乙痴庵 | 2022年6月15日 18:32
乙痴庵 さん:
「十割そば」ということだけなら、山形県の「蕎麦街道」を辿ればいくらでも巡り会えます。
「よくまあ、つなぎなしでこれだけ長く茹であげられるもんだ!」と信じられないような「芸術作品」みたいなのがありますので、ぜひどうぞ。
https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2004/11/__1.html
ただ、「祖谷そば」というのは「山形的芸術作品」とは、また別の趣きのようなのですね。それを確認してみたいと思うのであります。
カルディってのも、なかなかやるもんですね。ただ、祖谷そば まではどうかなあ (^o^)
投稿: tak | 2022年6月15日 20:44
祖谷そば,
通販もありますが、googlemapで検索すると、祖谷の山中まで行かなくても観音寺市と鳴門市に店があるみたいですよ。
十割蕎麦は風味は良いのですが食感はイマイチですねえ。つるっといけて歯ごたえがある方が好きです。二八がちょうどいいです。これなら蕎麦湯も飲めます。
ちなみに小麦粉の割合ですが、市販品なら原材料表示を見ると、原材料が多い順に表示されるので、小麦粉が最初に書いてあれば小麦粉の方が多いということになります。小麦粉の方が安いので、値段順にするとだいたい、
原材料に小麦粉が最初にある蕎麦<蕎麦の方が最初にある蕎麦<商品名に「二八蕎麦」と書いてある蕎麦<同じく「十割蕎麦」
となっています。
投稿: らむね | 2022年6月16日 04:22
らむね さん:
>通販もありますが、googlemapで検索すると、祖谷の山中まで行かなくても観音寺市と鳴門市に店があるみたいですよ。
へえ、知りませんでした。情報、ありがとうございます。
ただ、祖谷まで行ってみたい気もするんですよね。レンタカー借りることになりそうですが。
市販の蕎麦は、たいてい小麦粉の方が多い「なんちゃって蕎麦」ですね。6:4 (小麦粉が 6割)が多いようですが、中には「逆二八」(小麦粉 8割)なんてのもあるようです。
ちなみに、日本中の幹線道路沿いで「本格的讃岐うどん」を提供すると謳っている「丸亀製麺」は「なんちゃって」の代表格で、四国の丸亀市とは縁もゆかりもない会社のようです。
四国では多くの人に「ありゃ、『地域詐欺』ですわ!」と断罪されていて、肝心の丸亀市には 1店も出店できない状態のようです (^o^)
投稿: tak | 2022年6月16日 07:36
>
ちなみに、日本中の幹線道路沿いで「本格的讃岐うどん」を提供すると謳っている「丸亀製麺」は「なんちゃって」の代表格で、四国の丸亀市とは縁もゆかりもない会社のようです。
四国では多くの人に「ありゃ、『地域詐欺』ですわ!」と断罪されていて、肝心の丸亀市には 1店も出店できない状態のようです (^o^)
>
地域ブランドですね。
伝統と品質を守ろうとする姿勢は良いのですが、ある意味ではただの既得権益の保護になっているのがモヤっとするところでして。
私の地元、小田原での話なのですが、小田原蒲鉾を巡って裁判沙汰になったのです。
数年前ですが、小田原市内に拠点を持たない業者(とはいえ周縁地域ではありますが)が小田原蒲鉾と銘して売っていて、小田原の蒲鉾組合から「その名称を使うな」と訴えられたのです。気になったのでネットを掘りましたが、組合のHPにはこうありました。
「小田原の蒲鉾業者としての歴史を50年以上有し、周囲からも同業者からも広く認知されている企業であること。」
いやこれは無いだろうと。完全に新規参入を排除するだけの規定ではないかと。
「もしこれを認めると日本全国どこでも小田原蒲鉾を名乗れることになってしまう」と云う人もいるかもしれませんが、当然です。だって小田原蒲鉾の原材料たるスケトウダラはほぼ全部が輸入品ですから。ノウハウさえ知っていれば世界中どこでも作れます。
結果的に裁判は和解になり、いま業者のHPを見ると「小田原の蒲鉾」という表記にすることで「小田原蒲鉾」との折り合いをつけたようです。
本当に馬鹿らしい。新規参入は確かに既得権益の損害(あの店が開いたことでうちの売り上げが減った、とか)になるかもしれませんが、同時に新しいビジネスチャンスでもあるはずです。
「品質が悪いから認めない」ならまだわかります。しかし「地域」「操業年数」などで否定することは、一般消費者にとってデメリット(例えばより安くより美味しいものが生まれない)しか感じません。
そうやってひたすら既得権益の保護に向かった結果が、織物や漆器などの「高くて普段使いは出来ない、少ししか売れない高級品で、若者が触れないから需要が先細りになるいっぽう」ではないでしょうか。ああいう品は、補助金頼みだったり、年金受給高齢者が人件費無給で作るしか成り立たない産業に堕ちています。本来は日用品として成立する産業だったはずなのに。
投稿: らむね | 2022年6月16日 09:47
私は讃岐の生まれで大阪在住なのですが、かなり昔に現地で祖谷そばを食べたことがあり、おぼろげながら美味しかった記憶があります。関東のそばとは全く別物で、麺は細うどんのように太く、短く、もそもそ、ザラザラで、とても素朴な田舎っぽい感じです。
香川県では年越しにうどんを食べる習慣があるのですが、昔は大晦日のみうどんの製麺所がそばなるもの(茹で麺)をうどんと同時に販売していました。
このそばという食べ物が子供の頃は、もそもそしていて、プチプチ切れ、ザラザラで、嫌いだったのですが、おそらくこのそばなる麺は祖谷そばを手本にしていたのだと今気づきました。
大学進学で大阪に出て来て初めて関東風のそばを食べ、本物のそばの旨さを知り今に至ります。
余談ですが、個人的には出雲そばや出石そばが好きです。
投稿: The upsetter | 2022年6月16日 12:12
The upsetter さん:
>関東のそばとは全く別物で、麺は細うどんのように太く、短く、もそもそ、ザラザラで、とても素朴な田舎っぽい感じです。
実体験に基づく情報、ありがとうございます。私としてもそのようなものと想像していましたが、当たってたようですね。実際に食べに行くのが、ますます楽しみになりました。
>香川県では年越しにうどんを食べる習慣があるのですが、昔は大晦日のみうどんの製麺所がそばなるもの(茹で麺)をうどんと同時に販売していました。
さすがに讃岐で、「年越しうどん」なんですね。それでいて、そばも同時に販売というのは、全国標準を意識した「アリバイ作り」みたいで、面白い!
出雲そばは、かなり前に出雲に行ったときに食べました。東北のそばと似た風情で、懐かしい感じがしました。
投稿: tak | 2022年6月16日 13:43