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2022年7月26日

70歳って、「古希」なのか? 「古稀」なのか?

今年も誕生日が巡ってきてたが、ちょっと特別な誕生日である。なんとまあ、自分でも信じられないことに 70歳になってしまったのだ。若い頃は 70歳なんてかなりの「じじい」と思っていたが、自分がなってみると、なんてことはない。単に「いつもの自分」である。

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ところで 70歳のことは古来「古稀」と称するので、その話題にしようかと思っていたのだが、ATOK で変換すると「古希」が先に出て、「古稀」はずっと後回しになる。それのみか、『大辞林』でも【古希・古稀】と表示されるじゃないか。

「おかしいなあ、杜甫の詩に由来してるはずなんだが・・・」と確認したところ、原典は確かに彼の『曲江』(きょくこう)で、四行目に問題の「人生七十古来稀なり」という文言がある。

これ、彼が 47歳でようやく仕官したものの、翌年左遷されて酒浸りの生活を送っていた時の詩とされている。ちなみに彼はその 10年後に、還暦にもならずに世を去ったので、結果的に「古来稀なり」を自ら実証したわけだ。

ところが翻って今の世の中では「団塊の世代」が一足先にどっと 70代に突入済みなので、周りは 70歳以上のじいさんばあさんだらけである。「古来稀」でも、「今はフツー」になってしまった。

調べてみると、近頃「希」の時を使うようになったのは、70歳が「まれ」じゃなくなったためというわけではなく、単純に「稀」という字が常用漢字から外れたためなのだという(参照)。なんだ、ずいぶん馬鹿馬鹿しい話なのだね。

ちなみに「幻の酒」というサイトの「古希」というページには次のようにある。

-『稀』

稀は「禾(のぎへん)」を使っており、稲穂が実ってしなだれている様子を表した象形文字です。(中略)珍しい豊作に見舞われるといったポジティブなイメージがあります。

-『希』

希は、反物の状態を示す言葉で、稀と直接的な関係はありません。意味としては、可能性自体が少ないといったネガティブなイメージがあります。

というわけで、落とし所は次のようになっている。

現代では古希、昔は古稀が使われていました。基本的にどちらでも構いませんが、縁起を担ぐことを考えるなら昔の文字がおすすめです。

なるほどね。私が「古稀」と思っていたのは、原典に当たるまでもなく妥当だったようだ。

ただ、自分を振り返れば「実ってしなだれている」という状態にはほど遠いし、さらに当分は死にそうにもない。そんなわけで、今後とも末永くお付き合いの程、なにぶん

Yoroshiku4

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コメント

おめでとうございます。
アタクシの職場でも定年ですねぇ。
古稀まで仕事ですよぉ。

投稿: 乙痴庵 | 2022年7月26日 11:38

乙痴庵 さん:

ありがとうございます。

こちらは独立事業主ですので、定年なしです。少しずつ仕事を減らしているところですが、まあ、いつまでも働くことになりますね ^^;)

投稿: tak | 2022年7月26日 13:24

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