「人工降雨」は英語で "cloud seeding"(雲の種まき)と言うのだね
Gigazine の 8月 29日付に ”干ばつにあえぐ中国がついに「巨大雨降らしドローン」を投入、雨が降りすぎて今度は洪水のリスクが急浮上” というニュースがある。最近の中国は「何でもやり過ぎ」感があるが、人工降雨でもそんなようなことになっているらしい。
ただ、それよりも興味を引かれてしまったのが、このニュース中で紹介されている ThePrint(インドのデジタル・メディア)の見出しだ。"After cloud-seeding activities in China’s Chongqing, experts warn of possible floods" というのである。
へえ、「人工降雨」って、英語では "cloud-seeding" (雲の種まき)なんて言うのだね。初めて知った言葉だが、個人的にはかなりしっくりきてしまう。ちなみに Wikipedia の「人工降雨」の項目には、次のようにある(参照)。
人工降雨(じんこうこうう、英語:cloud seeding、rainmaking)とは、人工的に雨を降らせる気象制御の一つ。降った雨は人工雨(artificial rain)ともいう。雪を降らせる場合は人工降雪という。cloud seedingは「気象種まき」とも訳される。
なるほど、公式には「雲の種まき」ではなく、「気象種まき」と訳すわけだ。ただ、これでは雰囲気的な「もっともらしさ」はあるものの、具体性には欠けてしまう気がするから、私の中ではやっぱり「雲の種まき」としておきたい。
さらに「雪を降らせる場合は人工降雪」というのは "cloud seeding" では区別できないから、もう一つの言い方の "rainmaiking" を "snowmaking" と言い換えるのだろうね。ただ雨になるか雪になるかは気温次第だから、保証できないだろう。
さらに言えば、私の知っている「人工降雪」というのは、スキー場などで巨大な扇風機みたいなものを使うやつで(参照)、「雲の種まき」とは別の世界の話という気がするのだが、一体どうなっているんだか、よくわからない。Wikipedia も時々テキトーなことを言うことがあるからなあ。
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コメント
cloud seeding なんだかネット上で種まきをするみたい(笑
>「雲の種まき」とは別の世界の話という気がするのだが、
「種類と概要」では テレビドラマの雨のシーンを撮影する目的での散水 まで含めちゃってます。
>Wikipedia も時々テキトーなことを言うことがあるからなあ。
ボランティアベースなので 変だなと思ったら編集しちゃえば良いのですが、、なかなかそこまではできないので せいぜいNoteに提案しておく位ですかねぇ。
投稿: Sam.Y | 2022年8月31日 18:51
「気象種まき」とすると、いったいどんな気象の”きっかけ”とするのかわからないので、訳語としては不適切な気がしますねえ。
人工降雨にしろ気象種まきにしろ、元の英語(cloud seeding, rainmaiking)が幼児でもわかりそうな単語なのに熟語化して難解にしてしまうのは日本語の悪い癖だなあと思います。
投稿: らむね | 2022年8月31日 20:43
Sam.Y さん:
>cloud seeding なんだかネット上で種まきをするみたい(笑
座布団 5枚!
Wikipedia は、ものすごく専門的で信頼のおける項目から、「はぁ?」というのまで、玉石混淆ですね ^^;)
投稿: tak | 2022年9月 1日 10:26
らむね さん:
>人工降雨にしろ気象種まきにしろ、元の英語(cloud seeding, rainmaiking)が幼児でもわかりそうな単語なのに熟語化して難解にしてしまうのは日本語の悪い癖だなあと思います。
まったく同感。
投稿: tak | 2022年9月 1日 10:27