『すずめの学校』と『めだかの学校』
『すずめの学校』 という童謡がある。あの「ちいちいぱっぱ、ちいぱっぱ」で始まるやつだが、「すずめの学校の先生は むちを振り振り ちいぱっぱ」という歌詞のせいで「軍国主義的」な歌とする見方があるのだと、つい最近知った。
私個人としては、この歌の「むち」というのは「指揮棒」代わりぐらいに思っていたのだが、ググってみると、マジで生徒のすずめをシバくためのもので、「全体主義的な歌」などと語っているページが結構多い。Wikipedia でもこんなふうに紹介されている。
雀の先生がムチを振るって命令し、生徒の雀は自己思想を禁じ国策に向かって突き進む事を歌っているとされ、雀のたった1つの鳴き声である「チイパッパ」を比喩的表現として、全ての日本国民が1つの言葉を胸に日本国を守ろうとすることも同時に歌ってあり帝国主義的な表現を含めて描いているという見方があるが、それに否定的な見方もある。
いやはや、正直なところ驚いた。まあ、戦前に作られた歌でもあるから、そのあたりは無意識のうちにも入っていたのかもしれないが、「深読み」というのは、なかなかスゴいものである。
それとは対照的に『めだかの学校』の方は、かなり好意的な紹介が多い。戦後に作られた歌だけに、先生と生徒が区別されず、平等な立場が説かれているというのである。なるほど、そう言われてみればそんな気がしないでもないが、いずれにしてもステレオタイプだよね。
とにかく二曲とも「童謡」であって「文部省唱歌」ではないから、教育現場で「強制的に歌わされていた」というものではない。そんなこともあって、私としては「テキトーに楽しんでおく方が、精神衛生にいいかも」程度に思っている。
多くの日本人が抱くイメージはどんなものかと思い、試しに「すずめの学校」で画像検索してみたところ「雀の学校」「雀の卵」というお菓子がやたら多くて、童謡に関したものでは、こんなようなのが見つかった。いずれも「帝国主義的表現」からはほど遠い気がして、少し安心した次第である。
ただ、中に 1つだけ強烈なのが見つかった。歌イメージ加工合成写真 番外編 (すずめの学校) というもので、こんな感じである。
ただこれは、「だから! 違うって」というキャプションからもうかがわれるように、もろに「帝国主義的解釈」のパロディである。
そしてこれを取り上げた翆野大地さん(鳥の生態に詳しいらしい)という方も、冷静な目で、「メダカはただ群れているだけで、実際にはスズメの方が、生き抜くために教えを請うています 」とおっしゃっている(参照)。「スズメの学校」は、スズメにとって必要なことのようなのである。
とはいえ、この童謡をどう捉えるかは本当に人それぞれで、つい自分の考えの方に引き寄せて解釈しちゃうのだよね。面倒くさいのは、実はスズメより人間の方である。
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コメント
めだかの学校の作詞の舞台は小田原なので馴染みがあります。
ちなみに、「めだかの学校は 川の中」という歌詞ですが、めだかは実際には止水域を好むので、大抵「池の中」にいます(笑)
投稿: らむね | 2022年8月17日 20:08
これは普通指揮棒のことでしょう。欧米では昔鞭を持ってたと聞きますが、日本では指揮棒のことでしょう。昔はよく指揮棒で机を叩いたり、子供の尻を叩く教師がいました。出席簿も叩くのに使われていました。机が上に開く式だったのでその間に子供の頭を挟んで叩いた教師もいました。まあ、昔の教師はよく子供を叩いたものです。よく叩く教師も軍国主義者ではなく、日教組の大会があるからと授業がなくなることもよく有りました。
投稿: basara10 | 2022年8月18日 03:06
らむね さん:
ほほう、めだかの学校は「池の中」ですか。
私の田舎では、水を引いた田んぼの畦沿いでよく見られました。
投稿: tak | 2022年8月18日 07:28
basara10 さん:
>これは普通指揮棒のことでしょう。
でしょうね。
>机が上に開く式だったのでその間に子供の頭を挟んで叩いた教師もいました。
そりゃまた、乱暴な ^^;)
>よく叩く教師も軍国主義者ではなく、日教組の大会があるからと授業がなくなることもよく有りました。
いやはや、大会では「体罰を避けよう」なんて言ってたんでしょうね。
投稿: tak | 2022年8月18日 07:31