「チップスリフター」を巡る冒険
偶然見つけた ”筒の奥にあるチップスがせり上がる「チップスリフター」を作りました” という tweet。なかなかおもしろいアイデアだし、プレゼン動画の秀逸な田舎芝居にも拍手を送りたくなったが、最後の画面で「うぅむ・・・」と呟いてしまった。
上がその最後の画面で、この装置の名称が「チップスリフター(Chips lifter)」とされている。しかしこれ、カタカナの方はまあいいとしても、英語の方は "Chip lifter" としてもらいたかった。英語のこうしたケースでは、"Chip" と単数形にするのが原則なのだよね。
堅苦しくは名詞の形容詞的用法なんていって、名詞を他の名詞の前に付けて「〜の」みたいな意味で用いる場合は、単数形にするという原則があるのだ。これ、11年半ぐらい前の " 「ツィンズタワー」 って?" (正しくは「ツインタワーズ」だよね)という記事でも触れている。
例えば、「靴」はフツー "shoes" と複数形で使うことが多いが、「靴工場」となると "shoe factory" と単数形になる。その意味で大昔の歌、『東京シューシャインボーイ』は正しい。ただ、"sports club" なんていう言い方もあるから、何事にも例外はあると思っておく方がいいが。
というわけで、この「チップスリフター」はカタカナと折り合いを付けるために、いっそ ”Chip Slifter" なんて名称にしてしまえばいいんじゃないかなんて、無責任なことを思ったりしてしまった。”Slift" なんて単語は、辞書を探しても見つからないのだが、それらしい造語ということで。
【9月 24日 追記】
Sam.Y さんのコメントのおかげで、"slifter" という単語が存在すると判明した。意味は「地球表面のひび」のことだそうだ。いやはや、ものはきちんと調べてみるものである。感謝。
ちなみにこれを作った カズヤシバタ さん人は 「”ギリギリ役に立つ” 物を作る発明家」という方であるらしく、テレビやラジオにも何度も取り上げられているらしい。個人的には「南国扇風機」というのが欲しくなってしまった。
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コメント
続きの文を読む前に 脊髄反射で検索しちゃいました。
https://www.merriam-webster.com/dictionary/slifter
ポテトチップ表面を電子顕微鏡で観察すると無数のひび割れがあり、当社では特殊な製法で この中にうまみ成分を閉じ込めることにより…。(大嘘)
発明品の「リフター」の方は、容器の筒の太さとポテトチップのサイズのアンバランス感とか ポテトチップを少し倒しているところとかは ちょっと苦しいですが、16秒から18秒近辺でツノ(フォーク?)がゆっくり倒れるのには感動しました。
投稿: Sam.Y | 2022年9月24日 11:08
Sam.Y さん:
おお、"shifter" という単語、あったんですね。情報、ありがとうございました。
それにしても、地殻のクラックとリフター、どんな屁理屈で結びつければいいでしょう ^^;)
投稿: tak | 2022年9月24日 15:37