「ウェビナー」という新語、ちょっと気持ち悪い
最近ネット上で「ウェビナー」という言葉をちょくちょく見かけるので、「それって、一体何だ?」と思っていたが、下の「ウェビナーツールおすすめ 10選を徹底比較」というページによれば、「オンラインによるセミナー」を意味するのだそうだ。
"Web" と "seminar" の合成語のようで、何となく和製英語っぽい雰囲気だが、実際の英語としても使われてはいるらしい。ただ、英語版の Wikipdeia で "webinar" を調べると、次のような素っ気ない表示でしかない。
いきなり ”Web conferencing" の項目に行けと言われるばかりで、日本語版 Wikipedia での「ウェビナー」の説明が結構もっともらしい分量なのと比べると、えらい落差である。そしてリンク先の項目名が "Web conference" ではなく "Web conferencing" というのも、ちょっとおもしろい。
で、指定された項目に行ってみると、「"Web conferencing" は包括的な言い方で、ウェビナー、web放送など、いろいろなタイプの専門家のミーティングを含む」というような説明になっている。どうやら英語の "webinar" は、日本語の「ウェビナー」より限定的な意味合いのようだ。
それは、英語の ”seminar" が、日本語の「セミナー」よりもやや限定的なニュアンスであることと同じ構造のように思われる。日本語で言われるところの「セミナー」は、英語なら ”workshop" という方がピンときたりするものが多かったりもするし(参照)。
ところで、日本語のウェブの世界でやたら「ウェビナー」という言葉を使いまくっている「ウェビナーネット」というサイトは、「(旧・テレビ会議ネット)」と但し書きが付いている。ということは、この名称の方がビジネスに有利だろうとの判断で改称したものと思われる。
この企業は、「ウェビナー」という言葉が今後「テレビ会議」に取って代わって一般化すると見たのだろう。しかし私としては、それって期待し過ぎじゃないかという気がしてしまう。
そもそも、日本語としての「ウェビナー」を実際に発音する時のアクセントがよくわからない。英語なら当然、"seminar" と同様に、最初の "we" に第一アクセント、"nar" に第二アクセントが来て、抵抗がないだろうが、日本語だと全然すっきりしない。
おそらく平板型のアクセントに収斂されるんだろうが、個人的にはちょっと気持ち悪くて、あまり口に出して言いたい言葉じゃないんだよね。
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