高市氏と小林氏の tweet に見る「デマ」の発生要件
高市早苗議員の「腕の耐えがたい痛みでMRI検査を受けている間に、不正確な情報が」という tweet が話題になっている(参照)。
ここで言う「不正確な情報」というのは、例の小林貴虎という三重の県会議員の「国葬反対の SNS 発信の 8割が隣の大陸から出ている」という無茶苦茶な tweet(10月 2日付)のことだろう。2日後に「ソースは高市早苗先生」と明かされているので(参照)、一言対応せざるを得なかったようだ。
高市氏としては当然ながら、「国葬反対の SNS 発信の 8割が隣の大陸から」なんてことは言っていないのだろう。ただ、講演ではいろいろなところに話が飛び、聞きようによっては「そんな風に受け取られかねない」みたいな言い回しが混じってしまったのかもしれない。
とはいえ常識的に考えれば、そんな極端な誤解は生じようがないのだが、彼女の講演を聞く聴衆の中にはこうした類いの「直情的な誤解」をしたくてたまらない小林氏みたいな人物が、少なからず存在するのだよね。それを一般大衆への警鐘のつもりで Twitter なんかに書き込んでしまうのだから、始末に負えない。
「デマ」といわれる「誤情報」の中には、こうしたプロセスで発生してしまったものがかなりあると思われる。
ちなみに高市氏の「腕の耐えがたい痛みで・・・」という tweet には、「お大事に」とか「心配です」とか、彼女の体調を思いやる情緒的なコメントがやたらどっさり付いているものの、小林氏の「不正確な情報」に対する批判はほとんど見当たらない。これには、ちょっとコケた。
「情緒的な思いやりコメント」と「直情的な誤解」の間のギャップって、実はそれほど大きくないのかもしれない。
【付記】
高市氏の tweet にある「日本には情報操作(偽情報)対策の法律が無いので、政府が調査をすることは出来ません」というのは、それこそ政府による情報取り締まり強化を意図しての「偽情報」であるとしっかり認識しておきたい。
実際には「デマ」を流した場合、ちゃんと罪に問われる可能性がある(参照)
【10月 6日 追記】
上で触れた小林氏の tweet は、自身が「誤り」として撤回したので、クリックしても表示されなくなっている。こんなこともあろうかと、魚拓を取っておいたので、下に貼っておく。
細かいことを言うと、「私が総理大臣になって頂きたいと強く願っている高市早苗先生が、政府の調査結果としてお伝えいただいた内容です」というのは、「二重構文」で、典型的悪文。念のため付け足すが、いわゆる「二重主語構文」(「象は鼻が長い」など)のレベルじゃない。
この悪文、「高市早苗先生」と「自分」とが一体化しすぎている彼の「無意識的構造」を表していると思う。
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