アントニオ猪木の死と、プロレスというもの
アントニオ猪木が今朝亡くなった。スポーツ各紙が報じているが、ここはやはり何と言っても東スポ WEB にリンクしておくので、詳細を知りたい向きはリンク先にどうぞ。
1960年代後半から 1980年代にかけての私はかなりディープなプロレス・ファンで、「プロレスの技で知らないものはない」とまで豪語していた。口だけじゃなく実践も欠かさず、ブレーンバスターの受け身ぐらいはしっかり取れた。プロレスの見栄えは「受け身」で決まるので、これは誇っていいことだ。
そんなわけだから、私にとって彼の死は安倍元首相の死よりも重い。向こうがいくら「首相在任期間最長」なんて言っても、2期合わせてもたかだか 9年足らずだが、私は猪木のプロレスを 25年以上にわたってウォッチしていたのだ。
とはいえ、私は 1990年代以後はプロレスから離れ、シリアスな格闘技に視点を移している。ぶっちゃけて言えば、プロレスは「ショー」なのであり、それだからこそ「名優」がいないと魅力がなくなってしまうのだ。猪木以後のプロレスには、その「名優」が存在しないのである。
「猪木プロレス」から「シリアスな格闘技」への流れを、私は過去に以下の 3本の記事で書いている。
プロレスの時代的使命は終わった (2005年 7月 18日)
「感覚のプロレス」から「論理のプロレス」へ (2006年 9月 16日)
プロレスは本当に 「やらせ」 か? (2006年 10月 28日)
というわけで、既にプロレスの時代的な使命は終わっているのだから、アントニオ猪木にはあの世でゆっくりと休んでもらいたいと思っている。
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コメント
私は格闘技に興味が無く、また猪木氏の全盛期をほとんど知らないので、むしろ落語家六代目円楽さんの訃報の方がショックでした。
物心ついたときから楽太郎さんの出ている笑点を祖母と一緒に見ていました。大変な闘病生活をされていましたがつい先日復帰のニュースを見かけたばかりだったのでびっくりです。私の父とほとんど年も変わらないというのも思うところが有りました。
期間という点でいえば40年以上笑点のレギュラーでしたね。9年がなんぼのもんじゃと(笑)
投稿: らむね | 2022年10月 1日 20:33
らむね さん:
私としては、六代目は六代目でも、圓生が忘れられません。本当の名人でありました。小さんよりも贔屓でした。
六代目円楽は、先代よりずっといいと思いますし、楽太郎時代から輝いていましたので、病気さえしなければ、圓生の域に迫ることができたでしょうね。本当に残念です。(生きていれば、七代目圓生になれたかも)
それにしても、40年はすごいですね。プロレスでもやってやれないことはないでしょうが、ちょっとね ^^;)
投稿: tak | 2022年10月 1日 21:22
北朝鮮とズブズブのスポーツ屋さんでしたっけ。特にこの世に存在した意義のある人とも思えませんが、とりあえず冥福だけ祈っておきます。
投稿: 柘榴 | 2022年10月 2日 18:27
柘榴 さん:
あの人の北朝鮮詣では、力道山からの負の遺産ですね。困ったものでした ^^;)
投稿: tak | 2022年10月 2日 18:44