他言語が話せるようになると、脳が若返るらしい
Quora に「英語を勉強しなくても良いアメリカ人、イギリス人は英語が母国語ではない他国に比較して、相当有利(時間にして 5000〜10000時間くらい)ではないですか?」という質問があり、それに対してとても興味深い回答が付けられている。
その前にまず、Quora でこの質問を発した人には基本的な誤解がある。英語を母国語とする人は改めて英語を学ばなくてもいいというわけではなく、英米でもほとんどの学校で "English" という授業がある。日本人が「国語」(つまり「日本語」)を学ぶのと同じことだ。
そして、Naoya Yamaguchi という方の回答がおもしろい。「(外国語として)英語を学ばなければならないことは、若いころに不利で、老後に有利になる」というのだ。以下に引用してみよう。
エジンバラ大学のトーマス・H・バックらによれば、話せる言語が一つ増えるたびに、脳は機能面で少なくとも五年分若返る。この効果はアルツハイマー型認知症さえ抑え込む。
日本語が母語ならば、英語を話せるようになる効果は、例えばフランス語やドイツ語が母語の場合と比べて、ずっと大きいかもしれない。日本語と英語のバイリンガルは老後にとても有利になる。
多言語を話すほど脳が若返り、母語が日本語ならばその効果はさらに大きいかもしれないというのである。
ちなみに、これで思い当たったことがある。私の卒業した山形県庄内の高校の同窓会に出席すると、集まった同窓生は他の関係で付き合いのある同年代の連中より明らかに若々しいのだ。
これ、もしかしたら庄内生まれの人間の「バイリンガル効果」なのかもしれない。というのは、庄内弁というのは共通語と比較したら「ほとんど外国語」というほど違うのだ。他から来た人間が庄内人同士のディープな会話を聞くと、口を揃えて「一言もわからない」と言う。
ところが、ブラジル出身の友人は母語がポルトガル語だが、「スペイン語なら、ほとんど自然にわかるし、イタリア語も想像力を働かせれば大体わかる」という。こうした感覚からしたら、我々は多少の努力によって「庄内弁と日本語のバイリンガル」になったと言っていいと思う。
なるほど、地元から離れて暮らす庄内人が若々しいわけだ。脳が若いので、見かけも若々しくなるのだろう。さらに言うと、「庄内弁は忘れた」なんて言って共通語だけになってしまった連中より、脳内スイッチを切り替えれば今でもガンガン庄内弁でイケる方がさらに若々しい。
この効果は北関東訛りや博多弁程度の方言では得られまい。津軽や琉球、薩摩とかの、「ほとんど外国語」というレベルの方言でないと無理だ。さらにこうした地域でも最近の若い層のように「方言を話せない」ようになってしまっては、不可能だろう。
私の場合は「ちゃんとした共通語と濃〜い庄内弁の完全バイリンガル」に加え、「それほど不便を感じない程度の英語」も加えて「バイ・アンド・ハーフ・リンガル」と言っていいので、さらに若ぶってガンガン生きて行こうと思っている。
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コメント
高校3年後輩になります。酒田ラーメンからの検索で偶然たどり着きました。私も同じくバイリンガル+ハーフです。故郷の話題楽しみにしております。
投稿: Zac Khaki | 2022年10月21日 21:48
Zac Khaki さん:
さぞかし若々しいでしょうね (^o^)
今後ともよろしく。
投稿: tak | 2022年10月22日 07:52
同級生Lineは庄内便弁満載で楽しいです。昨年空家の実家を処分し、酒田ロスに。今月思いきってつや姫ハーフ参加、庄内弁継承に何かやりたい心境です。
投稿: Zac Khaki | 2022年10月26日 20:04
Zac Khaki さん:
>庄内弁継承に何かやりたい心境です。
とにかぐ、しゃべりつづげるごったの (^o^)
投稿: tak | 2022年10月27日 11:34