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2022年11月26日

カタール、LGBT、 FIFA、そして NTT の「美談」

ワールドカップの開催地、カタールの LGBT への迫害などがかなり批判の的になっており、レインボー Tシャツを着た観客まで嫌がらせを受けていることが負の話題だ(参照)。私はこれに関しては、FIFA もほぼ同罪だと思っている。所詮は中東マネーで潤っている利権団体だしね。

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その FIFA が自身の Twitter ページで、"Dear My Boss, Thank you For MY 2 WEEK OFF" (親愛なるボス、2週間の休暇をありがとう)というメッセージを示す日本人サポーターの写真を紹介し、"This one goes out to all the bosses out there ❤️" なんて tweet している。

この tweet、IT media ビジネス ONLINE の記事では「この言葉をすべての上司に贈ります」なんて情緒的に翻訳されているが、こういう「含蓄英語」って、なかなか気の利いた日本語にしにくいよね。

記事によれば、この写真で紹介されているのは NTT 東日本の社員。ワールドカップのために 2週間の休暇申請を許可してもらったんだそうだ。そしてこの tweet には NTT 東日本が「どうぞバケーションとワールドカップを楽しんでください。あなたのボスより」と(ちょっとこなれない)英語でコメントしている。

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この類いの話は、確実に人の心を和ませる。ただちょっと視点を変えると、この男性のメッセージとボスからの反応が「日本人同士なのに、どうして英語なんだろう?」なんて思ったりしてしまう。日本語の方が確実に通じるだろうに、もしかしたら FIFA の「取り上げやすさ」を考慮したんだろうか。

そして FIFA がことさらにこの美談を紹介しているのは、LGBT 関連のレインボー迫害から少しでも目を逸らさせたい意図もあるんじゃないかと思ったりまでするのだよね。これって、私の心がねじ曲がってるのかもしれないが。

いずれにしても、これは紛れもなく「いい話」には違いない。それに異を唱えるつもりは毛頭ない。ただ FIFA と NTT 東日本という両公式アカウントのことさらなまでのハートマーク入り tweet のせいで、ビミョーな「演出っぽさ」を感じてしまったのである。「やらせ」とまでは決して言わないけどね。

念のためにダメ押ししておくが、これはこれとして、カタールの LGBT 迫害問題に関しては、目を逸らさずにきっちりと問題にすることを忘れないようにしたいものである。

 

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