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2022年11月 5日

漫画家は 赤塚不二夫、いしかわじゅん、いしいひさいち の 3人でいい

近くの大手チェーン系ブックストアに立ち寄ると、売り場のかなりの部分(多分、半分近く)が漫画(今は「コミック」なんていうのかな)で占められていることに驚く。しかもそれは、販売ではなくレンタルだったりするようで、今は「本屋」と「貸本屋」が合体しちゃってるのだね。

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ちなみに私の個人的な感覚では、「漫画」と言ったら 赤塚不二夫いしかわじゅんいしいひさいち の 3人がいてくれればいいと思ったりしている。要するに上の画像に象徴されるような趣味なので、今のブックストアにズラリと並んでいる下のような絵を見ると、正直言ってうんざりしてしまうのだよ。

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よく見れば確かにビミョーに違っているのだが、ぱっとみた限りではどれもみな同じに見えて、「ちょっと遠慮しときますわ」となってしまうのだよね。若いコミック好きには申し訳ないが、やっぱり『天才バカボン』とか『バイトくん』とか『薔薇の木に薔薇の花咲く』とかの方がずっといい。

私は小学校 5年生の頃から『おそ松くん』読みたさで、少ない小遣いを何とかやりくりして『少年サンデー』を買い始めた。それからというもの、赤塚ワールドにどっぷりとハマり、イヤミの「シェー!」や、バカボンパパの「これでいいのだ」の生き方が身についてしまったというわけだ。

その後、 1960年代末から 70〜80年代にかけては、私より少し年上の「団塊の世代」の連中が、『巨人の星』とか『あしたのジョー』なんかを夢中で読む時代になった。いわゆる「スポ根もの」の絶頂期である。

ところが、私は『巨人の星』の星飛雄馬なんて、「勝手に力み返ってな!」と思うばかりで、まったく思い入れがなかった。『あしたのジョー』は少しマシという気もしたが、いずれにしても夢中で読む気にはなれなかった。どちらも、いいところで気を持たせて次週につなぐ「引き延ばし」が露骨だったしね。

中には「梶原一騎原作の『巨人の星』は下世話なスポ根ものだが、高森朝雄原作の『あしたのジョー』は素晴らしい」なんていうヤツもいたが、高森朝雄は梶原一騎の別名で、どちらも同じ原作者だとは知らなかったようなのだね。そんなわけで、「付き合ってても疲れるばかり」と言うほかなかった。

そうした中で、70年代後半から登場した いしかわじゅん と いしいひさいち は、赤塚不二夫が全盛期を過ぎた後の漫画界において大きな救いとなった。私は、ああした「単純な線の絵」しか受け付けないカラダなのである。それに、吹き出しの中のセリフが手書き文字というのもいいなあ。

 

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アニメ・コミック」カテゴリの記事

コメント

赤塚漫画でも『ひみつのアッコちゃん』系列は受け付けなかったタイプとお見受けします(^^;
現代の漫画は男性向け・女性向けを問わずおおむね24年組の血を色濃く受け継いでいるので、少女漫画が低く見られていた時代の空気を価値観として持っている人にはちょっと受け入れがたいんでしょうね。
かくいう私は いしかわじゅん と いしいひさいちの見分けが付きません。名前もやたら似てるしw

投稿: 柘榴 | 2022年11月 6日 03:02

最近の漫画は画面に空白がなくてうるさく感じますね。
読む気にまならないです。

かといっても、主観文春に連載の一ページ漫画のタンマ君なんて、万年ひらサラリーマンが登場する漫画で、よくこんな漫画が50年以上続いてるもんだとあきれる。
http://blog.livedoor.jp/entry_s1/archives/52363572.html

おそ松君の前はロボット三等兵を読んでた世代です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%88%E4%B8%89%E7%AD%89%E5%85%B5

投稿: ハマッコー | 2022年11月 6日 12:27

柘榴 さん:

『ひみつのアッコちゃん』、受け付けなかったわけじゃないですよ。ただ、『りぼん』は自分では買わなかったので、『おそ松くん』に比べれば馴染みが薄いというだけですね。

というわけで、少女漫画を低く見ていたわけでは決してないです。妹が小学校 4〜5年生になったあたりからは、少女雑誌も家の中に登場しましたからね。

ただ、やっぱり赤塚不二夫ワールドに染まってましたね。『ひみつのアッコちゃん』も含めて。

いしかわじゅん と いしいひさいち は、どちらも 1951年生まれで、私より 1つ年上ですね。「団塊の世代の尻尾」という点では、感性も共通してると思います。

投稿: tak | 2022年11月 6日 18:27

ハマッコー さん:

>最近の漫画は画面に空白がなくてうるさく感じますね。

それ、私も同じです。

『タンマ君』は、『週刊文春」買ってまで読みたいとは思わないですね。線は単純で空間も多いんですが、作者の東海林さだおさんは、やっぱり戦前の人という感じがしちゃいますね。

>おそ松君の前はロボット三等兵を読んでた世代です。

おお、なつかしい。前谷惟光は戦前の人と言っても、大正生まれですから、やっぱり突き抜けた感覚がありますね。

ついでに、山根赤鬼、青鬼 も思い出してしまいました。青鬼の「よたろうくん」とか、赤鬼が田川水泡からひきついだ『のらくろ』とかは、漫画雑誌ではなく、貸本屋の世界でしたね。

投稿: tak | 2022年11月 6日 18:37

ワタクシの世代は、少年期がジャンプ漫画黄金期だったこともあり、漫画に芸術的な評価を足してしまうのかもしれません。
『ドラゴンボール』で有名な鳥山明氏
https://fc0373.hatenablog.com/entry/2022/05/03/134558
現役では奥浩哉氏
https://togetter.com/li/1830247
また森薫氏
https://manga-daisuki.net/comic/young-mens-comic/otoyomegatari01/
あたりも大好きです。物語としてもとても面白いのはもちろんですが。

投稿: らむね | 2022年11月 6日 21:16

らむね さん:

いやはや、最近の漫画は、描くのに手間かかりそうですね! まるで別のジャンルですわ。

投稿: tak | 2022年11月 6日 21:38

逆方向もありますけどね。
https://manba.co.jp/topics/22561/comments/97989

いろんなものが楽しめるってのは良いことです。

投稿: らむね | 2022年11月 6日 22:40

らむね さん:

おお、これなら抵抗なく読めます!

何となく、「サザエさん」の後継のような気も・・・。 それから、「ちびまる子ちゃん」もイケますね・・・ と思ったら、さくらももこさんは、今は亡き人になってるんでしたね。残念。

投稿: tak | 2022年11月 7日 07:58

実際、同じ短詩系でも和歌と俳句と前衛短歌がそれぞれ別なのと同程度に「別ジャンル」なんだと思いますよ。漫画というのはそれだけ幅と可能性のあるメディアだということです。

まあそれでも、赤塚的なギャグものだと線はシンプルになっていく傾向があるようには思いますね。
参考:https://comic-meteor.jp/kagaku/
流石に正面から全力でポリコレに喧嘩を売っているような赤塚漫画ほど過激ではなくて、だいぶおとなしい内容ですが。

あとはエッセイコミックなんかも、キャラクター化された担当編集者との対話で進めていく『レッツラゴン』スタイルが主流で、ある意味赤塚漫画の子孫と言えるかもしれません。
参考:https://comic.pixiv.net/store/products/125581

そういえば、赤塚先生の孫弟子に当たる方が当時のことを漫画にされてますね。赤塚先生の話も頻繁に出てきます。
参考:https://www.sunday-webry.com/episode/3269754496551508430

投稿: 柘榴 | 2022年11月 8日 00:09

柘榴 さん:

まさに、一口に「漫画」と言っても、まったく別ジャンルじゃないかというほどの多様性ですね。

私としては、よほどのきっかけでもなければ、今さら「別ジャンル」に分け入る気力はなくなっている状態です。

投稿: tak | 2022年11月 8日 11:57

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