「トー横」で、マット敷いて寝袋で寝る若者
"えのげ" というブログに【「一年中ハロウィンか?」・・・新宿の "トー横"、ついに布団を敷いて寝る若者が現れるwww】という記事がある。新宿歌舞伎町の旧コマ劇場跡にできた「新宿東宝ビル」周辺を、近頃は「東宝ビルの横」というココロで「トー横」なんて言うらしい。
若い頃はホーボー気取りで日本中を放浪し、駅裏だろうが公園だろうが、どこででも寝袋で寝ていた私としては、写真を見て「別に、フツーじゃん。いや、ふかふかのマットを敷いてるだけ、ちょっと贅沢か?」なんて思ってしまったが、実はその背景にはちょっと複雑な事情があるようなのだ。
婦人公論.jp が 10月 28日付で ”トー横、売春、脱法ハウス ・・・ コロナ禍の「ステイホーム」で居場所をなくした少女が向かう先” という記事を伝えている。
この記事を書いたフリーランス・ライターの樋田敦子さんによれば、SNS で住まいがないと訴える女性に「住むところを提供するよ」と返信し、トー横で待ち合わせをするというケースが増えているらしい。ただ、こんなのは風俗のスカウトに決まっているから、信じちゃいけない。
彼女がトー横の現場取材で出会ったのは、「ジーンズにTシャツ姿」で、”トー横キッズ” らしくないメガネをかけた少女だった。彼女は、在宅勤務でいつも家にいる強圧的な父に耐えきれず、「友達の家で勉強してくる」と言って家を抜け出したのだという。
彼女は歌舞伎町が怖いところというのを十分認識していて、「大丈夫、そんな男性にはついていかないから。今日はもう少し町をぶらぶらして帰るつもり」と言い、実際にしばらく話すと駅の方に歩いて行ったという。
これはずいぶん「健気な例」なのだろうが、中には「パパ活」(要するにほとんど「売春」ね)で稼いだ金でビジネスホテルに泊まる少女も少なくないらしい。悪いパパがいるものだ。彼女はこう続ける。
両親がいても、貧困でなくても、家に居場所がない 10代の少女たちはいる。家庭、学校のほかに第三の居場所が必要だと、これまでもずっと言われてきたが、第三の居場所がないとしたら、彼女たちはどこに行くのか。
さらに「家に居場所がない」どころではなく、家族からの虐待を受けてトー横に避難してくる来る若い女性も少なくないという。
私の若かった頃は学園紛争で大学が長期間にわたってロックアウトされていたこともあり、バイトと放浪のし放題だった。寝袋担いで放浪しながら金とは無縁のカウンター・カルチャーを謳歌できていたわけで、ある意味「いい時代」だったかもしれない。
ところが最近は、寝袋が「逃避」の道具になってしまっているのだね。いつの時代にも「ヤバい状況」というのはあるものだが、近頃はそうした状況が広まっているのかもしれない。
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コメント
わたしの住む街でも、若年層のホームレス化(?)が進んでるって思わせる光景をよく目にします。酔眼朦朧として、酒瓶片手に道に座り込んでる女性とか、全身真っ黒の浮浪者の成りで飄然と歩いてる若者など、最近、とくに目につくようになりました。私の友人など、典型的なアウトロー気質で、「別にホームレスにはなってもええけど、シャワーだけは浴びたい」(笑)なんてことをのたまっておりました。いずれにしても、心休まる居場所がないっていうのは、年代問わずつらいことです。
投稿: 琥珀波 | 2022年11月 1日 16:37
琥珀波 さん:
>わたしの住む街でも、若年層のホームレス化(?)が進んでるって思わせる光景をよく目にします。
それはかなり問題ですね。多分、帰れる場所がないわけでもないんでしょうが、「心休まる居場所」じゃないんで、離れてしまってるんでしょうね。
>「別にホームレスにはなってもええけど、シャワーだけは浴びたい」
「100円で 3分間浴びれるコイン・シャワー」なんて商売ができたりして ^^;)
投稿: tak | 2022年11月 1日 20:59