博多ラーメンの「臭み」と「アンモニア臭」は別物
Daily Portal に「くさ美味い博多豚骨ラーメンのアンモニア臭はどこからするのか」という、大北栄人という方の書かれた記事がある。今年 2月 10日に「博多ラーメンの「臭み」の正体とは?」という記事を書いている私としては、ことさら興味深く読ませてもらった。
この記事中には YouTube 動画(参照)が挿入されているが、これは私の 2月の記事でも触れた高田馬場のラーメン店店主、甲斐さんへのインタビュー動画である。そんなわけでますます、「これは、もう一度触れ直さなければ」と思ってしまったのだった。
博多ラーメン独特の「臭み」は豚骨そのものから発生しているのではなく、豚の頭骨に付着した「枯草菌(こそうきん)」に由来するものらしいということについては、私の 2月の記事でも書いている。しかし大北氏はさらに、この「臭み」と「アンモニア臭」は別物というところまで追求しているのだ。
この記事の中で問題にされている「アンモニア臭」というのは、豚骨スープそのものから発生しているのではなく、麺をすする時に強く感じられるものと説明されている。
しかも、「麺そのもの」の臭いというわけでもないようで、麺だけを茹でた「替え玉」を嗅いでもアンモニア臭はなく、それを豚骨スープに浸してすする時に初めて強く意識されるというのだ。スープにも麺にもないアンモニア臭が、両者の「合体」によって初めて発生するというのだから不思議な話である。
ここで彼は、すすることによって「鼻の奥にあるセンサーに匂いの空気が当たるからではないか」という仮説を立て、中高の理科の先生である加藤まさゆきさんにお伺いを立てると、「麺がアルカリ性なので、スープ中からアミン化合物の遊離を少しは進める作用があるかもしれません」との返事がある。
アンモニア臭はアンモニアからだけでなく、アミン化合物からもすることがあるというのだ。ここまで来ると実証的な追求は難しすぎる問題になるため、そろそろ「ここらでいいだろう」ということになってしまったようなのである。ご苦労様でした。
それにしても、博多ラーメンの「臭み」と「アンモニア臭」を別物としてここまで追求するという姿勢は大したものである。私なんか、数年前から「肉を食わない人」になってしまい、ここまでの実証的な追求は最早できないので、なおさら「すげえ執念だなあ!」と、感動すらしてしまったのだった。
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