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2022年12月に作成された投稿

2022年12月31日

旅好きの虫が騒ぐので・・・

私は 2015年の 8月で日本全都道府県制覇した(参照)。しかも、ただ行ったとか通り過ぎたとかいうのではなく、全ての都道府県で一泊以上の宿泊をしているので、結構身が入っている。

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これは日本のあちこちに行っていろいろな取材をするという仕事のおかげで、ほとんどは仕事上の出張としての旅である。ところが一昨年あたりからコロナ禍の影響で出張がめっきり減り、私の中の旅好きの虫が空しく騒ぐことになってしまった。

コロナ禍が本格化する 2020年より前の記録を見ると、2019年には年間で 24回出張しており、月に 2回というペースである。それが、コロナ禍が本格的に問題になり始めた 2020年にはほぼ半分の 13回に減った。

そして去年の 2021年は 6回に減り、そのうちの 1回はプライベートな飛騨の旅だから、出張は 5回だけである。さらに今年 2022年はプライベートの裏磐梯への旅を含む 5回だから、出張はわずか 4回。これはもう「激減」と言っていい。

上の図は、赤丸が 2019年、緑丸が 2020年、青丸が 2021年、茶丸が 2022年の行った先を示している。一見しただけで 2019年の赤丸が飛び抜けて多いことがわかるだろう。

今後、コロナ禍が収まったとしても、私も既に 70歳を過ぎてしまったので、以前ほど頻繁に出張するということはなくなると思う。ということは、自分であちこち旅をしないと、旅好きの虫が騒ぐばかりということだ。

思い出してみると、去年と今年の飛騨と裏磐梯へのプライベート旅行は、仕事が絡んでいないので思い切り行きたいところに行くことができた。これで少し味を占めたので、年が明けてからもいろいろな所に自前の旅をしてみたいと思っている。

とりあえずは、28日の記事で触れた日本三名泉制覇への手始めとして、群馬県草津だな。ついでに群馬サファリパークにも寄ってみたい。実は子どもの頃からライオンや虎などの動物には思い入れがあって、一度は行ってみたいと思っていたのだ。

というわけで今年はいろいろと大変な年だったが、何とか元気に越せそうだ。それでは皆さんもよいお年を。

 

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2022年12月30日

「あけおめ」とか「メリクリ」とか

2022年の年賀状で「年賀状じまい」を宣言したので、年末の片付けや掃除でバタバタしてはいるが、大量の葉書印刷の手間からは解放されている。ブログ上では 2023年の年賀状を画像で公開する予定だが、インクジェット・プリンターを延々と稼働させることがなくなって、ちょっとした開放感だ。

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ところで正月に「あけおめ」とか「ことよろ」とか言うのはかなり前から知ってはいたが、クリスマスに「メリクリ」なんて言うことを初めて知った。妻に「それって、だいぶ前からよ」と年寄り扱いされ、調べてみると BoA が 『メリクリ』という歌を歌ったのが、2004年のことだったらしい。

いやはや、そんなこととはちっとも知らなかった。それどころか、バレンタインデーの「ハピバレ」も既にあるらしいし(参照)、誕生日に「おめたん」(参照)なんて言うのまであるという。いやはや、語感なんてどうでもいいみたいで、世の中というのはまったく油断がならない。

「省略コトバ」ということなら、Goo ランキングに "実は「略語」だった意外な言葉ランキング" というページがあり、1位から 9位(9位は 2語)として次の言葉があげられている。括弧内は元の言葉ということのようだ。

  1. ボールペン (ボールポイントペン)
  2. 食パン (主食用パン)
  3. 教科書 (教科用図書)
  4. 経済 (経世済民)
  5. 切手 (切符手形)
  6. 演歌 (演説歌)
  7. レーザー (省略、下を参照)
  8. レーダー (同)
  9. 割り勘 (割前勘定)、軍手(軍用手袋)

演歌」の元の言葉が「演説歌」というのは意外かも知れないが、発祥は自由民権運動時代のプロテスト・ソングだったのだよね。初めは街頭でバイオリンを弾きながら歌っていたようだ。一番それらしいのが、こちらで聞ける。

問題は「レーザー」と「レーダー」で、それぞれ「ライト・アンプリフィケーション・バイ・スティミュレイテッド・エミッション・オブ・ラジエーション」「ラジオ・ディテクション・アンド・レンジング」なんてカタカナで記されているが、これじゃ単に目がチラチラしてしまうだけで意味をなさない。

「レーザー」(laser)は "Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation" で、「レーダー」(radar)は "Radio Detecting and Ranging" と書いてくれる方がずっとわかる。この 2つは、ほかの日本語流「略語」とはちょっと性格が異なるよね。

日常の言葉としては、「入試」(入学試験)、「追試」(追試験)、「卒論」(卒業論文)、「就活」(就職活動)など、学生言葉として当たり前に使われているのが目立つ。この学生と省略コトバは相性がいいのかもしれない。

さらに近年のヒット(?)は「パワハラ」(パワー・ハラスメント)と「セクハラ」(セクシャル・ハラスメント)だろう。あんまり愉快な言葉じゃないけど。

ところで私の個人的なお気に入りは、演劇用語の「ブタカン」だ。これは豚肉関連の "BUTA-KAN" じゃなく、「舞台監督」の略なので

Yoroshiku4

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2022年12月29日

人間が面倒なドツボにはまって苦労する構造

Gigazine に "「Safari の日付を選ぶ仕組み」がカスタマーサポートに寄せられる苦情の 3分の1を生み出していたという報告" という記事がある。どういうことなのかと思って読んでみて、「はあ !?」とコケてしまった。ただこれって、こうしたことに慣れない老人にはかなりマジな話なのだろう。

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この問題を報告したのは、高血圧薬を推奨するシステムを提供する Geneticure の創設者、ロバート・トーマス氏という人だそうで、この組織に寄せられる苦情の 3分の 1が、Safari に表示される日付選択画面の、上の画像(日本語版 Safari では、当然日本語になる)に関することなのだそうだ。

自分の生年月日を入力する際にこの画面を前にすると、少なからぬ老人は自分の生まれた月に戻すために、右上の赤で囲まれた部分の左向きアイコンを延々とクリックして 1月ずつ戻るのだそうだ。ということは、12月生まれの 60歳だと 720回もクリックしなければならない。そりゃ、疲れるわ!

実際には「年」を遡るには、左側の ”December 2022 >” の右向きアイコンをクリックすれば、下のような表示が現れ、スクロールすれば自分の生まれ年が呆気なく表示される。ただ私のように 70歳にもなると、1952年まで結構長くスクロールしなければならないのがちょっと癪に障るが。

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こんなのは別に考えるまでもなくごく自然に反応できてしまうものと思っていたが、慣れない人には左上のマークで「年」を表示するなんて、なかなか発想すらできないみたいなのだね。いやはや、この記事を読むまでそんなこととは思いもよらなかった。

「デジタル・システムは、人間が楽するために作られたもの」という当たり前の前提に立ちさえすれば、順当なやり方にすぐに気付けるはずなのだが、ことはなかなかそうは行かない。逆に「デジタルって、面倒なもの」と思ってしまっている人は、魅せられたように面倒なドツボにはまって苦労する。

人間って心の中の思い(例え無意識的なものだったとしても)を実現したいという自然の欲求をもっているから、どうしてもそうなってしまいがちだ。このあたりはデジタルに限らず、日常生活でも見当外れな思いにとらわれないように、マジに気をつけなければいけないのだろうね。

 

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2022年12月28日

「日本三大チョメチョメ」について

12月 25日付の「連続 19年毎日更新」達成記念の記事(参照)を書いているうちに、自分が「日本三名泉」のどこにも行っていないことに気付いた。「7年前に日本全都道府県制覇を達成した温泉好きの自分が三名泉に浸ったことがないのは、我ながら意外である」と書いている。

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日本三名泉というのは、草津温泉(群馬県)、下呂温泉(岐阜県)、有馬温泉(兵庫県)である。こうなったら、生きているうちにこの三名泉もカバーしておきたいので、とりあえずは来年の春頃に、手始めとしてそれほど遠くない草津温泉に行っておきたいと思っている。

「日本三(大)チョメチョメ」というのは数々あるが、Nippon.com に ”「日本三大〇〇」の知名度最高は「三景」、続いて「名園」「夜景」" という記事がある。知名度最高という日本三景、宮島(広島県)、天橋立(京都府)、松島(宮城県)については、次のように書かれている。

これについて「2つは分かる」と答えた人は11.5%、「1つは分かる」と答えた人は30.5%で、「3つとも分かる」と合わせると7割以上に及んだ。また、「1つも分からない」との回答も29%あった。

「3つともわかる」と「1つもわからない」が同じ 29% ということは、日本人の半分以上が「すべてか無か」なのだね。この程度は常識問題と思っていたがなあ。

ちなみに日本三景は、一応すべて訪れている。ただ、天橋立は夕方にチェックインしたホテルの部屋の窓から眺めただけ(参照)なのだが、まあ気は心ということで「行った」ということにしている。

「日本三名園」は、兼六園(石川県)、後楽園(岡山県)、偕楽園(茨城県)で、これらはしっかりと複数回訪れている(参照)。とくに偕楽園は茨城県内なので、5回以上行っていると思う。

日本三大夜景となるとちょっと難易度が上がり、函館山(北海道)、摩耶山(兵庫県)、稲佐山(長崎県)なのだが、私は函館山と稲佐山には行ったことがあるものの、いずれも明るいうちだったので生の夜景は見たことがない。まあ、是非見ておきたいとも思わないので、写真を見るだけで後はパス。

それから「日本三大急流」というのもある。富士川(長野県、山梨県、静岡県)、球磨川(熊本県)、最上川(山形県)のいずれも間近で眺めたことがあり、とくに最上川に関しては、私はその河口の酒田で生まれたので、お馴染みなんてものじゃない。

さらに、このブログでは過去に "「日本三大火防神社」の謎" と "「日本三大がっかり名所」というもの" という記事を書いているので、興味のある方はクリックしてみていただきたい。

 

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2022年12月27日

騙される人がいるから、なくならないんだろうね

スマホに国税庁から「重要なお知らせ」というメッセージが届いた。インターネットのページへのリンクが張ってあり、「必ずお読みください」なんてことになっている。

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しかしそもそもの話として、国税庁が SNS なんかで「重要なお知らせ」を送ってくるわけがないし、リンク先の ”duckdns.org" は詐欺メールの代名詞みたいなものだ(参照)。NHK 北海道 NEWS WEB に今回のケースと思われるニュースがある(参照)。

道内では 19日、札幌市と深川市で架空請求詐欺とみられる不審なメールが 2件確認されました。(途中省略)

文面には URL が添付されていて、クリックすると「未納料金があるので期限までに支払うこと」と書かれていたということですが、メールを受け取った人が詐欺の手口と知っていたため被害には遭いませんでした。

なるほど、確認されたのは「2件」で、被害はないということだが、実際には何千通も送られているのだろうし、中には騙されて送金してしまった人もいただろう。さらに自分が詐欺に遭ったことに気付いてすらいない人もいるだろうから、厄介な話である。

このほか IPA(情報処理推進機構)のサイトでは、「携帯電話会社、銀行、Google 等を装い、アカウント情報(ID、パスワード)等を入力させる」という手口も紹介されている(参照)。言われるままに入力してしまうと、スマホ内のデータや SMS が不正使用され、次のような被害につながる。

  • 携帯電話会社が提供するキャリア決済サービスにて、身に覚えのない請求が発生した。
  • 自分が所有しているアカウントを不正使用された。
  • フリーマーケットサービス、後払い決済サービス、その他のアカウントサービス等にアカウントを勝手に作成され、不正使用された。

あるいは直接「送金しろ」というものより、こっちの方が騙されやすいかもしれない。下手すると、誰かさんがネットショッピングしまくったツケだけが廻ってくるということになる。

というわけで、こんなメッセージが届いても無視すればいいだけのことなのだが、実際に騙される人がいるから、いつまで経ってもなくならないんだろうね。個々の被害額は多分それほどのものじゃないだろうから、大問題になりにくいみたいなのだ。鬱陶しいことである。

 

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2022年12月26日

年寄りの自転車運転の危うさ

最近は「高齢化社会」と言われるだけに、私の住む茨城県でも老人比率がやたら高く、周辺の道路は年寄りの運転するクルマや自転車だらけである。下の動画のように高速道路を自転車で逆走するなんてのは、さすがにナマでは見たことがないが、とにかく日常的な場面でも危なっかしくてヒヤヒヤする。

ちなみにこの動画の昭和からタイムスリップしてきたようなジイさんは、いつも自転車で右側通行しているので、違和感なくこんな走り方ができたんだろう。自転車のヘルメット着用「努力義務」なんてポーズ的な施策より、自転車の右側通行を本格的に厳しく取り締まってもらいたいところである(参照)。

私の住むつくばの田舎はとくに年寄りが多く、その比率は今後ますます高まるのだから、充分に気をつけなければならない。ちなみに最近クルマを運転している時に、細い脇道から急に年寄りの自転車が飛び出してきて、慌てて急ブレーキをかけたケースが立て続けに 3度ほどあった。

3度のうちの 1度は、こちらが県道をクルマで走っているとき、前方左側の小路から自転車のジイさんが現れた。このジイさん、ちゃんと一時停止して左右確認し、私としっかり目も合わせていたのだが、どういうわけかこともあろうに、こちらのモロ直前で県道を横断し始めたのである。

私は肝を潰しながら渾身の力で急ブレーキをかけ、辛うじて停まったのだが、ジイさんは何も気付かない風情でそのまま行ってしまった。こちらとしてはショックで 3秒ほど動けなかったほどである。

こう言っちゃナンだが、あのジイさん、結構認知症が入ってるんだろうね。その時の私はあまりスピードを出していなかったのでギリギリで停まれたし、後ろから来るクルマもなかったので、追突なんかもされずに済んだ。今から思えば「不幸中の幸い」ってやつである。

残る 2回も同じ県道の同じ小路から、左右確認をまったくしない年寄りの自転車が飛び出してきて、やたら大きく膨らみながら左折したというケースである。「魔の小路」と言いたくなるほどで、最近はこの地点にさしかかったらスピードを落とすようにしているほどだ。

年寄りの場合、クルマの運転はやたらゆっくりということが多いので、後続車がイライラするもののそれほどの危険を感じることはない。本当にアブナいのは自転車である。これから老人比率はますます高くなるので、よほど注意しなければならない。

年寄りの危うさをまるで他人事のように書いてしまったが、スポーツ・タイプの自転車をガンガン乗り回してヒルクライムなんかもしちゃってる(参照)私としても一応「高齢者」ということになっている。ということは、自分自身もこれまで以上に慎重に走らなければいけないのだろうね。

 

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2022年12月25日

「連続 19年」ということを巡る冒険

私事で恐縮だが、今日でこのブログの「連続 19年毎日更新」を達成させていただいた。2003年 12月 26日からこっち、ずっと毎日更新を続けているので、今日が 19年目ということになる。

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もっとも「連続 19年」は、平行して続けている "Wakalog"(和歌ログ)の方が一足早く 12月 1日に達成している(参照)。いやはや、我ながら物好きなことである。

この際、何か他のことにあやかってもいいかなと思い、「連続 19年」というキーワードでググってみたところ、「安立美術館、19年連続 1位 米誌の日本庭園ランキング」というのと、「19年連続でレンズ交換式デジタルカメラの世界シェア No.1 を達成」という Canon の記事がまず見つかった。

さらに「野球が 19年連続で最も好きなスポーツ 1位」「おかげさまで 草津温泉 19年連続第 1位」というのもある。というわけで「連続 19年」というのは、目立ったところではとりあえずこの 4つぐらいのもののようなのだ。

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私のブログなんて、これら 4つの偉業と比べれば小さなものでしかないが、こちらは「年単位」ではなく「一日ごとの積み重ね」ということでもあり(つまり 6,940日 毎日更新)、しかも 2つのブログを平行してのことなので少しは誇ってもいいかなと、自己満足気分を味わっているところである。

とりあえず、島根県安来市の足立美術館というところに行ってみたくなったし、今回の検索の副産物として、最もファンの多いプロ野球チームは阪神(404万人)で、巨人(2位で 373万人)じゃないんだという、ちょっと意外なことまでわかった。ちなみに広島は 3位(214万人)らしい。

関連で「意外」といえば、草津温泉というのは「日本三名泉」の 1つに数えられ、残る 2つは兵庫県の有馬温泉、岐阜県の下呂温泉なのだが、私はこの 3つとも行ったことがないと気付いた。7年前に日本全都道府県制覇を達成した温泉好きの自分が三名泉に浸ったことがないのは、我ながら意外である。

とくに去年の 3月は岐阜県高山市(下呂温泉はすぐ近く)まで行っている(参照)のだから、今から考えればかなり惜しいことだった。こうなったら今からでも遅くないから、「日本三名泉制覇」を目標としてもいいかもしれない。

さらにこのまま行けば来年は「20年連続毎日更新」というより大きな節目となる。まあ、体調に気をつけて気楽に続けて行こうと思っているので、どうぞ

Yoroshiku4

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2022年12月24日

Silly Walks(バカ歩き)の真っ当な効用

TECHNO EDGE の "モンティ・パイソン「バカ歩き」に心肺機能を高める健康効果、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルが掲載" という記事に嬉しくなってしまった。元記事は、"Quantifying the benefits of inefficient walking: Monty Python inspired laboratory based experimental study"。

ただ、モンティ・パイソンと言っても、最近の人たちはよく知らないかもしれない。70年代のカウンター・カルチャーを謳歌した我々世代には、妙な意味での「アイドル的存在」なのだが(参照)。

上の動画は "Ministry of Silly Walks"(バカ歩き省)というタイトルで、Silly Walks が世に注目されるきっかけとなった輝かしいスケッチである。真似してみれば確かに結構疲れるので、心肺機能は高められるのだろう。ただ、目的は決してそこにあるわけじゃないのだが。

ちなみに元記事はまじめな医学系メディアなので、"inefficient walking" (非効率な歩き方)なんてカタい言い方をしているが、要するに "silly walks"(バカ歩き)のことである。なるほど、あれって非効率と言えばかなり非効率だよね。

この歩き方はその非効率さのために、5分間で「ランニングやスイミングを 8分ほど続けて行ったのと同じぐらい激しい運動に相当する負荷がかかる」ことが確認されたという。つまり走ったり泳いだりするよりしんどいってことで、ダイエットや健康増進に効果が期待されるというのも道理である。

ただ念のため重ねて言うが、この歩き方はダイエットや健康増進を目的としているわけでは決してない。何しろ「バカ歩き」というほどなので、目的なんてことは意識しない方がいいのだろう。

この記事にしても、"どうしても試したい場合は、ウォーキングで人目のない路地に差し掛かったときなどに、軽く試してみるのが良いかもしれません" と、控えめな書き方をしている。あまり堂々とやったら、「あいつもついにイッてしまったか」なんて思われちゃうからね。

こんなことならフツーに走ったり泳いだりする方がずっとマシのようにも思われるが、注目すべきは、この記事の次のような結論だろう。

バカ歩きをした被験者はみんなが笑顔になったと報告しました。仲間どうしで互いのバカ歩きを、笑いあうことができれば、心理的な健康にも良さそうです。

なるほどなるほど。おまじめな医学系メディアとはいえ、さすがに英国だけのことはある。「笑い」こそが真っ当かつ最大の効用なのだろう。

というわけで、Merry Christmas!

 

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2022年12月23日

「もみじマーク」と、自民党政権の「年寄り優遇」

先月 18日付の " 「もみじマーク」を貼っちゃったのだが" という記事で、四つ葉みたいなマークが気に入らないので、さっそく Amazon で「昔のもみじマーク」を注文したと書いておきながら、その後の報告をすっかり忘れていた。

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「昔のもみじマーク」は間もなく届いたのでさっそく貼り替えてみると、ご覧の通り、ずっとシンプルですっきりしている。下に新しい方のマークを示すので、比べてみてもらいたい。みんな、よくこんなわざとらしいのを付けていられるなあ。

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このマークについて改めて Wikipedia で調べてみると、正式には「高齢運転者標識」なんて言うのだそうだ。その変遷を時系列でまとめるとこんな具合になる(太文字部分に注目)。

  1. 当初のマークは 1997年の改正道路交通法で、75歳以上の努力義務として設けられた。
  2. 2001年の改正で 70歳以上となる。
  3. 2008年の改正で罰則有りの義務に変わったが、高齢者の反発が大きく、翌 2009年に努力義務に戻る
  4. 当初のデザインは「枯れ葉マーク」や「落ち葉マーク」などの俗称で、当の高齢者に不評だったため、2011年に現行のものに変更された。

私としてはつい最近まで 70歳以上のドライバーは付けるのが義務なのだと思っていたのだが、実は一度義務化されたものの直後の反発が大きかったため、すぐに「努力義務」に戻されたという経緯があるようなのだ。ということは付けなくてもいいってことだが、まあ、せっかくだから取らないでおこう。

そして当初のマークは「年寄りくさくてイヤだ」と不人気だったため、現行マークはことさらなまでに緑色なんかを配しているというわけなのだろう。それでかえってわざとらしい悪趣味になっているのだが(参照)、多くの年寄りはそれについては全然構わないと思っているらしい。

自民党政権ってこんな具合に、年寄りの声にはどうでもいいトンチンカンなことまで含め(あるいは、トンチンカンなことほど)、きめ細かく対応するのだね。一方、若い層の声がなかなか政治に届かないのは、選挙での投票率が年寄りに比べて圧倒的に低いせいなのだろうが、これってやっぱりムカつく。

というわけで、今年で古稀(70歳)を迎えたくせに、フツーの年寄りとはなかなか話が合わないので、その辺りご配慮のほど、

Yoroshiku4

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2022年12月22日

イーロン・マスクの Twitter CEO 退任を一応歓迎

イーロン・マスクが「自分は Twitter のトップから降りるべきか?」とアンケートしたところ、"Yes" が 6割近くの 57.5% となったため、それを受けて、退任すると表明したんだそうだ(参照)。それでも独占的な大株主であることには変わりないが、一応の形としてはトップじゃなくなるわけだ。

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辞めるという表明も、彼独特の「負け惜しみ/空威張り」的もの言いで、こんな tweetである(以下、tak-shonai による翻訳)。

私はこの職に就くという十分にお馬鹿な誰かさんを見つけ次第、できるだけ早く CEO を退任する!  それ以後、私は単にソフトウェアとサービスのチームを運営する。

ということは、その「十分なお馬鹿さん」が見つかるまでは CEO に留まるってことなのだが、まあ、近いうちに実際に辞めるものとして話を進めるほかないだろう。そのうち見つかるだろうお馬鹿さんの馬鹿さ加減が、イーロン・マスクほどではないことを期待して。

私は長らくこのブログと和歌ログの更新通知を Twitter 上で行ってきた(参照)。しかし先月 17日に「Twitter はボイコットする方がよさそうだ」という記事を書いて以来、実は密かに移転先を物色しつつ Twitter から去るタイミングを見計らっていたのである。

ところが彼が一応とはいえ CEO ではなくなるというなら、ボイコットはしなくていいかもしれない。しばらくは動向をウォッチし続ける必要があるが、このところの不愉快な方策が新しくトップになるお馬鹿さんによって軌道修正されることを期待する。

というわけで本日は、彼の CEO 辞任表明をとりあえず歓迎しておくという話なので、

Yoroshiku4

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2022年12月21日

自転車のヘルメット、「努力義務」になるらしいが・・・

来年 4月から自転車に乗る場合は、年齢を問わずヘルメットを着用することになるらしい(参照)。ただ、それって「努力義務」なんだそうで、法律方面の素人としては「それって、要するにどういうこと?」と言いたくなってしまうじゃないか。

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そこで例によって Wikipedia を覗いてみると、こんな風に書いてある(参照)。

努力義務(どりょくぎむ)とは、日本の法制上「〜するよう努めなければならない」などと規定され、努力義務に従わなくても刑事罰や過料等の法的制裁を受けない作為義務・不作為義務のことである。

かなりまどろっこしい言い方だが、想像力をフル稼働して要約してみるに、「一応の決まり事なんだけど、破っても別にどうってことないからね」ってことのようだ。いずれにしてもやたら曖昧な話である。

街を眺めてみれば、この辺で自転車通学してる中学生は「学校の押しつけ」らしい赤線入りの白ヘルを被っているが、私なんかこれを見ると昔の革マル派を思い出してうんざりしてしまうのだよね。

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とにかくやたらダサダサの上に、夏は暑いだろうから、彼らが通学以外で着用したがらないのは無理もない。

さらに「ケンケン乗り」のオバチャンたちも、ヘルメットを着用してる姿なんてついぞ見たことがない。この人たちは何しろ地上最強(最凶)の存在だから(参照 1参照 2)、来年 4月になっても「近所の買い物は別でしょ」ぐらいにしか思わないだろう。

私自身は 8年前にクロスバイクを購入して自転車ライダーに戻って以来、ずっとヘルメットを着用しているから今回の変更は別に関係ない。ただ上述の如く、別の意味で「カンケーない」と思ってる人はいくらでもいるはずだ。てことは、来年は夏になっても秋になっても、大きな変化はないだろう。

警察もパトカーで走っている時にノーヘルのオバチャンを見かけても、多くはスルーしちゃうだろう。というのは、見かけるたびに停まって注意していたら、まともな仕事にならないからね。ということは、来年 4月以後もこれまでと大して変わらないってことだ。

いつまで経っても、クルマを運転する時はノーヘルの自転車乗りに十分注意しなければならない。とくにケンケン乗りの傘さしオバチャン(日傘さしおばあちゃんを含む)に。

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2022年12月20日

近頃のネット・スラングがちょっと難解すぎて・・・

Togetter にムラキさんという方の書き込みで、「今北産業」というのがある(参照)。チャットにそう書き込もうとしたが、古(イニシエ)のオタクしかわからなそうなので、「3行程度で状況を教えてもらえませんか」と書き直したのだそうだ。

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申し訳ないことにこれ、さっぱりわからなかったので調べてみると、こういう意味なのだそうだ(参照)。

「今スレッドに来た(今北)ばかりなのでスレの流れを教えてほしい。でも長いのイヤだから 3行(産業)で説明して」という言葉を略した言葉です。

なるほどね。先月の 23日は "「おまいう」という言葉を初めて知った" (「おまいう」は「お前が言うな」の省略形らしい)という記事を書いているが、近頃のネットスラングの世界はかなりの奥行きになってしまっているようなのだね。

ちなみに、下の方の小夜さんという方のコメントの「笑うときに大草原不可避とつけるともっといいですよ」というのはさらにわからず、調べると、こんなことのようなのだ。

「大いに笑ってしまう」「爆笑せざるを得ない」といった意味で用いられるインターネットスラング。「笑い」の意味で用いられる「w」が「草」と呼ばれるようになり、笑いの程度の大きさを「草原」「大草原」と表現されるようになり、「これで笑わない奴はいない」という意味で「草不可避」と表現されるようになり、総合して「こんなん誰でも大爆笑してしまうわ」という意味で「大草原不可避」という語にまとまっている。

いやはや、こんなの、さっぱりわからんわ。

ただ、「日本のネットスラング一覧。カキコ、キボンヌ、wktkはもう死語?」というページで紹介されてるスラングは、今わかったばかりの「今北産業」を含めて大抵わかったので、まんざら捨てたものでもないかもしれない。

それにしても、言葉というのは変化するものだなあ。

 

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2022年12月19日

「規制」が解けても「帰省」はしないという風潮

FNN の世論調査で、この年末年始の過ごし方で「帰省も旅行もしない」という回答が 75.4% を占めた(参照)。去年の同様の調査では 79.5% だったというから、4.1% 少なくなったわけだが、大多数は「家にいる」ということで、「正月だからと言って、別に・・・」という意識が定着してしまったようだ。

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思い起こせば年末の帰省というのは、実はなかなか大変なことだった。1ヶ月も前から飛行機や列車の座席を予約し、帰省当日は朝早く家を出てラッシュの中を空港やターミナル駅に向かう。そしてかなりの混雑に揉まれながら座席に着くが、下手すると雪のせいで大幅に遅れてしまったりもする。

ようやく田舎の実家に辿り着いても、そこで特別にいいことがあるわけでも何でもない。しばらくダラダラと過ごしたら、また U-ターンラッシュに揉まれて、都会に戻ってくる。それだけのことだ。

だったら「コロナ対策」に名を借りて、帰省なんてしないで済ます方がずっと楽だろう。せっかくの休暇なのだから、家でのんびり過ごす方がずっといい。

そんなこんなで、今年はいろいろな「規制」が解けたわけだが、だからと言って「帰省」がどっと増えるわけでもなんでもないようなのである。このまま、「年末年始は帰省するもの」という風潮が薄れていくんじゃないかという気さえしてしまう。

別に実際に帰省しなくても、ネットでお互いの顔を見ながら触れ合うことは充分にできるのだし、「時代は変わった」で済ませてもとくに何の問題もないのだろう。

 

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2022年12月18日

「予測」という言葉の誤用について、再び

下の画像は、2015年 9月 7日(つまり 7年以上前)に書いた "「予測」という言葉の誤用" という記事の冒頭である。こんな過去記事を今さらながら持ち出したのは、最近とみに「予測」「予想」という言葉の誤用が気になってしょうがないからだ。

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先日、Softbank からよくわからない通知葉書が来た。記された問い合わせ先の番号に電話をしても「ただ今、回線が混み合っています」というお約束の自動音声が繰り返されるばかりである。

それで外出のついでにちょっとショップに寄ってみたところ、契約時点にあった 3G 回線が来年夏に消滅するのでどうのこうのという、どうでもいい話だった。さらに私は最近 Softbank から格安のキャリアに乗り換えたばかりなので、無意味さがますます目立つ。

この時に対応してくれたのは若い女性スタッフだったが、私が「こんな無意味な通知が来たのは、〇△〇△・・・ だったからかもしれないね」と、私のケースの特殊事情に絡めて言ったところ、彼女は「私もそう予測します」と答えた。これが私の言語感覚をムッとさせたってわけだ。

つい、「それって『予測』じゃなくて『推測」だよね」と言うと、彼女は「あっ、すみません」と反応したが、実際にはあまりよくわかっていない風情だったので、それ以上の追求をする気にはなれなかった。

言うまでもなく「予測」というのは「予め推測すること」で、つまり「事の成り行き結果前もっておしはかること」(参照)という意味だから、私が急に持ち込んだ疑問の答えを「予測」するなんてあり得ない。さらに言えば、答えがほとんど出てしまってから「予測」なんかされてもしょうがない。

今回の問題がもし頻発事項で、原因が明らかなのだとしたら、それならそれで「予測」なんて言わずに「よくあるケースなんですよね」とか言えばいい。というわけで、こうしたケースで「予測」という言葉を使うのは明らかに誤用で、違和感そのものである。

最近は「推測」というべきケースで「予測」とか「予想」とか言う誤用が目立ち、かなりイライラしているのだが、「予測 予想 言葉 誤用」というキーワードでググってみても上述の私のページが見つかるだけで、ほかにはほとんど見当たらない。この誤用を気にしている人はかなり少ないみたいなのである。

これには驚いてしまってしつこく検索したところ、ようやく下のコメントが見つかった。(画像クリックで、リンク先が表示される)

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これは 2014年(つまり私の前回の記事の 1年前)の ”Twitter で「軽率に」の使い方が変化している? ニュアンスの解釈で議論に” という「はてなニュース」へのコメントとして Ashikus さんという方が書かれたものだ。念のため、以下にテキスト化しておく。

「予想」という言葉を単に「推測」の意味で使っている例なんかはネット普及前からよく見ます。「この時彼が何を思ったかは予想できない」みたいな。探せばこの手の誤用は結構見つかるでしょう。

「軽率に」の使い方が多少変化していても、ある程度までは許せる気がするが、「予想」や「予測」は「あらかじめ」(前もって)という意味の「予」という漢字がある以上、「この時彼が何を思ったかは予想できない」なんていうのはどこまで行っても完全に誤用としか言いようがない。

こうした誤用はもっと問題にされていいと思うのだが、多くの人たちにはあまり気にならないのかなあ?

 

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2022年12月17日

中国の「ゼロコロナ」政策が、完全破綻のようだ

時事ドットコムニュースに "中国、コロナ死者急増か 火葬場に列、公式発表「ゼロ」 国産ワクチン依存で重症化リスク" というニュースがある。

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当ブログでも 4日前に ”「パブロンゴールド」が品薄になるかもという話” という記事で、中国の「ゼロコロナ政策」が破綻し、コロナ感染者を強制隔離しなくなった代わりに、「自分で治せ」ということになったと書いた。要するに「感染者が増えすぎて、面倒見きれん」ということなのだろう。

中国では「正確な数字を把握できない」という理由で無症状感染者数の発表を取りやめたため、公式的には感染者数「ゼロ」という「建て前的発表」が継続している。ところが実体としては、爆発的な感染増加のため、「パブロンゴールド大量買い占め・転売」なんて話まで出ているわけだ。

さらに中国で摂取されているワクチンは国産しかなく、欧米製に比して効果が薄いだけでなく重症化リスクも高いと言われる。こうした状況のため、「北京市東部の火葬場の外では、遺体を乗せた車が長蛇の列を成し」ているという。

こうしたところから、習近平によるほとんど独裁的な政権運営にもほころびが生じかねないとまで言われるのだから、目が離せない。

ところで、私も先日、5回目のコロナ・ワクチンを摂取してきた。今回のは「オミクロン株対応」というものだそうで、その違いのせいなのかどうか知らないが、注射の時はこれまでと比べて全然痛くなかった。

前の 4回は 「ブスッ」と突き刺された感じだったが、今回は「スッ」という感じでしかなかく、翌日の痛みも全然大したことがなかった。前 4回は寝返りを打つ時にちょっと痛かったが、今回は全然気にならなかったのだから、かなりの違いである。

それでも中には、翌日は気分が悪くて寝込むなんていう人も少なくないらしいから、私は幸いなことに、副反応が軽い体質なのだろうね。

 

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2022年12月16日

雪のニュースがすごい

関東は 14日の水曜日から 3日連続で上天気である。これは西高東低の冬型気圧配置が続いているということで、日本海側は雪になっていることを意味する。

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上の写真をクリックすれば、多分 2〜3日の間は NHK のニュースサイトに飛んで、北日本の大雪の情報を動画で見ることができる。山形県の新庄市はご覧の通り、すっかり雪景色で、新庄市に近い大蔵村肘折というところは 95㎝ の積雪と報じられていた。

ところが本日の気象庁のページの情報では、肘折の積雪は 142㎝ となっており、1日で 47㎝ 上乗せされたということになる。肘折というところはいい温泉の出るところで、私も何度か行って湯に浸った覚えがあるが、もちろん冬以外の季節である。冬はヤバ過ぎだ。

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我が故郷の酒田は、まだ積雪が記録されていないようだが、同じ庄内の鶴岡市櫛引は 15㎝ の積雪となっている。酒田という所は海に面した港町で、北西季節風をまともに浴びて強烈な吹雪になりやすいが、それほどには積もらない。ところが「地吹雪」というのがすごいのである。

要するに、空から降って来た雪が地吹雪でぶっ飛ばされるので、積もりにくいのだ。その代わり、「吹きだまり」はスゴいことになるが。

何しろ人間がフツーの都市生活をしているところとしては「世界最凶のブリザード地帯」といわれるほどで、雪は上からというより「横から、下から」吹きつける。それについては、2014年 12月 18日の「大雪見舞い」という記事に詳しく書いてあるので、時間があったらお読み頂きたい。

酒田で吹き飛ばされた雪は、山に囲まれた新庄とか肘折とか尾花沢辺りにとっぷりと積もるわけだ。山形県の民謡『花笠音頭』に「♫ 花の山形、紅葉の天道、雪を眺むる尾花沢」と歌われるのはダテじゃない。

これから来年の春が来るまでは、何となく大変な冬になりそうな予感がする。ここ数年暖冬気味で、冬の厳しさを忘れかけていたが、覚悟して冬を越そうと思っている。

【12月 17日 追記】

そういえば、地吹雪がモロに味わえる動画付きの記事を、昨年の 1月 7日に書いていたんだった。お暇があればどうぞ、こちら へ。

 

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2022年12月15日

「手話」を巡る冒険

今日の TBS ラジオ「荻上チキ・セッション」の特集は、"基礎から学ぶ手話〜「ろうあ者」「手話コミュニケーション」について言語発達と手話研究が専門の研究者と共に考える" というものだった。「専門の研究者」というのは、松岡和美さんという慶応大学経済学部の教授の方である。

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これは Radiko タイムフリーで、こちら をクリックすれば 1週間以内なら聞くことができる。この特集が始まるのは、番組開始から 1時間 6分あたりのところからだが、多くの人たちには初耳だろうと思われる興味深い話が聞けるので、かなりオススメだ。

私が初めて知ったのは、一口に「日本語の手話」と言っても、「日本手話」と「日本語対応手話」というのがあるということだ。「日本手話」というのは、ろうあ者の方々がネイティブな形で身に付けたもので、普通の日本語とは語順が違うなど、かなり文法的な違いがある。

さらに、手の動きだけでなく表情や頭の動きなど、総合的なビジュアル表現となるので、時には「声」で順々に表現するしかない音声言語よりも効率的に大量の情報を伝えることができるらしい。

一方「日本語対応手話」というのは、音で話された日本語を同時通訳的に手話にするもので、ネイティブな「日本手話」とは語順も違ってしまうし、伝えきれない要素がかなり取り残されるので、途中から聞こえなくなった人にはわかっても、生まれつき聞こえない人には理解しにくいという。

そんなわけで、「東日本大震災」の時や、オリンピックの選手宣誓の時に「日本語対応手話」で翻訳されたものは、なかなか伝わりにくかったようだ。手話に通訳するのは「よかれ」と思ってやるわけだが、それが両者にとって「もやもや」の元になってしまうこともあるというのである。

私はこの放送を聞いて、いっぺんに世界が広がったような気がした。これまで身に付けた「音声言語」を元にした言葉以外にも、かなり大きな広がりのある別の「言語世界」があるというのは、かなりの驚きである。

それから番組開始早々に松岡さんが触れていたことだが、生まれたばかりの赤ちゃんは、どの言語の音もきちんと聞き分けられることが証明されているらしい。米国で生まれた英語の家庭の赤ちゃんでも、ヒンディー語独特の音がちゃんと聞き分けられるというのだ。

ところが、その能力が成長につれて失われ、だんだん聞き分けられなくなる。生まれた時にはたくさんの能力をもっているが、だんだんと「要るもの」だけ残るようになってしまうというのだ。

日本人は英語の "L" と "R" の音が区別できず同じ「ラリルレロ」になってしまうというのも、これに当てはまるのだろう。私は中学校時代にかなり英語を聞き込んで違いを身に付けたのだが、これって「新規獲得能力」じゃなく、生まれつき持っていた能力を取り戻しただけということのようなのである。

いやはや、赤ん坊は馬鹿にしたもんじゃない。文字通り「無限の可能性」を持っているのだから、それを大人の浅知恵で潰しちゃいけないってことだ。

 

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2022年12月14日

質屋の高級ブランド品ビジネス

質屋のチラシが投函されていた。紹介されているのは数々の「質流れ品」で、いわゆる「高級ブランド物」のオンパレードだ。

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ローレックスの腕時計 5,980,000円を始め、シャネルのバッグ 358,000円、カルティエのピアス 178,000円、ウィスキー(山崎 18年)128,000円、ルイ・ヴィトンの財布 64,800円等々・・・。今は昔の、バブル時代を彷彿させるものばかりである。言うまでもなく、すべて私の興味の範疇外。

こうしたチラシや広告を目にする度に、こんなもの、誰が質屋に持ち込んで、また誰が買うのだろうと不思議でしょうがなかったが、先日のラジオを聞いていて少し合点がいった。

登場したのは「ギャンブル依存症」対策を行う団体の代表を勤める女性で、この人は自分自身がギャンブル依存症経験者である。そしてそれを克服してからも、その代償として「浪費依存症」にとりつかれた時期があったらしい。

とにかく必要でもないブランド品を買い漁り、2〜3度使ったらすぐに質に入れて、また別の物を買うという繰り返しだったという。当然ながら借金の山となり、返済するのが大変だったと語っていた。

高級品を質屋に持ち込むというのは、こんなようなケースが少なくないのだろう。そしてその質流れ品を買いたがる第二段階の「浪費依存症」といった人たちもいるわけだ。このような構図で、質屋の高級ブランド品ビジネスは成立すると考えられる。要するに「ビョーキ」の産物だ。

私の感覚では、時間を知るだけなら数千円の腕時計があればこと足りるし、それ以上の機能を求めたとしてもスマート・ウォッチがあれば十分だ。自分のもっている Apple Watch (3〜4万円だったかな)でも贅沢品だと思っているほどなのに、百万円超の腕時計なんて考えも及ばない。

私とはほとんど無関係の世界では、「幻想」と「あぶく銭」が激しく行き交っているみたいなのである。世の中、すごいものだなあ。

 

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2022年12月13日

「パブロンゴールド」が品薄になるかもという話

PRESIDENT Online に "中国人が「パブロンゴールド」を買い占める ・・・ 中国のコロナ政策の転換で、日本の風邪薬が売り切れるナゾ" という記事がある。元々「パブロンゴールド」が大好きだった中国人が「ゼロコロナ政策」の転換で、大々的な買い占めに走りそうだというのだ。

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中国の「ゼロコロナ政策」というのは、これまでその言葉は聞いていても内容は正確に知らなかった。私なんか単純素朴に「ちっとも『ゼロ』なんかじゃないじゃん」と思っていたのだが、この記事の筆者、高口康太氏は次のように説明している。

もともとのコロナ対策は、無症状の感染者も濃厚接触者もそれどころか濃厚接触者の濃厚接触者までもすべて隔離してしまう。ついでに、複数の感染者がでたハイリスク区画は封鎖してしまう。というものだった。

なるほど、隔離・閉鎖された「あっち側」にはコロナ感染者がいても、あくまでも「こっち側」ではゼロなんですよという建て前だったわけだ。しかし実際問題としては、そんな理窟であちこち閉鎖しまくったらまともな市民生活が送れなくなってしまう。

こうした中で抗議運動の盛り上がりもあったためか、 12月に入ってからの中国政府の政策はがらりと変わり、以下のようになってしまったのだという。

感染者を無理に見つけ出すことはやめます。濃厚接触者はもちろん、無症状感染者も治るまで家にいていただいて結構です。オミクロンなんて恐くないですから。一応、オススメのお薬リストを用意しておきましたので、それを飲んで寝ておいてください。

というわけで、中国国民は自分や身内がコロナになっても隔離されなくなった代わりに、薬を自分で調達しなければならないことになった。既に解熱剤が品薄状態になってしまってるらしい。

それだけでなく、日本旅行買い物ガイドで「日本十大神薬」の一つに取りあげられる「パブロンゴールド」を買い占めて、中国で転売しようという動きも見られるようなのだ。まったく油断も隙もない。

こうなると、そのうち日本でも風邪薬が品薄状態にならないとも限らない。ちなみに我が家の場合は、8日前の「頼りになるなあ、葛根湯と柴胡桂枝湯!」という記事で書いた「葛根湯」や「柴胡桂枝湯」を常備薬としていて、「パブロンゴールド」なんて飲んだことがないからいいけど。

ただ、葛根湯までわざわざ日本に買い占めに来たりはしないだろうなあ。漢方薬の本家本元たる誇りにかけても。

 

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2022年12月12日

今年の漢字は「戦」なんだそうだ

恒例の「今年の漢字」というのが京都の清水寺で発表された(参照)。「」という文字だったというのは、多くの人が納得するだろう。ウクライナ戦争もまだ続いていることだし。

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このイベントは「漢字能力検定協会」(本部:京都市)が 1995年から開始したもので、毎年 12月 12日に発表されるという。最初の年は「阪神・淡路大震災」や「地下鉄サリン事件」で震え上がったせいで、「震」という漢字が選ばれた。これはさすがに納得だろう。

今年選ばれた「戦」という漢字は、2001年に続いて 2度目であるらしい。21年前は「アメリカ同時多発テロ事件」や、米国による「アフガニスタン侵攻」といった事件があったことを反映しており、その時に書かれた「戦」の文字はこんな具合だった。

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同じ森清範貫主が書かれたものだが、今年とは書体が違う。21年前の「戦」とは中身が違うから、書体だって当然変わるということなのだろうか。

ちなみに過去 5年を遡ってみると、漢字とトピックはこんな具合だったようだ。

こうしてみると、今年の「戦」というのは、最近では最も「取って付けた感」のない、まともな選考と言えそうだ。昨年の「金」は 4度目(4度ともオリンピックのあった年)だし、「北」という漢字になった 2017年なんて、「もう少し何か気の利いた字があるだろうよ」と思った記憶があるもので。

そして最後に恐る恐る書かせていただくのだが、ずっと「今年の漢字」を墨書されている森清範貫主という方の書って、私如きには達筆だか何だか理解できないのだよね。(・・・ 大変失礼致しました!)

 

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2022年12月11日

韓国では来年から数え年が廃止されるらしい

Bloomberg 日本版が「韓国国民のほぼ全員が 1−2歳若返りへ、数え年廃止し満年齢に」というニュースを伝えている。この見出しの前半は元記事の ”Almost Everyone Is About to Become a Year Younger In South Korea" のほぼ直訳で、米国的には「何それ?」って感じなんだろうね。

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とりあえず、日本に住む私としても、「へぇ! 韓国って数え年を採用し続けてたんだ!」と驚いてしまったよ。そんなこととはちっとも知らなかった。

今さら言うまでもないが、数え年方式というのは生まれた時点で「1歳」で、正月を迎える度に 1歳加わるというものである。この方式だと、12月末に生まれた子どもは数日して目も明かないうちにいきなり「2歳」ということになってしまうのだから、いくらなんでも乱暴だよね。

Wikipedia の「数え年」によれば、日本でも昔は数え年で、1873年(明治 6年)の「太政官布告第36号」で満年齢を使用することとなったものの、実際にはしばらくややこしい二重制度が続いたらしい。公式に満年齢に一本化されたのは、その 29年後の 1902年に施行された「年齢計算ニ関スル法律」による。

明治生まれの私の祖父母は、昭和の御代に至っても孫の年齢を数え年で言いたがった。小学校に入学するのは満 6歳の 4月だが、その時点で祖父母は私の年を「数えで 8つ」なんて言うので、幼な心に「本音と建て前」的な二重思考を強いられていた。どっちが本音でどっちが建て前だかわからないが。

それからしばらくして、父と母が「子どもの頭の中が混乱するので、ことあるごとに数え年でどうこう言うのは控えてくれ」と言い渡してくれたので、私としてもすっきりした気分になったのを今でもありありと覚えている。

明治 30年代に制定された「満年齢による年齢計算方式」が、田舎の末端にまで実質的に浸透するには、こうして昭和 30年代まで待たなければならなかったわけだ。実に 60年がかりである。

そういえば、祖父母は私の「誕生日」を全然意識していなかったなあ。「誕生日おめでとう」と言われた記憶がない。孫の成長の区切りは誕生日なんかじゃなく、あくまでも正月だったのだね。

そして韓国では 21世紀に至ってなお「数え年」が公式に採用されているというのだから、驚きだ。韓国も戦前の日本統治下では満年齢を強制されていたのだろうから、独立して数え年に戻したということになる。

そこには「反日本」の意識による反動もあったのだろうが、それとともに東アジアの「数え年」の伝統はかなり根強いものがあると言うほかない。英語で数え年のことを East Asian age reckoning (東アジア的年齢計算)というのも道理である。

ちなみにロイターの「韓国、伝統的な年齢の数え方「数え年」廃止 満年齢に統一へ」という記事には、次のような記述もある。

一方、徴兵制や飲酒・喫煙可能な年齢を計算する際には、生まれた時を 0歳として、1月 1日に 1歳を加算する制度もある。

さらに 1960年代初めからは、医療や法律関係の書類では、出生時を 0歳とし、誕生日ごとに 1歳を加える満年齢が使われている。

これじゃあ、数え年と満年齢の二重制度どころか、三重制度というややこしさだ。韓国では 9月に実施された世論調査で回答者の約 8割が数え年方式の廃止に賛成していたというのもむべなるかなである。

ただこれって、日本の制度に倣うというのでは決してなく、「世界標準」に合わせるって意識なのだろうね。

 

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2022年12月10日

「牛角」という言葉を深掘りしてみる

時々通る道筋に「牛角」という店があるが、肉を食わない私には全然縁がなく、牛の何を食わせる店なのかすら知らなかった。「ステーキ屋」とか「すき焼き屋」とかじゃなく「焼肉屋」なんだ(参照)と知ったのは、つい最近のことである。

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10年近く前に「ソースで天ぷらを食う人たちは、鉄板系コナモンも好き」という記事で、私の生まれた山形県は「お好み焼き不毛の地」と言われると書いた。飲食店に入って、「自分で焼いて食う」という文化がないのである。

そして山形県の中でも私の生まれた庄内は、さらに「焼き肉屋不毛の地」でもある。同じ山形県でも内陸に行けば「米沢牛」などがあるので、焼肉店は少なくないようだが、庄内人はお好み焼き同様、「自分で焼いて食う」ことに馴染めないのだ。最近は少しは変わりつつあるかもしれないが。

おっと、今日はそんなことを論じるつもりじゃなかった。何を書きたかったのかというと、「牛角」と書いて本来は「ごかく」と読むという話である。

最近では「互角」と書いて「ごかく」と読ませる方が主流となっているが、この言葉の語源は「牛角」であるらしい。ウェブ上の「語源由来辞典」の記事には、次のようにある(参照)。

互角は、牛の角に由来する言葉である。
牛の左右の角は長短・大小の差がないことから、二つのものが同等であることを「牛角」と言うようになった。
『平家物語』や『太平記』では「牛角」の表記が見られる。
のちに「互い」の意味から、室町時代以降「互角」と表記されるようになった。

ただ、この記事には残念ながら「牛角」の読みが「ごかく」だったという明確な文言が見当たらないので、念のため、こちら も参照してご確認いただきたい。というわけなので、手持ちの ATOK で「ごかく」と入力しても「互角/五角/五画」の 3語しか候補に挙がらないのが甚だ残念である。

さらに言えば、最近は「互格」という標記もあるようだ。広辞苑無料検索に出ている(参照)。「同格」という言葉があるのだから、自然な変化だろう。しっかりしてくれよ、ATOK。

一方、焼き肉屋の方の「牛角」(こちらは当然「ぎゅうかく」と読むのだろうね)は 1996年 1月、世田谷区の三軒茶屋に『焼き肉市場 七輪』という店名で創業し、翌年に今の店名に変わったらしい。その由来は、Wikipedia に次のようにある(参照)。

(開店の)当時はあまり客が来なかったが、会計の際に300円の割り引きの代わりに店へのクレームを言ってもらい、そのクレームを改善していったところ、繁盛店となった。店名も、牛の角をアンテナに見立てて「お客様のニーズをすばやくキャッチする」という発想から1997年10月、店名を『炭火焼肉酒家 牛角』に変更した。

へえ、あのロゴマークって、アンテナの象徴でもあるようなのだ(参照)。そんなようなイメージはあまり感じられないけどね。

ちなみに、創業当初の名前「七輪」は、当然「しちりん」なんだろうが、下手すると「ななわ」なんて読まれてたかもしれない。そう思って冗談のつもりでググったところ、「七輪」で「ななわ」と読ませる店が山ほど見つかって驚いた(参照)。

実際の話、1980年代以後の生まれだと、「七輪」なんてものは見たことも聞いたこともない人が多くて、ごく自然に「ななわ」なのかも知れないね。

 

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2022年12月 9日

北朝鮮では子どもに「爆弾」なんて名前を付けろと・・・

Gigazine が 12月 8日付で "北朝鮮が子どもの名前を「爆弾」「銃」「衛星」などを意味する愛国的なものに変更するよう命じる" という信じられないニュースを伝えている。自分の子どもにマジで「爆弾」なんて名前を付けたいと思う親なんて、いないだろうよ。

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元記事は Radio Free Asia(RFA)の "North Korea forcing citizens to change their names to sound more ideological" というもので、Hindustan Times の ”North Korea instructs parents to name their children 'bomb', 'gun'. Here's why” という記事も挙げられている。

念のため両方の記事に当たってみたが、ちゃんとした記事でいわゆるガセネタっぽい感じはしない。それだけに、ますますびっくりだ。

RFA の次の記述は、とりわけ興味深い。

In recent years, though, as the county has become more open to the outside world, North Koreans have been naming their children gentler, more uplifting names...

(近年、同国は外の世界によりオープンになり、北朝鮮国民は子供たちにより優しくて幸せそうな名前をつけるようになっていたのだが・・・)

へえ、実は北朝鮮も(具体的にはよくわからないが)少しは門戸を開き気味だったのか。しかしそれによって、同国の官憲には軟弱で「ヤンキーっぽく」(日本の俗語の「ヤンキー」とは違った意味なのでよろしく)感じられる名前が増えたと思われているようなのである。

そんなこんなで、当局から子どもに「爆弾」とか「銃」とかいう名前を付けろとか、付け替えろとかいうことになっているというのだから、まったく困ったものだ。普通の価値感からだと「チョー悪趣味」と言うほかない。

こうした「妙なところで上から目線の難癖付ける」というケースは、一昨日に書いた「イランの道徳警察と、ヒジャブの着用問題」という問題と、底流は共通する。イランや北朝鮮に限らず、日本の学校の「ブラック校則」というのも同様だ。

こんな無茶な価値感を強制されていたら、その結果はかなりねじ曲がったものにならざるを得ないのだが。

 

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2022年12月 8日

既に「年賀状じまい」してしまったのだが

NHK のサイトに "「年賀状じまい」増加か 理由を説明 連絡手段伝える配慮も" という記事がある。昨今は「年賀状じまい」をする人が増えているんだそうだ。かく言う私も今年の年賀状でそれを宣言済みなので、例年なら一仕事となる新年の年賀状印刷から解放されている。

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とはいえおしまいにしたのは「紙の形で郵便で届ける年賀状」ということで、インターネットで公開する年賀状は、今年も作ろうと思っている。このブログでも毎年元日に年賀状を画像でアップしているので、それを中断してしまうのはもったいない。

年賀状と言えば、昔は多くの人が自分で書いたり印刷したりしていたものだが、最近はコンビニなどで売っている出来合いの年賀状を使う人がほとんどのようだ。しかしそれって、下に掲げたようないかにもステロタイプのものばっかりなので、悪いけど私としては到底使う気になれない。

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そんなわけで、何十年にもわたってオリジナルデザインの年賀状を作り続けている。1999年以後は PC で作成しているのでデータとして残っているが、それ以前のものは、あの「プリントゴッコ」で作ったものも含めて残っていないのが残念だ。

というわけで、来年の年明けもインターネット上で年賀状を公開するつもりなので、

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2022年12月 7日

イランの道徳警察と、ヒジャブの着用問題

BBC NEWS Japan に「イランの司法長官、道徳警察を解体と発言……所管する政府機関は無反応」という興味深い記事(12月 5日付)がある。道徳警察というのはイスラム法に基づいた服装規定を女性に強制している組織だが、司法省ではなく内務省の管轄。そして当の内務省は無反応であるらしい。

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上の写真の右に映っているのは、今年 9月に髪の毛を覆うヒジャブを「不適切に」着用していたとして、道徳警察に逮捕され、不適当な扱いにより後死亡したマサ・アミニさん(22)。このことが報じられると、イラン国内の抗議運動はかなり活発になり、道徳警察への反発も強まった。

BBC ニュースは先月以来、この関連で積極的な報道を行っており、以下に挙げた関連記事から読み取れるのは、女性への「イスラム的服装の強制」は、国内でも一般的には決して歓迎されておらず、反政府運動にまでつながっているということだ。

とくに 12月 5日付の「・・・ 警官の本音は」という記事では、実際の取り締まりに当たる道徳警察の 1人が匿名で取材に応え、「本音」を語っているという点で注目される。

彼は 「自分たちのほとんどは普通の兵隊で、兵役の一環としてこうしているだけだ。本当につらくて嫌な気分だ」と言う。服装規定の違反者として取り締まる人数が少ないと、指揮官から仕事ぶりが正しくないなどと批判されるというのだから、「上からの強制」の強さがわかる。

服装に関する制限といえば、昨年 5月22日に書いた「 北朝鮮と日本の中学・高校の共通点」という記事では、北朝鮮がスキニー・ジーンズを禁止したことに触れている。北朝鮮やイランの安易に一律な服装を強いるという発想は、日本の中学・高校にも共通しており、いずれにしてもろくなもんじゃない。

そして冒頭で紹介したイラン国内の司法省と内務省の亀裂は、今後の大きな動きを示唆するものだと思っている。

 

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2022年12月 6日

ワールドカップ、既に心は 4年後に

うぅ〜、寝不足である。原因はもちろん、ワールドカップ決勝トーナメントの 1回戦だ。

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結果は今さら書くまでもなく、1-1 の引き分けで PK戦となり、そこで技術の差が出て敗退となった。考えてみれば、クロアチアって前回の 2018 ワールドカップでは準優勝してるんだから、格が違ってたんだよね。

とはいえ、今回はいい夢を見させてもらったよ。ありがとう森保ジャパン。日本で上向きのベクトルを明確に示している分野なんて、今どきはサッカーぐらいのものだからね。

前世紀後半からサッカーを見ている日本人としては、ワールドカップでドイツとスペインを破って決勝トーナメントに進出するなんて、自分の目の黒いうちはあり得ないと思っていた。それがしっかりと実現してしまうのだから、世の中捨てたものじゃない。

日本ではまだまだこれから個人技に優れた選手が出てくるだろうから、今から言ったら笑われそうだが、2026年が楽しみである。次は先制してそのまま勝つサッカーを見せてくれ。

 

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2022年12月 5日

頼りになるなあ、葛根湯と柴胡桂枝湯!

3日前のニュースだが、新型コロナの発症から 4日以内なら漢方薬の葛根湯小柴胡湯加桔梗石膏が有効だと、東北大大学院の研究チームが発表したんだそうだ(参照)。葛根湯は完全にお馴染みだし、小柴胡湯加桔梗石膏なんていうと舌を噛みそうだが、やはりお馴染みの柴胡桂枝湯は、その一種らしい。

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「両方とも、我が家の薬箱に常備薬として備えてあるよな」と思い、確認してみたらちゃんと十分にあった。葛根湯はフツーに「風邪引きかけたかな?」と思った時にさっさと飲んで寝れば翌日にはピンピンしているし、柴胡桂枝湯はいわゆる「胃腸風邪」っぽいのによく効く。

記事によれば、昨年 2月からの 1年間、コロナ患者 161人を対象に調べたところ、漢方薬を使って治療したグループが良好な回復を見せたというのである。次のようにある。

発症から 4日以内に漢方薬を使った患者は通常治療グループの患者より回復が早く、酸素吸入を必要とする重度の呼吸不全へのリスクが低かった。

心強いじゃないか。そういうことなら「どうも風邪っぽいな」なんて思いながら葛根湯で元気になった人の中には、抗体検査してみれば実はコロナだったなんて人が結構いるかもしれない。私は一昨日の記事でも、「自覚せずに感染している人が相当多い」と書いているし、これは間違いないところだろう。

あまり大きな声じゃ言えないが、「もしかしてコロナかな?」なんて思っても、症状が軽かったら医者なんかに行くより、葛根湯飲んで 3〜4日大人しく寝ている方がマシだったりするかもしれないね。私なんかとくに医者嫌いだし。

 

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2022年12月 4日

性教育は学校なんかに頼ってもしょうがない

毎日新聞に "性教育「10代の実態に合わず」 NPO が文部省に見直し求める署名" (昨日付)という記事がある。43,000筆の署名で、11月 30日に提出したのだそうだ。でもまあ、その程度のことで日本の性教育が変わるなんて、期待できないだろうなあ。

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性教育の国際水準は「包括的性教育」(comprehensive sexuality education)と呼ばれ、ユネスコなどが 2009年にまとめたガイダンスによれば、性交や避妊法は 9~12歳(つまり小学生)で学ぶべきこととされているという。

2009年といえばもう 13年も前のことだが、日本では今でも中学校の学習指導要領に「妊娠の経過は取り扱わない」という記述があり、「歯止め規定」なんて呼ばれてるんだそうだ。小学校で教えるべきことに、中学校でも「歯止め」をかけてるというのは、一体何を怖れてるんだろう。

私は 1959年に小学校に入り、1968年に中学校を卒業するまで、「性教育」なんて受けた覚えがない。小学校 5〜6年の頃、女子生徒は別室に集められて何やら密かに指導されてる気配があったが、その間、男子生徒は別室で「ひまわりの生長」みたいなカンケーのない教育映画を見せられていた。

そんなような扱いだから、男子生徒は「妙にねじ曲がった興味津々状態」になり、その過程で「性はイヤらしいもの」といった観念を持ってしまう。これって、完全に「教育に悪い」よね。

私自身は幸いにも性に関しては、「毎日小学生新聞」とか「毎日中学生新聞」に連載されていた専門家による記事のおかげで、まともな知識をもっていた。毎日新聞って当時としてはかなり真っ当なスタンスだったのだね。

さらに、母親の購読していた婦人雑誌の中綴じに直接的な情報があったりもしたので、結構深いところまで知っちゃってたのである。母親は、息子がそんなのを読んでいても「面倒な性教育の手間が省けるわ」と思ってか、スルーしてくれていた。ウチって、結構「ススんでた」のかもしれない。

というわけで私はかなり早熟なヤツとして育ってしまって、『性と文化の革命』なんか気取ったりしてた。性体験も同級生の誰より早かったけど、みっともないことにはならなかったしね。

ここまでの結論。日本の性教育に関しては、学校なんかに頼ってもしょうがないってことだ。

 

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2022年12月 3日

新型コロナの感染増加と「コロナ前」の生活

Yahoo ニュース Japan が「日本に住む 4人に 1人、沖縄県の 2人に 1人はすでに新型コロナに感染している 抗体調査から分かることは?」というニュースを伝えている。沖縄県の 46.6%、大阪府の40.7% は、N抗体陽性なんだそうだ。

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新型コロナの抗体には大きく S抗体と N抗体の 2種類あるのだそうで、S抗体はワクチン接種をした人と感染した人のいずれも陽性になるが、N抗体は感染した人だけが陽性になるという。つまり、「N抗体陽性」というのは過去にコロナウィルスに感染していたことを示すわけだ。

日本全体では 26.5%、つまり 4人に 1人が N抗体をもっており、30代以下だと 3人に 1人となるのだそうだ。これはコロナウィルスに感染していてもそうとは診断されていない人が数百万人規模でいるということで、自覚せずに感染している人が相当多いことを示している。

さらに、日本の約 4人に 1人が 2022年になってから新型コロナに感染しているというから、今年になってからのオミクロン株の感染力がいかに強いかを示している。

また、一度オミクロン株に感染した人は、同じオミクロン系統のウィルスには感染しにくくなるという。イギリスでは既に人口の 8割が新型コロナに感染しているというので、流行の峠は越えたということになるが、4人に 1人という段階の日本はまだ何とも言えないわけだ。

早く「コロナ前」の生活に戻りたいものだが、そのためには、感染者数が増えなければならないということなので、なかなか難しいところである。

 

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2022年12月 2日

ワールドカップと「しそうけいさつ」

半ば以上諦めていたので、ワールドカップの日本 ー スペイン戦は、朝起きてから録画でダイジェスト版を見ようと思っていたのだが、Mac を立ち上げてすぐに、何と「勝利」の文字が飛び込んできた。スゴいじゃないか、ジャパン! 

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勝てると思っていなかったドイツとスペインに勝ち、悪くても引き分けと思っていたコスタリカに負けるのだから、世の中わからないものである。とくに 2点目は画面で見ても「チョー微妙」な判定だったから、本当にわからないものだ。

ところで、12月 1日付の毎日新聞に ”「しそうけいさつ」漢字に変わりました 外壁のひらがな表示、惜しむ声” なんてニュースがある。「しそうけいさつ」なんて書いてあると「思想警察」という穏やかじゃない漢字が思い浮かぶが、これ、兵庫県宍粟(しそう)市にある警察署なんだそうだ。

「宍粟」という地名をちゃんと「しそう」と読める人は、全国ベースでは圧倒的に少数派に違いない。それだけに宍粟警察署としても、外壁表示は敢えて「しそうけいさつ」と平仮名にしたんだろう。

ただ当事者的には「思想警察」なんて言葉を連想させるなんてことは、考えてもいなかったようなのだ。せめて最後に「しょ」を付けて「しそうけいさつしょ」としてくれれば少しは和いでいただろうに、壁の横幅が足りないなんて思ったのかな。

そもそも宍粟市民なら読めないはずがないし、ほかから訪れる人だって、ちゃんと目的があって来るなら「ししくり」じゃないぐらいのことは理解しているだろう。ということは、何もことさら平仮名にする必要なんてない。

あるいは「子どもにも親しまれるように」なんて思ったのだとしたら、「余計なことは考えなくていい」と言うほかない。

ところがいざ漢字に変えてみると、この平仮名表示の消滅を惜しむ声が大きいというのだから、世の中おもしろいものである。それならそれで、「話のタネ」として平仮名を残しておくのも一興だったかもしれないね。

ワールドカップにしても「しそうけいさつ」にしても、何がどう転ぶかわからない。世の中というのは、だからこそおもしろいのだろう。

ただ、私としてはスペインにはあまり思い入れがないから、ドイツと一緒に決勝トーナメントに進みたかったなあ(参照)。

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2022年12月 1日

掃除って、「さあ、やるぞ!」でやるものじゃない

「となりのカインズさん」というサイトに、"花王と「掃除めんどい問題」について本気出して考えてみたら解決した" という記事がある。「解決した」という自信たっぷりの見出しにそそられ、こちらもつい本気出して読んでみた。

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この記事は花王の松田さんというきれいなお姉さんとの対話形式で、縦に長く続いているのだが、さっさと最終結論に飛んでしまうと、要するに「ながら・ついで作業で掃除する」ということに尽きるようなのだ。つまり、「さあ、やるぞ!」で気合い入れてやるんじゃないということである。

家の中であちこち行く度に、そこにある道具で、ついでにきれいにしちゃうというわけだ。そのためには、ご大層な掃除用具を決まった収納場所にきちんとしまっておいたりしちゃいけない。

そういえば、我が家の場合もそんな感じになっている。家の中のあちこちに袋がぶら下げてあって、中には着古した Tシャツなんかを裁断したボロ布が詰まっている。それを取り出してちゃちゃっと水で濡らし、汚れたところをちょいちょいっと拭く。吹き終わったら、どうせボロ布だから屑籠に捨てる。

紹介した記事は花王のおねえさんのご指導なので、「クィックル ホームリセット」とか、花王の掃除用品がたっぷり紹介されているが、ウチでやってる実感からすると水で濡らしたボロ布で十分だ。(花王さん、ごめんね)

さらに、掃除機も手軽にしてある。実はダイソンのヘビー・デューティな掃除機も持ってはいるのだが、年に 1〜2回の大掃除で使うだけだから、いつもは押し入れで眠りっぱなしだ。壁際にぶら下げて、気軽にひょいっと使えるようにしてあるのは、マキタの充電式掃除機である(下の写真)。

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これ、軽くて気楽なものなので、1日に 2〜3回手に取ってササッとほこりを吸い取ってしまえる。いちいち電源に繋いで重い本体を引きずらなければいけないタイプだと、こうはいかないよね。コスト・パフォーマンスで言ったら、ダイソン掃除機の 100倍ぐらいの働きをしてくれている。(ダイソンさん、ごめんね)

というわけで、「さあ、やるぞ!」というのは、年に 1〜2回の大掃除だけで、普段は「ちょっとしたついで」で軽く済ませてしまえばいいってことのようなのである。これ、経験則からしてもかなり納得の話だ。

 

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