性教育は学校なんかに頼ってもしょうがない
毎日新聞に "性教育「10代の実態に合わず」 NPO が文部省に見直し求める署名" (昨日付)という記事がある。43,000筆の署名で、11月 30日に提出したのだそうだ。でもまあ、その程度のことで日本の性教育が変わるなんて、期待できないだろうなあ。
性教育の国際水準は「包括的性教育」(comprehensive sexuality education)と呼ばれ、ユネスコなどが 2009年にまとめたガイダンスによれば、性交や避妊法は 9~12歳(つまり小学生)で学ぶべきこととされているという。
2009年といえばもう 13年も前のことだが、日本では今でも中学校の学習指導要領に「妊娠の経過は取り扱わない」という記述があり、「歯止め規定」なんて呼ばれてるんだそうだ。小学校で教えるべきことに、中学校でも「歯止め」をかけてるというのは、一体何を怖れてるんだろう。
私は 1959年に小学校に入り、1968年に中学校を卒業するまで、「性教育」なんて受けた覚えがない。小学校 5〜6年の頃、女子生徒は別室に集められて何やら密かに指導されてる気配があったが、その間、男子生徒は別室で「ひまわりの生長」みたいなカンケーのない教育映画を見せられていた。
そんなような扱いだから、男子生徒は「妙にねじ曲がった興味津々状態」になり、その過程で「性はイヤらしいもの」といった観念を持ってしまう。これって、完全に「教育に悪い」よね。
私自身は幸いにも性に関しては、「毎日小学生新聞」とか「毎日中学生新聞」に連載されていた専門家による記事のおかげで、まともな知識をもっていた。毎日新聞って当時としてはかなり真っ当なスタンスだったのだね。
さらに、母親の購読していた婦人雑誌の中綴じに直接的な情報があったりもしたので、結構深いところまで知っちゃってたのである。母親は、息子がそんなのを読んでいても「面倒な性教育の手間が省けるわ」と思ってか、スルーしてくれていた。ウチって、結構「ススんでた」のかもしれない。
というわけで私はかなり早熟なヤツとして育ってしまって、『性と文化の革命』なんか気取ったりしてた。性体験も同級生の誰より早かったけど、みっともないことにはならなかったしね。
ここまでの結論。日本の性教育に関しては、学校なんかに頼ってもしょうがないってことだ。
| 固定リンク
「学問・資格」カテゴリの記事
- 卒業した高校の通知表なんて要らないし(2025.03.06)
- イグ・ノーベル賞をもらうのも、なかなか大変なのだね(2025.01.12)
- 「理食」から垣間見る近頃の学食事情(2024.04.24)
- 「卒論代行」というのが当たり前になっているようだ(2024.01.08)
- 「8人に 4リットルのジュースを分けると 1人分は 2リットル」という誤答を巡る冒険(2023.07.20)
コメント
あれは性教育というものかどうかよくわからないが、息子が小学1年の参観日に、教師が 男の子のおちんちんは何のためにある? という質問をして、子供達が口々にオシッコする為と言っている中、我が家の長男が さっと手を挙げ、赤ちゃんの素が出てくると答え、妻は非常に恥ずかしかったそうです。
投稿: basara10 | 2022年12月 5日 08:51
basara10 さん:
立派なお子さんです(キッパリ!)
投稿: tak | 2022年12月 5日 12:22