今年の漢字は「戦」なんだそうだ
恒例の「今年の漢字」というのが京都の清水寺で発表された(参照)。「戦」という文字だったというのは、多くの人が納得するだろう。ウクライナ戦争もまだ続いていることだし。
このイベントは「漢字能力検定協会」(本部:京都市)が 1995年から開始したもので、毎年 12月 12日に発表されるという。最初の年は「阪神・淡路大震災」や「地下鉄サリン事件」で震え上がったせいで、「震」という漢字が選ばれた。これはさすがに納得だろう。
今年選ばれた「戦」という漢字は、2001年に続いて 2度目であるらしい。21年前は「アメリカ同時多発テロ事件」や、米国による「アフガニスタン侵攻」といった事件があったことを反映しており、その時に書かれた「戦」の文字はこんな具合だった。
同じ森清範貫主が書かれたものだが、今年とは書体が違う。21年前の「戦」とは中身が違うから、書体だって当然変わるということなのだろうか。
ちなみに過去 5年を遡ってみると、漢字とトピックはこんな具合だったようだ。
- 2021年「金」: 東京オリ・パラでの、金メダル獲得ラッシュ など
- 2020年「密」: コロナ禍による「3密」回避 など
- 2019年「令」: 元号が「令和」に変わったこと など
- 2018年「災」: 豪雨、地震の災害頻発、「災害級の暑さ」など
- 2017年「北」: 北朝鮮のミサイル発射や核実験 など
こうしてみると、今年の「戦」というのは、最近では最も「取って付けた感」のない、まともな選考と言えそうだ。昨年の「金」は 4度目(4度ともオリンピックのあった年)だし、「北」という漢字になった 2017年なんて、「もう少し何か気の利いた字があるだろうよ」と思った記憶があるもので。
そして最後に恐る恐る書かせていただくのだが、ずっと「今年の漢字」を墨書されている森清範貫主という方の書って、私如きには達筆だか何だか理解できないのだよね。(・・・ 大変失礼致しました!)
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コメント
私も書の芸術性を語れるほどの素養はありませんが、例年の字と比べて荒々しく激しいように感じます。字で感情を表現できるような方なのだと思います。
あと余計なお世話ですが、”森清範””貫主”です。
投稿: らむね | 2022年12月12日 23:50
らむね さん:
>字で感情を表現できるような方なのだと思います。
なるほど、それはかなり納得です。表面的な上手下手を超えた書なのでしょうね。
それから、貫首のお名前、わかっていたのに変換を間違えてました。頭が寝ぼけていたようです。モロに月並みですが、「訂正してお詫び申しあげます」ということで、よろしく。
投稿: tak | 2022年12月13日 06:54
またまたすみません。
貫首も”貫主”なのです。
投稿: らむね | 2022年12月13日 08:13
らむね さん:
重ね重ねありがとうございます。夕べ遅くなってから急いで書いたので、変換がめちゃくちゃになってしまったようです。
修正しましたので、よろしくお願いいたします。
投稿: tak | 2022年12月13日 13:08
「戦」といえば
「戦」の字を「そよぐ」と訓へし先人よ 開戦前の風項(くび)に鋭し/矢部雅之
なんて短歌がありましたね。9.11直後の時期にパキスタンにいた報道カメラマンさんの作ですが。
だいぶ昔、来年の漢字を当てる予想コンテストをやっていたブログを見たことがありますけど、まさか来年の漢字も引き続き「戦」なんて事態にはならないでもらいたいところです。
投稿: 柘榴 | 2022年12月14日 06:30
柘榴 さん:
うわぁ、読み方の難しい短歌ですね! でも、すごい!
>まさか来年の漢字も引き続き「戦」なんて事態にはならないでもらいたいところです。
はげしく同感。「笑」とかになってもらいたいところですが、無理かな?
投稿: tak | 2022年12月14日 08:23