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2022年12月29日

人間が面倒なドツボにはまって苦労する構造

Gigazine に "「Safari の日付を選ぶ仕組み」がカスタマーサポートに寄せられる苦情の 3分の1を生み出していたという報告" という記事がある。どういうことなのかと思って読んでみて、「はあ !?」とコケてしまった。ただこれって、こうしたことに慣れない老人にはかなりマジな話なのだろう。

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この問題を報告したのは、高血圧薬を推奨するシステムを提供する Geneticure の創設者、ロバート・トーマス氏という人だそうで、この組織に寄せられる苦情の 3分の 1が、Safari に表示される日付選択画面の、上の画像(日本語版 Safari では、当然日本語になる)に関することなのだそうだ。

自分の生年月日を入力する際にこの画面を前にすると、少なからぬ老人は自分の生まれた月に戻すために、右上の赤で囲まれた部分の左向きアイコンを延々とクリックして 1月ずつ戻るのだそうだ。ということは、12月生まれの 60歳だと 720回もクリックしなければならない。そりゃ、疲れるわ!

実際には「年」を遡るには、左側の ”December 2022 >” の右向きアイコンをクリックすれば、下のような表示が現れ、スクロールすれば自分の生まれ年が呆気なく表示される。ただ私のように 70歳にもなると、1952年まで結構長くスクロールしなければならないのがちょっと癪に障るが。

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こんなのは別に考えるまでもなくごく自然に反応できてしまうものと思っていたが、慣れない人には左上のマークで「年」を表示するなんて、なかなか発想すらできないみたいなのだね。いやはや、この記事を読むまでそんなこととは思いもよらなかった。

「デジタル・システムは、人間が楽するために作られたもの」という当たり前の前提に立ちさえすれば、順当なやり方にすぐに気付けるはずなのだが、ことはなかなかそうは行かない。逆に「デジタルって、面倒なもの」と思ってしまっている人は、魅せられたように面倒なドツボにはまって苦労する。

人間って心の中の思い(例え無意識的なものだったとしても)を実現したいという自然の欲求をもっているから、どうしてもそうなってしまいがちだ。このあたりはデジタルに限らず、日常生活でも見当外れな思いにとらわれないように、マジに気をつけなければいけないのだろうね。

 

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コメント

先日、JRの改札口で前のおばさまがなかなか改札口を通過してくれない。何やってるんだろうと思いちらっと手元を見たらスマホの画面にモバイルSuicaの画像を出してから改札機にタッチしてました。

「おばさま、スマホにモバイルSuicaの画面を出さずにそのままタッチすればいいんだよ、そんな面倒なシステムは存在しないよ」と思いました。

モバイルSuicaを使うおばさまは凄いなと感心すると同時に、いつ気が付くのだろうかと少し気になりました。

投稿: ハマッコー | 2022年12月29日 20:55

ハマッコー さん:

ははあ、それはちょっと複雑な思いのする場面ですね ^^;)

私はコンビニの買い物なんかでも、スマホを取り出して「ピッ」で済ませてます。楽ですよね。

投稿: tak | 2022年12月29日 22:46

<input type = "date"> ネタですね。 英語だと Dec.2022> なので 日本語の 2022 12月> より[年]を変更するのに直感的でないのかな と一瞬思いましたが関係なさそうですね 日本語でも
https://zenn.dev/rukiadia/articles/9a984281160edd4cf940
で 同様なことが書かれています。 (生年月日の入力にデフォルト値なしで使用したプログラマーがスカタンでしょう。(対象カスタマーに合わせて<input type="date" value="1972-01-01" /> とかしておけば 少しは マシだったかも )
以下ページの一番下で 各ブラウザで<input type = "date">がどのように見えるかを確認できます。 Windows上のFireFox と Edge と Seamonkey と IE11(笑) raspberry pi上のCromiumで やってみました。IE(非対応)以外は 数値のキーボード入力も可能でしたが、スマホでは不可能なんですかねぇ。
試した中ではFiewFoxの表示が文中のSafariに似ていますが、問題の部分は [2022年12月V](Vは下向き矢印)で 文字全体が枠に囲まれていていかにもボタン機能がありそうに見えますし 実際枠内をどこでもクリックするとドロップダウンリストになります 「直感に反して月と年が別々に動く」問題? も 個別にスクロール矢印があるので 迷いません。
Edgeは [2022年(令和4年)12月V]表記で 特にボタン風の表示ではなく、さらに長いので私の環境では 12と月の間で改行されてしまい イマイチな感じです。(クリック後の 年月選択もちょっと使いにくい)
どうも「ボタンをボタンらしく表示するのはカッコ悪い」とする風潮が問題を生んでいるように思います。

投稿: Sam.Y | 2022年12月30日 15:21

ごめんなさい 飛んじゃった。

以下ページの一番下で
http://www.htmq.com/html5/input_type_date.shtml
です。

投稿: Sam.Y | 2022年12月30日 15:23

Sam.Y さん:

日付入力は、日本語の場合なら年月日ともに数字だけで行けますから、手入力が一番手っ取り早いかもしれませんね。

ただ、英語を初めとするヨーロッパ語だと、月の名前がややこしいので、クリックやスクロールのフォームを用意したくなるのでしょう。

こうなったら、日本でも「睦月、如月、弥生・・・」で行ってみてもいいかもしれませんが、12月が「師走」ぐらいしかわからない人が多いから、ムリか ^^;)

5月の「さつき」も、「五月」と表記すれば大丈夫でも、「皐月」だと「あれ?」となっちゃうでしょうしね。

投稿: tak | 2022年12月30日 18:02

出雲からのアクセスを判別するのが悩ましい。

投稿: 神在月(a.k.a. Sam.Y) | 2022年12月31日 09:31

神在月 さん:

なるほどね (^o^) 出雲では実際に「神在月」になるんですね。

昔は「出雲の国は 10月になると日本中の神様でギュウギュウ詰めになるんだろうな」なんて思ってましたが、そのうちに、「神様は時空を超越しているから、大丈夫なんだろう」と納得するようになりました。

投稿: tak | 2022年12月31日 19:56

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