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2022年12月10日

「牛角」という言葉を深掘りしてみる

時々通る道筋に「牛角」という店があるが、肉を食わない私には全然縁がなく、牛の何を食わせる店なのかすら知らなかった。「ステーキ屋」とか「すき焼き屋」とかじゃなく「焼き肉屋」なんだ(参照)と知ったのは、つい最近のことである。

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10年近く前に「ソースで天ぷらを食う人たちは、鉄板系コナモンも好き」という記事で、私の生まれた山形県は「お好み焼き不毛の地」と言われると書いた。飲食店に入って、「自分で焼いて食う」という文化がないのである。

そして山形県の中でも私の生まれた庄内は、さらに「焼き肉屋不毛の地」でもある。同じ山形県でも内陸に行けば「米沢牛」などがあるので、焼き肉店は少なくないようだが、庄内人はお好み焼き同様、「自分で焼いて食う」ことに馴染めないのだ。最近は少しは変わりつつあるかもしれないが。

おっと、今日はそんなことを論じるつもりじゃなかった。何を書きたかったのかというと、「牛角」と書いて本来は「ごかく」と読むという話である。

最近では「互角」と書いて「ごかく」と読ませる方が主流となっているが、この言葉の語源は「牛角」であるらしい。ウェブ上の「語源由来辞典」の記事には、次のようにある(参照)。

互角は、牛の角に由来する言葉である。
牛の左右の角は長短・大小の差がないことから、二つのものが同等であることを「牛角」と言うようになった。
『平家物語』や『太平記』では「牛角」の表記が見られる。
のちに「互い」の意味から、室町時代以降「互角」と表記されるようになった。

ただ、この記事には残念ながら「牛角」の読みが「ごかく」だったという明確な文言が見当たらないので、念のため、こちら も参照してご確認いただきたい。というわけなので、手持ちの ATOK で「ごかく」と入力しても「互角/五角/五画」の 3語しか候補に挙がらないのが甚だ残念である。

さらに言えば、最近は「互格」という標記もあるようだ。広辞苑無料検索に出ている(参照)。「同格」という言葉があるのだから、自然な変化だろう。しっかりしてくれよ、ATOK。

一方、焼き肉屋の方の「牛角」(こちらは当然「ぎゅうかく」と読むのだろうね)は 1996年 1月、世田谷区の三軒茶屋に『焼き肉市場 七輪』という店名で創業し、翌年に今の店名に変わったらしい。その由来は、Wikipedia に次のようにある(参照)。

(開店の)当時はあまり客が来なかったが、会計の際に300円の割り引きの代わりに店へのクレームを言ってもらい、そのクレームを改善していったところ、繁盛店となった。店名も、牛の角をアンテナに見立てて「お客様のニーズをすばやくキャッチする」という発想から1997年10月、店名を『炭火焼肉酒家 牛角』に変更した。

へえ、あのロゴマークって、アンテナの象徴でもあるようなのだ(参照)。そんなようなイメージはあまり感じられないけどね。

ちなみに、創業当初の名前「七輪」は、当然「しちりん」なんだろうが、下手すると「ななわ」なんて読まれてたかもしれない。そう思って冗談のつもりでググったところ、「七輪」で「ななわ」と読ませる店が山ほど見つかって驚いた(参照)。

実際の話、1980年代以後の生まれだと、「七輪」なんてものは見たことも聞いたこともない人が多くて、ごく自然に「ななわ」なのかも知れないね。

 

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コメント

まさに1980年生まれです(笑)

七輪、画像や映像は別にして、確かに実際に見たことは無いですねえ。祖父母の家が街中だったこともあって(城下町小田原です)、そういうものは早々に使わなくなったのかもしれません。
かろうじて記憶に残るのは、黒電話とダイヤル式白黒テレビ、曾祖母の自宅葬のときに畳を不祝儀敷きに並べ替えたこと(当時話もちろん知らず、長じて気付きました)ぐらいです。

投稿: らむね | 2022年12月10日 20:58

らむね 様

私、老齢の域に充分達しておりますが「畳を不祝儀敷きに並べ替えた…」というくだりにびっくり致しました。そんな風習があったのですね。勉強になります。

投稿: さくら | 2022年12月10日 22:29

らむね さん:

おお、やっぱり見たことないですか。

サンマを焼くとやたら煙が出るので、七輪を外に出して焼いてたりしたものですが (^o^)

>かろうじて記憶に残るのは、黒電話とダイヤル式白黒テレビ、

私なんか、ダイヤルがなくて、交換手に電話番号を告げる電話を覚えてます。それから、テレビなんかなくて、真空管式のでっかいラジオ。

ところが、「不祝儀敷き」は驚きました。ウチの田舎では、わざわざ畳敷き変えたりなんかしませんね。

そもそも、現在住んでいる家の和室の畳は、どういうわけか決まった通りの敷き方でないときちんと収まりません。17年前の「ハンリー・フォードと畳」という記事 ↓ に詳しく書いてあります。

https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2005/08/post_b973.html

投稿: tak | 2022年12月11日 07:43

さくら さん:

まったく同感。

投稿: tak | 2022年12月11日 07:49

手元のデジタル大自辞泉では「ごかく」と当たると「互角、牛角」と出てきますね。また「ぎゅうかく」入れても「牛角」は出てきません。

MS-IMEでは「ごかく」では「牛角」出てきません。
逆に「牛角」は「ぎゅうかく」で出てきます。

ATOKもMS-IME ももう一つのようです。

*牛角を「ごかく」と読むのは知りませんでした。

投稿: ハマッコー | 2022年12月11日 11:32

ハマッコー さん:

ハマッコー さんだけでなく、「牛角」を「ごかく」と読む人は今どきいないでしょうから、大きな問題はないでしょうけど、それでも一応「ごかく」で「牛角」という変換候補が用意されていたら、いざという時に「さすが!」と思われますよね。

ちなみに、私も「ごかく」という読みはつい最近まで知りませんでした ^^;)

投稿: tak | 2022年12月11日 21:07

名古屋(の一部の方)は、「ひちりん」ですねぇ。

ひちや
ひちぐさ

そうかと思えば!
岐阜県加茂郡七宗町(ぎふけんかもぐんひちそうちょう)だったりするんで、「ななむね」は、ご勘弁ください。

投稿: 乙痴庵 | 2022年12月12日 20:19

乙痴庵 さん:

「しち」が「ひち」になるのは、東京の下町でもあったりしますね。

ちなみに我が郷土の山形県庄内では、「七輪」は「すづりん」です (^o^)

>岐阜県加茂郡七宗町(ぎふけんかもぐんひちそうちょう)

これにはびっくり。

投稿: tak | 2022年12月12日 21:26

江戸っ子じゃないんですが、小学校5年生まで東京でした。 5年生の夏に関西に引っ越したのですが、、、「お引っ越し」が発音できませんでした。(赤面)

投稿: Sam.Y | 2022年12月14日 18:25

Sam.Y さん:

「オシッコし」ですか (^o^)

投稿: tak | 2022年12月14日 20:27

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