Silly Walks(バカ歩き)の真っ当な効用
TECHNO EDGE の "モンティ・パイソン「バカ歩き」に心肺機能を高める健康効果、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルが掲載" という記事に嬉しくなってしまった。元記事は、"Quantifying the benefits of inefficient walking: Monty Python inspired laboratory based experimental study"。
ただ、モンティ・パイソンと言っても、最近の人たちはよく知らないかもしれない。70年代のカウンター・カルチャーを謳歌した我々世代には、妙な意味での「アイドル的存在」なのだが(参照)。
上の動画は "Ministry of Silly Walks"(バカ歩き省)というタイトルで、Silly Walks が世に注目されるきっかけとなった輝かしいスケッチである。真似してみれば確かに結構疲れるので、心肺機能は高められるのだろう。ただ、目的は決してそこにあるわけじゃないのだが。
ちなみに元記事はまじめな医学系メディアなので、"inefficient walking" (非効率な歩き方)なんてカタい言い方をしているが、要するに "silly walks"(バカ歩き)のことである。なるほど、あれって非効率と言えばかなり非効率だよね。
この歩き方はその非効率さのために、5分間で「ランニングやスイミングを 8分ほど続けて行ったのと同じぐらい激しい運動に相当する負荷がかかる」ことが確認されたという。つまり走ったり泳いだりするよりしんどいってことで、ダイエットや健康増進に効果が期待されるというのも道理である。
ただ念のため重ねて言うが、この歩き方はダイエットや健康増進を目的としているわけでは決してない。何しろ「バカ歩き」というほどなので、目的なんてことは意識しない方がいいのだろう。
この記事にしても、"どうしても試したい場合は、ウォーキングで人目のない路地に差し掛かったときなどに、軽く試してみるのが良いかもしれません" と、控えめな書き方をしている。あまり堂々とやったら、「あいつもついにイッてしまったか」なんて思われちゃうからね。
こんなことならフツーに走ったり泳いだりする方がずっとマシのようにも思われるが、注目すべきは、この記事の次のような結論だろう。
バカ歩きをした被験者はみんなが笑顔になったと報告しました。仲間どうしで互いのバカ歩きを、笑いあうことができれば、心理的な健康にも良さそうです。
なるほどなるほど。おまじめな医学系メディアとはいえ、さすがに英国だけのことはある。「笑い」こそが真っ当かつ最大の効用なのだろう。
というわけで、Merry Christmas!
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